菅生高校の特別進学コースでは、「広く科学技術に興味・関心を持ち、次代の
リーダーとして活躍する」という目標があります。その一環として7月24日(土)
~25日(日)JAXAの協力を得て長野県の国立天文台野辺山で行われた研修
に、特進コースの1、2年生およそ40名が参加しました。
この天文台は野辺山宇宙電波観測所と野辺山太陽電波観測所の2施設から
なります。宇宙電波観測所では45m電波望遠鏡で宇宙からのミリ波を観測し
たり、チリのアタカマ砂漠に設置してあるASTE望遠鏡を野辺山から遠隔操作し、
サブミリ波の観測に威力を発揮する望遠鏡などが所属しています。一方、太陽
電波観測所では、合計84台のアンテナ望遠鏡を使い、最大直径500mの電波
望遠鏡に相当する解像度で、毎日太陽の観測を行っているそうです。複数台の
望遠鏡群を操作して1台の望遠鏡に相当する解像度を得るには、多くの技術を
必要としますが、日本はこういった技術に長けています。太陽観測や宇宙の電波
観測分野では日本が世界のトップを走っているそうです。
【1日目】
菅生高校を9時にバスで出発、途中サービスエリアで簡単な昼食をとり、国立天
文台野辺山に到着したのが12時頃でした。その後、予定通りJAXA(宇宙航空研
究開発機構)准教授の北村良実先生の説明を受けながら見学コースを回りました。
生徒は広い施設内に設けられた望遠鏡群を一目見ると、その大きさに圧倒されて
いました。特に45m電波望遠鏡の圧倒的なスケールに驚き、盛んに写真を撮る
姿が見られました。電波望遠鏡の内部に入り、コンピュータ制御された機器群を見
学したときには、感動して立ちすくむ生徒もいました。その後、本館の講義室で「電
波天文学」の初歩的な講義を約2時間受講しました。生徒は目を輝かせて資料に
メモし、講義に魅了されていました。講義の後は、近くの宿泊施設で夕食と入浴を
済ませ、再び夜8時に野辺山に集合。実際に電波観測をするのは、周囲の雑音が
少ない夜中に行うそうです。日々電波観測を行っている大学院生に説明を受けな
がら、電波観測の重要性や観測の大変さなどのお話を伺うことが出来ました。
【2日目】
翌日は清里周辺のハイキングコースを散策し、牧場でBBQの昼食をいただきまし
た。BBQでは食材の準備や実際の食事、後かたづけなど、役割分担が自然と行
われ、先生と生徒が一体となって心を通わせる場面が見られました。その後お土産
などを購入し、午後2時30分に現地を出発、午後5時には菅生高校へ戻ってきまし
た。
今回の研修では、電波観測所を見学するのが初めてという生徒が多く、「こんな大き
な望遠鏡で観測してるなんて思わなかった」、「大学では宇宙の研究をしたくなってき
た」また、「宇宙について分かりやすく説明してくれて、興味を持てた」といった声が感
想文に書かれていました。こうした経験は、生徒の将来に向けた貴重な糧となります。
菅生高校では、これからも生徒にいろいろな企画を提示し、積極的に未来を切り開く
力を養って欲しいと願っています。
詳しくは… 菅生学園HPまで

 

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