共学1年目の前期を振り返ってみると、男子生徒が予想以上に多く入学し、行事や部活動がより活性化されたと感じています。

後期の翠陵祭や体育祭が今から楽しみです。行事や部活動だけでなく、授業にも変化が見られています。

今までは女子だけで理数系を苦手としている生徒が多く、数学や理科の授業にあまり活気が見られませんでした。

理数系に関心が高い男子が加わることで、女子の間に「ああ、そういう考え方があるんだ。」「最初から無理だとあきらめていたけど、やればできるんだ。」などという良い刺激が与えられています。

その一方で、スタディサポートの結果を見ると、国語の教科に対する“どちらかというと嫌い”も含めた“嫌い”の割合が、昨年より5%増えています。

国語を苦手とする男子が多く入学した結果と思われます。国語を得意とする女子と一緒に学ぶことで、国語に対する苦手意識を早く解消してほしいと思います。

今後も共学による相乗効果が、さまざまな面で大いに発揮されることを期待しています。

 

次に、嬉しいニュースをお知らせします。

硬式野球部がテレビ神奈川のこの秋からスタートする新番組の取材を受けています。

番組のタイトルは、「Teenage Gardenキメ!執事」で、神奈川の中高生を応援し元気にしようという企画です。その記念すべき最初の放映が、10月14日の午後9時からに決まりました。皆さん大いに楽しみにしていてください。

 

それとは反対に、残念なこともお話しなければいけません。

前期、施設や備品の破損が見られました。

共学になった学校から、「男子生徒が入学すると物が壊されますよ。」というアドバイスも受けており、動きが早くて大きい男子生徒が入学することで、ある程度物が破損することは想定していました。

年度当初はほとんどの場合、「勢いが着き過ぎて壊してしまいました。」と自己申告してくれました。ところが最近は、自己申告の数が減っています。物を壊してしまった時は、正直に申し出てください。

 

共学を機に、翠陵はこれまで培ってきたことをベースにしながら新しい学校にChangeすることを目指しています。

その原動力として、男子生徒のパワーに大いに期待しています。

26年前に翠陵が開校された頃を思い浮かべています。

当時の生徒たちの一番印象に残っていることは、「自分たちの学校を、自分たちの手で創り上げよう。」という強い意欲。

そして、「真新しい校舎や施設を大事に使って、後に続く後輩たちのために綺麗なまま残していこう。」という心遣いです。

共学に向けて、トイレの改修や机・椅子・ロッカーの交換なども行いました。

皆さんにも、26年前の先輩と同じ心遣いを持って、大事に使ってほしいと思っています。

 

先週の9月21日に、女性作家の辺見じゅんさんがお亡くなりになりました。

72歳でした。角川書店の創業者を父に持ち、父の死の間際に戦争体験を聞いたことから、戦争をはじめとする過酷な状況の中でも人間らしく生きた人びとを温かく丹念に描いた作品を数多く残されました。

代表作に、旧ソ連のシベリア抑留生活を描いた『収容所から来た遺書』、そして映画にもなった『男たちの大和』などがあります。

その辺見さんが、21世紀に書き続けるための4つのキーワードについて語ったことがあります。

“ふるさと”“きづな”“命”。この3つは、東日本大震災が起きることを予想していたと思えるほど、今と重なっています。

そして、最後に最も大切なこととして、“歴史に学ぶこと”をあげています。

 

26年前の先輩たちにならって、「自分たちの学校を、自分たちの手で創り上げよう。」という気概を皆さんにもぜひ持ってほしいと思っています。

後期、皆さんの生き生きとした新しい姿を見ることができることを期待しています。

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