2月11日(火)SIクラブ生物班は、都立立川高校のSSH企画のお誘いを受け、バードウォッチングに参加しました。

NPO法人BIRD RESEARCHスタッフの講師の方による、バードウォッチングの基礎知識の講義の後、いよいよ徒歩で多摩川に出て実践です。普段は気づかない環境の変化を、データとして捉えることによって気づかされる環境野鳥モニタリング調査の面白さを知ることができました。

また、立川高校の生徒の皆さんとの交流からも得ることの大きな充実した一日となりました。

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以下、高校2年生の振り返りの文章をご紹介します。

* 活動内容:何をしましたか?それはなぜですか?

2020年2月11日に、都立立川高校と合同で多摩川のモニタリング調査を行った。午前は、バードウォッチングの基礎知識の講義を受けた後、多摩川で野鳥の観察・記録を行った。

山脇生は、多摩川の立日橋の上流側を調査した。見られたのは、キジバト、カワセミ、コサギ、ムクドリ、ダイサギ、アオサギ、ハシボソガラス、カワウ、オオバン、ツグミ、ヒヨドリで、鳴き声からベニマシコ、セグロセキレイがいることがわかった。午後は、バードリサーチの方の「シギ・チドリ類」の研究について、紹介して頂いたり、午前に行った調査の記録から考察をしたりした。

昨年の2月11日に調査した結果と比較したことで、全体的に種数が減少したことが分かった。台風19号によって環境が変化したこと、工事による騒音、調査時に人が多くいたことなど、種数の減少した原因について考えられた。また、予測した原因について、何をすればそれが確かめられるのか、みんなで意見を出し合った。

 

* 振り返り:そこから何を学びましたか?どう思いましたか?

研究の紹介では、様々な調査方法があることを知り、驚いた。調査をするにあたって、調査の必要性や目的を考えて調査計画を立てるということを聞き、自分の興味だけでなく、環境や社会に役立つかを考える大切さを改めて実感した。

「モニタリングサイト1000」についての説明で、調査対象が野鳥に限らず、植物や昆虫、サンゴなど様々で、市民調査員と研究員によって調査されていることを知り、面白そうだと思った。調査者は個々でスキルに差があることや場所、調査時間など様々な部分で誤差の原因になってしまうため、いかに誤差を小さくするか考え、証拠として使えるデータを取らなければならないことの難しさも学んだ。

昨年度との調査記録の比較では、全体的に種数が減少した一方で、個体によって確認できた種数が増加しているものもあり、環境の変化が種によって良い影響になるのか、悪い影響になるのか異なることがよく分かった。種の増減についての原因を考察するにあたって、ニュースなどで台風の影響を受けたことを知っていたが、すぐに原因と結び付けられなかった。

このことから、普段起きていることを自分事として捉え、自分には何ができるのか、問題の背景にはどのような原因が隠れているのか、など考えながら様々なことに興味を持って知ろうとする姿勢が必要だと感じた。

* 次にすること:次に何をしますか?それはなぜですか?

近所に手賀沼の河川敷があり、朝走っていると、時々、白鳥を見ることができる。野生の白鳥は冬鳥であり、渡りを行う。

調べてみると、手賀沼には1年中コブハクチョウがおり、コブハクチョウは多少渡りをするが、しないことも多いことが分かった。手賀沼では、外来種のコブハクチョウが放されたことで繁殖を広げており、雑食であるために農作物の被害が発生している。

この問題を知り、コブハクチョウがどれほど繁殖しているのか、コブハクチョウによるその他の影響について興味を持ったため、今回の活動を活かして、手賀沼のコブハクチョウの調査を行いたいと思う。

 

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