翠陵の今朝の木々は、土曜日の雨で洗われ、一段と緑が輝いて見えます。
先日の放課後、サイエンスクラブの2人の生徒が、中庭で何かを探していました。
「どうしたの?」と声を掛けると、「生物の先生に教えてもらったワラビを探しているんです。」と答えてくれました。「どれどれ。」とよく見ると、確かにワラビが結構生えていました。もしかしたら、ゼンマイも生えているかもと探したら生えていました。
ワラビやゼンマイ取りに出かけて道に迷ったとか、熊に出会ったというニュースを聞きます。そういう場所に生えるワラビやゼンマイが、翠陵の庭にも生えているのを見ると嬉しくなります。
ワラビが芽を出すと、待ちかねていた春が到来したことを教えてくれます。昔の人たちも、春の到来の嬉しさを歌に詠んでいます。
ワラビを眺めながら、2つの歌が浮かびました。
1つは、万葉集の志貴皇子の歌です。
「岩激しる 垂水の上の 早蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも」
もう一つは、江戸時代の狂歌で、作者は蜀山人です。
「早蕨の にぎりこぶしを ふりあげて 山の横つら はる風ぞふく」
さて、翠陵の春と言えば、キンランです。
キンランは、環境省の絶滅危惧種(絶滅のおそれがある野生生物)に指定されている大変珍しい植物です。愛らしい黄色い花の美しさから、“里山の女王”と称えられています。
今年も、通学路にしっかりと芽を出してくれました。まもなく美しい花を咲かせてくれます。楽しみにしていてください。
野球場の奥の竹林には、もう竹の子が生えだすと思います。竹の本数がだんだん少なくなってきました。しばらくの間は掘り起こさず、眺めるだけにしてください。
さあ、萌え出づる春です。植物は一斉に成長をし始めます。
皆さんも、植物にならって、自分の目標に向かってたくましくチャレンジしていってください。

 

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