2月1日から「中学入試」が始まりますね。
コロナ感染の拡大が収まっておりませんし三寒四温の日が続きますから、体調には十分気をつけて入学試験に臨んでほしいと思います。
「国語」という教科では、ルールがあるにもかかわらず、それを教えてくれない。いや、ルールを学ぶことが「国語」という教科の目的だと考えられているのだ。
(『秘伝 中学入試国語解法』新潮選書 石原千秋)
「中学入試」から見えてくる「国語のルール」について、著者は次のように述べています。
「物語の基本型」として4つの型があると言うことです。
まとめると次の通りです。
記憶をたどれば、確かにと腑に落ちるところもあるのではないかと思います。
次に、その「内」・「外」のように反対の意味を組み合わせて何かを表現することを二元論と言いますが、著者はその二元論(二項対立)を重要な順に以下のように列挙しています。
「内・外」「大人・子ども」「心・物」「精神・肉体」「社会・個人」「男・女」「都市・自然」
「都市・田舎」「科学、技術、人工・自然」「文化(文明)・自然」「文明・野蛮」「生・死」
「光・闇」「新・旧」「現実・夢」「この世・あの世」「中心・周縁」
著者は、二元論によって物語と批評を分類し、中学入試の特徴を浮き彫りにしています。
まとめると次の通りです。
1 上の言葉を主題とする物語(通俗的な成長型の物語)。物語文では、「子供が大人に成長する物語」などとなる。これを「1型の物語」と呼ぶ。
2 下の言葉を主題とする物語(批評を含む退行型の物語)。物語文では、「大人が子供のような自然を取り戻す物語」などとなる。これを「2型の物語」と呼ぶ。
3 上の言葉を主題とする批評(古い保守的な批評)。主題文では、「子供は理性的な大人に成長すべきである。」などとなる。これを「3型の批評」と呼ぶ。
4 下の言葉を主題とする批評(一般的な批評)。主題文では、「子供には大人が失ってしまった自然というすばらしい可能性がある。」などとなる。これを「4型の評論」と呼ぶ。
以上のような論の展開を経て、筆者は
中学入試では、「1型の物語」と「4型の評論」が多い。
つまり、物語なら上の言葉が結論になり、批評なら下の言葉が結論になることが多いということだ。
と述べています。
中学入試を目前に控えている受験生の皆さんに、その国語の問題から少しでも「国語のルール」を、そのエッセンスを吸収してほしいなと思っています。
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