最近、“ガラパゴス化”現象という言葉がよく使われるようになりました。

ガラパゴスは、ガラパゴス諸島を指しています。南米のエクアドルから西に約900km離れた太平洋上にある島々で、ガラパゴスゾウガメやガラパゴスイグアナ、ガラパゴスペンギンなど独自の進化を遂げた固有の生物が数多く生息していることで知られています。

これは、ガラパゴス諸島が海底火山の活動によって生まれた島で、大陸から隔絶された環境のもとで他からの影響を受けることがなかったためだと言われています。

ダーウィンが、進化論のアイデアを得た場所としても有名です。

また、独自の進化を遂げてきた生物は、外から入ってくる異質なものにはきわめて弱いという特徴も持っています。

“ガラパゴス化”現象という言葉は、品質や技術面では優れているが、世界標準からかけ離れているため日本の市場にしか通用せず、国際競争力が低下してしまった日本の製品やサービスのことを指しています。

その代表的な例が携帯電話だと言われています。日本の携帯電話は、画像や音楽などのコンテンツやメールサービスが充実し世界の最先端に位置していますが、通信方式は日本独自のPDC方式を採用しています。しかし、海外では欧州のGSM方式が標準規格になっており、世界の携帯電話市場は、フィンランドや韓国、アメリカの企業が上位を占めています。

携帯電話以外に、地上デジタルテレビ放送も“ガラパゴス化”に陥る危険があると言われています。地上デジタルテレビ放送には3つの方式があり、欧州方式と米国方式が優位を占め、技術的には優れている日本方式を採用したのは南米のブラジルのみと言われています。

その他に、カーナビや大学教育、医療サービスなども、“ガラパゴス化”の懸念があると言われています。

このような状況を打開するために、今“第三の開国”が叫ばれています。

世界の動きに遅れることのないように、世界に門戸をより開くと共に、積極的に世界に出て行くことが必要だと指摘されています。

“第一の開国”は、江戸時代末期の黒船の来航がきっかけでした。

“第二の開国”は、太平洋戦争の敗戦とGHQの占領政治がきっかけでした。

しかし、“第三の開国”の必要性が指摘されている一方で、各種の調査を見ると若者たちの海外離れが目立ち不安視されています。以前に比べると、仕事の場としての国内志向が強まり、海外留学をする学生の数も減少しています。

また、世界共通語である英語の力も低下してきています。

日本が“ガラパゴス化”して世界の動きから取り残されることのないように、皆さんたち若者は常に世界に目を開き、世界的な規模で考え行動し、機会があれば積極的に世界に飛び出して行ってほしいと思っています。

 

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