本日は5月11日(土)に行われた「数の科学」をご紹介します。
Desireの取り組みとして、中学1年生・中学3年生では「数の科学」、中学2年生では
「表現の科学」を実施しています。なので、中学3年生は2年ぶりの数の科学となります。
土曜日に今年度初の『数の科学』を行いました。3クラスが1つの教室に集まり、2時間かけ実験と考察を行いました。

テーマは「サイコロで円周率を求めよう」です。一見、何の関係もなさそうに思われるサイコロを振って得られる乱数から円周率の近似値を計算する方法を考えました。
今回は、「四分円の内側にある点の数と正方形の中にある点の数(全部の点の数)の比はそれぞれの面積に限りなく近いのではないか」という仮定を使って求めてみました。

実験の手順は
① 赤(十の位)と青(一の位)の乱数賽(正二十面体のサイコロ)を同時に振る。
② 各目の一の位を読み取り、2桁の整数を記録してx座標とする。
③ もう一度②を行い、同様にy座標とする。
④ ②と③で求めた座標を、半径が99の四分円と一辺が99の正方形が書かれている、座標平面上にプロットする(点を打つ)。
⑤ さらに、プロットした点が円の内側か外側か判断する。
⑥ ①~⑤を繰り返し、合計で30個の点をプロットする。また、円の内側と外側に打たれた点の数を集計する。
⑦ 比例式を立てπの値を求める。

2人ペアとなり2個のサイコロを30回ずつ振り30個の点を打ち、値を求めました。同様にして、クラス単位、学年単位でも計算してみました。

その結果、1組がπ=3.19、2組がπ=3.24、3組がπ=3.22、学年全体でπ=3.2190476
という結果になりました。3.14台に乗るクラスはありませんでしたが、許容範囲の誤差がでました。生徒たちは、一見関係のない2つの事柄をつなげることができる数学の奥深さを垣間見られたのではないでしょうか。

P.S この実験の前に教員がコンピュータを用いて10000個の点を打ってみたところ、
π=3.144の値が出ました。これも何回か行った中で結果の良かったものです。教員側も、実験から理論値を求めることの大変さを改めて実感する良い機会となりました。

P.S 2 今回のような乱数を用いたシミュレーションを「モンテカルロ法」といいます。

ページ
TOP