日3月5日は、二十四節気の一つである「啓蟄(けいちつ)」にあたります。

 

例年は3月6日にあたることが多いのですが、今年はうるう年の関係で3月5日になっています。「啓」は、「ひらく」という意味の漢字です。「蟄」は、「寒さを避けて、地中で冬ごもりをしている虫」を意味しています。

「啓蟄」は、地中で冬ごもりをしていた虫が春の到来を感じ、草木が芽吹くと同時に地上へ這い出してくる時季を指している言葉です。

 

3月1日に高校の卒業式を実施しましたが、他校でもこの時季に相次いで卒業式を実施しており、今まさに卒業シーズンといってもよいでしょう。「啓蟄」は、「卒業」にたいへん似合った言葉だと思っています。

英語では、「卒業」のことを“ graduation ”という言葉で表現します。動詞の“ graduate ”は、等級をつける、学位を授けるという意味のほかに、次第に変わる・移るという意味も含んでいます。

 

高校を卒業し新しい世界に旅立つということは、大人の仲間入りをすることと捉えることができます。日本では20歳が成人の基準ですが、国際的には18歳を成人年齢としている国が多数です。日本でも、憲法改正の国民投票権だけでなく、国会議員選挙等の投票権も18歳に引き下げようという検討も始まっています。

 

皆さんは今中学・高校に通っていますが、中学・高校時代を大人の仲間入りをするための準備、勉強をするための期間と位置づけることができます。

“なりたい自分”がはっきりとしていない人は、何のために勉強するのか? これは将来役に立つことなのか?など、思い悩んだりしていませんか?

学んでいることが直接役に立つかどうか思い悩むのではなく、自分の持っている能力を鍛えるために、今はさまざまなことを学んでいるのだと考えてください。

多くの科目を通しさまざまな考え方を学ぶことで、論理力を鍛えているのだ。

たくさんの知識を覚えることで、記憶力を鍛えているのだ。

長く継続することによって、忍耐力・持続力を高めているのだ。

芸術や体育を通して、感受性や運動能力を高めているのだ。

 

優れた能力もトレーニングをしないと衰えてしまいます。

いざという時に自分の力を発揮できるように、中学・高校時代のさまざまな場面を通して自分の能力を鍛えておくのだと捉えてください。

土台が小さいと大きな建物を建てることができません。土台が大きく頑丈なものになればなるほど、大きな建物を建てることが可能になります。

将来の自分のために、中学・高校時代の学びを通して自分の能力を高めておくのだという意識を持って勉学に励んでください。

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