昨日、東京ゲートブリッジが開通しました。
東京スカイツリーは5月22日に開業予定です。塔の高さは634mで、これは東京が武蔵野国と呼ばれていたことにちなんでいます。
このように人間は、自然に働きかけながら自分たちが必要とするものを作ってきました。
まさに、“ホモ・ファーベル”(作る人)という言葉があてはまります。
先日の新聞に、チンパンジーは人間と同じような行動をとるという記事が掲載されていました。
愛知県にある京都大学霊長類研究所が、チンパンジーは困っている仲間を見て手助けをするという実験結果を発表しました。
記事の内容を紹介します。
5匹を、小窓のある透明な板で仕切られた隣り合う部屋に1匹ずつ入れ、片方には7種類の道具を、もう片方にはステッキで引き寄せられる場所か、ストローの届く場所にジュースを置いた。
道具がある部屋のチンパンジーは、小窓から手を伸ばすもう1匹の求めに応じて道具を提供。ステッキが必要な場合にはステッキを、ストローが必要な場合はストローを、それぞれ6割程度の正確さで渡した。(東京新聞)
この記事を読んで、ある言葉を思い浮かべました。
それは、「利他心」(りたしん)という言葉です。「他人の利益を重んじ、他人が利益を得られ
るように行動しようとする心」を指しています。
チンパンジーもやるなと思いました。
その2日後、次のような新聞記事を目にしました。東日本大震災のがれき受け入れの輪を全国に
広げようという投書です。
東日本大震災のがれきの受け入れについて、神奈川県の黒岩祐治知事が住民説明会を開いています。1月30日に県庁で開いた説明会には200人余りが参加しましたが、「子どもの健康リスクをこれ以上増やさないで」などと、放射性物質による健康被害を心配する声が相次いだといいます。
若い子育て世代の意見としてはもっともだと思います。しかし、被災地のことも考えてください。私は福島の出身ですが、被災地にも子どもがいますし、子育てしているお母さんもいます。大災害に遭いながら歯を食いしばり、冬の寒さに耐えながら、復興に向けて頑張っているのです。がれきは復興にとって、大きな障害になるのは間違いありません。
私たちはしっかりと県の説明に耳を傾け、国や県の基準以下のがれきについては、受け入れるべきだと思います。・・・・
がれき受け入れの輪を、神奈川から全国に広げましょう。(朝日新聞)
震災後、「絆」という言葉が強く叫ばれてきましたが、時間の経過と共に薄れてきたように感じ
ています。がれきの受け入れについて、住民、とりわけ子育て世代が不安を抱くのは良く理解で
きます。しかし、復興に向けて頑張っている被災地の人たちと共に歩くために、分かち合うこと
とはどのようなことなのか、考えなければいけないと思います。
「利他心」は、私たちの日常生活で欠かすことのできないものです。
他人の心の痛みを知ること。
自分がして欲しいと思っていることを、他人にもしてあげること。
自分がして欲しくないと思っていることは、しない。
これらのことをいつも心掛け実践してください。