皆さんは、いつもどんなワードにアンテナを張っていますか?
今年度の本校の学校案内のキーワードは「teisei3.0」。
本校の未来教育改革を象徴する言葉なんです。
ご存知でしたか?
「21世紀を生きる地球人を育てる」というキャッチフレーズを掲げているんですよ。
ですから私も、常に「未来」「教育改革」「21世紀」「地球人」…といったワードにアンテナを張っているんです。
AI楽観論者が言うように、多くの仕事がAIに代替されても、AIが代替できない新たな仕事が生まれる可能性はあります。しかし、たとえ新たな仕事が生まれたとしても、その仕事がAIで仕事を失った労働者の新たな仕事になるとは限りません。現代の労働力の質がAIのそれと似ているということは、AIでは対処できない仕事は、多くの人間にとっても苦労な仕事である可能性が非常に高いということを意味するからです。
では、AIに多くの仕事が代替された社会ではどんなことが起こるのでしょうか。労働市場は深刻な人手不足に陥っているのに、巷間では失業者や最低賃金の仕事を掛け持ちする人々が溢れている。結果、経済はAI恐慌の嵐に晒される――。
残念なことに、それが私の思い描く未来予想図です。
(『AIvs教科書が読めない子どもたち』 新井紀子 東洋経済)
確かに、そういう未来であるならばショッキングな「未来予想図」です。
あなたはどう感じましたか?
一社会人として「未来予想図」にもましてショッキングなことが書かれておりました。
「東ロボくん」のチャレンジと並行して、私は日本人の読解力についての大がかりな調査と分析を実施しました。そこでわかったのは驚愕すべき実態です。日本の中高校生の多くは、詰め込み教育の成果で英語の単語や世界史の年表、数学の計算などの表層的な知識は豊富かもしれませんが、中学校の歴史や理科の教科書程度の文章を正確に理解できないということがわかったのです。とてもとても深刻な事態です。
(『AIvs教科書が読めない子どもたち』 新井紀子 東洋経済)
「実態」に直面し、悪戦苦闘している方々もいらっしゃるのではないかと思います。
著者は、
・一を聞いて十を知る能力や応用力、柔軟性、フレームに囚われない発想力などを備える
・読解力を基盤とする、コミュニケーション能力や理解力
があれば、AI恐るるに足らず、と書かれています。
著者は、「人間の基礎的読解力」を判定するためにテストを開発しました。その一例が次のような問題です。
次の文を読みなさい。
2で割り切れる数を偶数という。そうでない数を奇数という。
偶数をすべて選びなさい。
①65 ② 8 ③ 0 ④ 110
(『AIvs教科書が読めない子どもたち』 新井紀子 東洋経済)
あなたは、いくつ選びましたか? 1つですか。2つですか。それとも3つですか。
そうですね。3つですね。「②③④」ですね。
「えっ! 簡単すぎる」
「そうでしたら、人間の基礎的読解力があるってことですよね」
もしそれらを選べなかったとしたら、著者の語る「未来予想図」をなす一人となるということでしょうか?
次回に続く。
…みんなで登山