干支は、十干(じっかん)と十二支を組み合わせて言い表します。
古い時代の中国の人たちは、この世の中のものは5つの物質が組み合わさってできていると考えました。木と火、土、金、水で、この5つの物質を合わせて五行(ごぎょう)と呼びました。
そして、五行をそれぞれ陰と陽の部分に分けて、陽の部分を「え」、陰の部分を「と」と呼びました。木の陽の部分を「きのえ」と呼び、「甲」の漢字を当てました。木の陰の部分を「きのと」と呼び、「乙」の漢字を当てました。以下、「ひのえ」「ひのと」「つちのえ」……と続き、それぞれに漢字を当てました。五行をそれぞれ陰と陽とに分けましたので、合わせると10となり、これを「十干」と呼びました。
十干と十二支の組み合わせですから、干支は全部で60通りの組み合わせになります。今年生まれた子どもは、60年後に再び自分の生まれた干支である壬辰の年を迎えます。そこで、60歳の誕生日の祝いを「還暦の祝い」と呼んでいます。
歴史上の出来事も、それが起きた年の干支を使って呼ぶことがあります。
「壬申の乱」、「戊辰戦争」、「辛亥革命」など、中学生も知っていると思います。
甲子園球場も、1924(大正13)年の甲子の年にできたところから名づけられました。
昨年11月、ブータン国王ご夫妻が来日されました。英語の国名はブータンですが、チベット語の正式な国名は「ドゥク・ユル」と言い、「雷龍の国」を意味し、国旗にも雷龍が描かれています。
ご夫妻は震災の被害地相馬市の桜丘小学校訪問し、子どもたちにこう語りかけました。
君たちは龍を見たことあるかい? 私は見たことがあるよ。
龍は私たち一人ひとりの中にいるんだよ。
龍は自分の経験を食べて大きくなるんだ。だから年を重ねるほど強くなる。
自分の龍を鍛え、感情などをコントロールすることが大切なんだ。
“震災の経験を乗り越え、大きくなってほしい”という国王ご夫妻の優しい心は、私たちに大きな感動を与えました。
次に、「三つ鱗(うろこ)」の家紋について紹介します。
鎌倉史跡めぐりをした中学2年生以上の人は、この三角形の家紋のことを良く知っていると思います。有名な北条氏の家紋です。
藤沢の江の島にこのような話が伝えられています。
政子の父北条時政は江の島の弁財天を厚く信仰し、子孫の繁栄を祈るため熱心にお参りをしていました。ある時、美しい女房姿をした龍が現われ、「そなたの子孫は栄華を誇ることになる。ただし、非道な行いがあれば家はたちまち滅びるので、よくよく気をつけなさい。」と告げました。
気がつくと、時政の手のひらには3枚の龍の鱗が残されていたそうです。その鱗を大事に持ち帰った時政は、北条家の家紋を「三つ鱗」と定めました。
鎌倉や江の島に行った時に、ちょっと気をつけて見てください。
年が明け、受験シーズンを迎えています。
この土曜日と日曜日に、大学入試センター試験が実施されました。昨日と今日の新聞に問題と解答が掲載されていますので、特に高校生は解いてみてください。高校1・2年生の段階でも解ける問題がたくさんあることに気がつくと思います。大学入試といっても特別な問題が出題されるわけではありません。授業と入試とは深く結びついています。毎日の授業を大切にして、実力アップを図ってください。
翠陵でも、先週の帰国生徒入試に続いて、次の日曜日に高校の推薦入試が行われます。
皆さんも、自分の中学入試、高校入試のことをよく覚えていると思います。大変だった反面、充実感もあったと思います。中学に入学したらこんなことをやってみたい、高校に入学したらこんな学校生活をしたいと期待もしていたと思います。
さて、今の自分を振り返ってみて、どうでしょう。受験当時思い描いていた学校生活が送れているでしょうか?受験シーズンを迎え、もう一度自分を振り返ってみてください。
希望に満ちた、充実した年になるよう期待しています。