先週に続いて海外姉妹校の紹介をします。
上海市第三女子中学との友好校提携の5年後に、メキシコの日本メキシコ学院、そしてアメリカのセント・ポール女学院と姉妹校提携を行いました。
メキシコシティにある日本メキシコ学院は、現地ではLiceo(リセオ)と呼ばれています。翠陵の開校当時から毎年のようにホームステイの受け入れをしてきたことがきっかけで、1993年6月に姉妹校提携をしました。
1977年に創立された同校は、日本人とメキシコ人の生徒が一緒に通うたいへん珍しい学校です。海外生活をしている日本人が多い都市には日本人学校が設立されていますが、授業が終わると真っ直ぐに家に帰り、任期が終わると日本に帰国してしまいます。せっかく海外生活をしているのに、現地の子どもたちとの交流の機会が無いのはとても勿体ないことでした。1974年の田中角栄首相のメキシコ訪問が契機となり、メキシコシティに日本人とメキシコ人の子どもが一緒に通える学校を設立することが実現しました。
翠陵は、Liceoのメキシコ人生徒が通うメキシコ・コースと姉妹校提携を行っています。Liceoは、メキシコを訪れる日本の政財界の人たちが必ず訪問する学校としても知られています。2006年3月、翠陵生がLiceoを訪問している時に皇太子殿下が同校を訪れ、一緒に記念撮影をしたこともありました。
メリーランド州のボルティモア近郊にあるセント・ポール女学院とは、神奈川県とメリーランド州が姉妹県州の関係にあることから、神奈川県の協力を得ながら1993年11月に姉妹校提携を行いました。1959年に設立された同校に隣接して、1849年創立のセント・ポールというボーイズスクールがあり、高校3年生は一緒に授業を受けたりしています。両校ともにラクロスの強豪校としても知られています。授業はどの科目も少人数で実施され、女子校ですが理数系の科目にも重きが置かれています。
著名人の子女も数多く通っています。提携した頃は、大リーグボルティモア・オリオールズのカル・リプケン選手の子どもたちも通っていました。リプケン選手は2632試合連続出場の記録を持つ有名選手で、“鉄人”と賞賛されています。今月、日本に来日し各地で野球教室を開催しました。震災で被害を受けた岩手県の大船渡市には、“日本の鉄人”衣笠選手と一緒に訪れました。
もう一人紹介します。提携後まもなくメリーランド州副知事となったキャサリン・ケネディ・タウンゼント女史の子どもたちも通っていました。ミドルネームのケネディで分かるように、ケネディ家のお一人です。ケネディ家の長男ジョンは大統領となり、弟のロバートは司法長官を務めました。そのロバート・ケネディ司法長官の長女がキャサリン女史です。
Liceoとセント・ポール女学院は、数年前から短期の交換留学制度をスタートさせました。翠陵との交流がきっかけとなって、友好の輪がさらに大きく拡がっていることをたいへん嬉しく思っています。