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トントカトン、と音がする土曜日の授業。高校生の工芸の授業から聞こえてくるのでした。槌(つち)を振るい、鑿(のみ)で木を削り出していきます。こうしてたたいて使うのが「たたきのみ」です。

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小気味よい音を立てて鑿が進んでいく感覚は、本物を体験しなければ味わえません。高校の芸術科目「工芸」を履修できる跡見には、こんな学びもあるのです。

「主要教科」「副教科」というような言葉は跡見にありません。芸術をはじめとした実技教科も決して副次的なものではなく、世界の本物にふれる貴重な営みとして位置づけているからです。高1の芸術科目を「音楽Ⅰ」「美術Ⅰ」「書道Ⅰ」「工芸Ⅰ」の中から選択でき、またその後ⅠⅡⅢと3年間レベルアップしつつ学ぶことも可能であるという充実した環境に、跡見の芸術に対する姿勢が表れています。もちろんそれは、芸術家であった跡見花蹊先生が創った学校であることによるものです。その教えのもと、跡見では芸術を通して情操や美意識を育んできました。

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持って使うのが「つきのみ」。これに持ち替えて、繊細な部分を丁寧に削っていきます。心の中のイメージにだんだんと作品が近づいていく楽しみ。この世に一つの作品を生み出す喜び。そんな生徒たちの思いがまるで音になったように思えてくるのでした。トントカトン。

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