先週、中学2年生の国際コミュニケーション研修が実施されました。より良いコミュニケーションを図るためにはどのようなことを大切にしなければいけないのかについて、年間5回に分けて学んでいます。
今回は第4回目で、テーマは“アサーティブ・コミュニケーション”でした。“アサーティブ・コミュニケーション”という言葉はあまり聞きなれない言葉かも知れません。assertiveは、「自分の考えを述べる、主張する」という意味の動詞assertの形容詞形で、「主張的な」という意味になります。
“アサーティブ・コミュニケーション”を直訳すると「主張的な対話」という意味になりますが、「自分の主張を理解してもらえるような対話」のことを意味していると考えてください。
講師の実践コミュニケーショントレーナー西田弘次先生から、アサーティブの程度で3つのタイプに分けることができるという話がありました。
・「非主張的(ノンアサーティブ)タイプ」: 相手のことは大切にするが、自分のことは二の次にする。
・「攻撃的(アグレッシブ)タイプ」: 自分のことは大切にするが、相手は無視・軽視する。
・「アサーティブタイプ」: 自分のことをまず考えるが、相手のことも十分考慮する。
続いて、理解を深めるために次のようなワークトレーニングを行いました。
「友だちが約束の時間に遅れてきました。3つのタイプの表現についてそれぞれ考えてみよう。」という課題です。
・「非主張的タイプ」→
・「攻撃的タイプ」→
・「アサーティブタイプ」→
皆さんも、少し考えてみてください。
自分のことをまず考えるが相手のことも十分考慮する「アサーティブタイプ」の表現が思いつきましたか。
さらに、「依頼の基本パターン」と「断りの基本パターン」についても学びました。
自分の考えや理由を相手に分かるように具体的に述べるという点は両パターンとも共通していますが、「依頼」する時は“どのような良い結果が生まれるのか”、「断る」時はそれに代わる“代替案”を述べることが大切だという話がありました。
「依頼」する時のワークトレーニングです。少し考えてみてください。
「あなたは今日掃除当番なのですが、授業の質問を先生にしていたため掃除の時間が少なくなってしまいました。あと5分ほどで掃除の時間が終わってしまい、自分一人では終わりません。教室には友だちとおしゃべりをしている人たちがいて、その人たちに手伝ってくれるように頼みたいのですが。」
「依頼」する表現の中に、手伝ってもらうことで“どのような良い結果が生まれるのか”を加えてみてください。
続いて、皆さんが多分苦手にしている「断る」時のワークトレーニングです。
「あなたは友だちから本を貸してくれるように頼まれました。しかし、あなたは今晩その本を読むつもりでいたので、貸したくありません。」
「断り」の表現の中に、“代わりとなる案”を加えてみてください。
最近、企業研修や社会人講座などで“アサーティブ・コミュニケーション”が取り上げられています。今日の話の中で良さそうだなと思ったことを実践してみてください。
開校記念講演会の細谷先生の、融通や妥協ではなく“協同”が、同情ではなく“共感”が大切というお話にも通ずることだと思います。