夏季休業も半ばを迎えました。

残念ながら、今年も中高生の川や海での水の事故が伝えられています。翠陵では、このような事故の報告がなく嬉しく思っています。高校2年生の海外教育研修も順調に日程を消化し、今週末に帰国する予定です。

夏季休業の後半も、皆さんが無事に過ごすことができるよう期待しています。

 

夏季休業に入る際に、しっかりとした計画を立てて有意義な夏になるように皆さんにお話をしました。休業半ばを迎え、計画したことが実行できているかどうか、今一度振り返ってみてください。時間はまだ十分あります。実行できていないものは、早速取り組み直してください。

 

夏季休業に入る前に、中学1年生の国語の授業を参観しました。

俳句の作り方についての授業で、配布プリントの中に夏の季語をまとめたものが記載されていました。プリントを見ていた生徒から、「“原爆の日”って夏なの?」という声が聞こえてきました。なるほどと思いました。

1945(昭和20)年の8月6日、広島に世界最初の原子爆弾が投下されました。そして、今日8月9日には、長崎にも投下されました。午前11時2分でした。

“原爆の日”は、8月6日と8月9日の2日ありますが、その間に立秋という日が入ってきます。立秋は二十四節気の一つで、初めて秋の気配が表れてくる日を指しています。今年は、8月8日が立秋に当たります。暦の上では、この日から秋になります。しかし、実際には「残暑」が厳しく、一年で最も暑い時期です。手紙の挨拶は、この日から「暑中お見舞い」ではなく「残暑お見舞い」に変わります。

季語の話に戻ります。詳しく言いますと、8月6日の広島の“原爆の日”は夏、8月9日の長崎の“原爆の日”は秋になります。

 

“原爆の日”は“原爆忌”とも言われており、慰霊の式・平和を祈念する式が広島と長崎でそれぞれ行われています。

今年で66回目を数えますが、今年は特別です。3月に福島で原発事故が起きたからです。

放射能汚染はどんどん拡大し、汚染された地域では深刻な事態を招いています。私たちも、被害ができるだけ少なくなるよう、冷静に対応していかなければなりません。

さて、今回の原発事故は、「原発は必要か?」という重大な問題を私たちに投げかけています。

ドイツやイタリアなどでは、“脱原発”の動きが始まっています。

日本では、発電電力量のうち原子力の割合は約24%で、原発依存度は世界で3番目に高くなっています。

皆さんの中には、「原発をどうするかは、政治家たちが決めるものだ。」と考えている人がいると思います。そうではありません。私たちの生活に直結するエネルギー政策は、私たち自身が決めていかなければいけないことです。

今後の日本のエネルギー問題をどうするか。

原発は本当に必要なものなのか。

時間とコストをかけても、安全で再生可能な自然エネルギーに切り替えていくのか。

皆さん一人ひとりが、日本の未来に向けて考えていく必要があります。

 

夏季休業中の計画を振り返るとともに、日本の将来のことについてもじっくり考えてみてください

9月に皆さんの元気な顔を見ることを楽しみにしています。

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