東京大学が年度初めの4月ではなく年度途中の秋に入学時期を移すことを本格的に検討し始め、他の大学にも呼びかけをしています。

 

3月の年度末を控え、各種コンクールの入選作品の発表が相次いで行われています。

福岡大学から、同大学主催の「第7回全国高校生川柳コンクール作品集」が送られてきました。

川柳は俳句と同じ五七五の形式をとっていますが、季語や切れ字が不要で俳句より自由に作ることができます。

長い年月を経て、川柳の三大要素が絞り出されました。

まず一つ目が、物事の本質を突く「穿(うが)ち」。

二つ目が、ユーモアのある「おかしみ」。

三番目が、爽快でキレの良い「軽み」です。

これから入選作品を紹介しますが、「穿ち」「おかしみ」「軽み」の三大要素を思い浮かべながら聞いてください。

やはり、東日本大震災に関する作品が多く投稿されています。

 夏のエコ 一つの部屋に 顔並ぶ

 ボランティア 行った私が 癒されて

 買い物で おつりが出たら 義援金

  「ただいま」と 帰れる家の ありがたみ

 風鈴と 扇子で過ごす 夏休み

 人がもつ 笑顔の力 無限大

 

これぞ青春という作品も目につきました。

  部活動 汗の分だけ 強くなる

後悔と 一緒に残る 日焼け跡

  泣き顔も 笑った顔も 全部好き

  ゆめ探せ そういう先生 よめ探せ

澄んだ目で季節を見つめ、日本の原風景を思い出させる作品もあります。

  秋の空 まるで絵の具の パレットだ

  縁側で タネ飛ばしあう 夏休み

社会の動きもしっかりと見つめています。

 なでしこの 花びらゆれる さわさわと

 なぜだろう 少子化なのに 就職難

 どじょうがね 今こそ日本 建て直す

 

川柳の作品集を読みながら、26年前を思い出しました。

翠陵高校1期生の1年1組を担任し、年の暮れに皆でカルタを作り、年明けのHRでカルタ取りをしました。「翠陵カルタ」と名づけ、くじ引きで読み札と絵札の担当を決めて作りました。

ああ 青春の 翠陵高校

ウィッキーさんが来たゾ 開校式

江川も 住んでる この横浜

クリスマス 試験のおかげで くるしみます

こまったな 思いつかない 翠陵かるた

ちこくしゃは 今日もいちばん 一の一

なきさけんでも 誰も助けてくれない テスト前

へたでも 上手でも 一生懸命歌った 合唱コンクール

めんどう見てね 先生 最後まで

やめて よして おこさないで

 

今日は川柳の入賞作品と「翠陵カルタ」を紹介しましたが、ものを創り表現する時には、そこに必ず自分の考えや価値観などが反映されます。

ものを創りながら、無意識で自分を見つめているのです。時には、新しい自分を発見することもあるでしょう。

成長著しい中学・高校時代は、「自分探しの旅」「自己発見の時」と言い換えることができます。

創作活動に積極的に取り組み、自分をしっかりと見つめていって欲しいと願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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