郁文館中学校・郁文館高校には、未来の日本、そして世界を牽引する「世界人財」を育成するために、渡邉美樹校長が直接統括担任として指導を行う『iP class【東大専科】』というクラスがあります。
このクラスでは、起業家・上場企業経営者・政治家・社会貢献活動家など様々な経験を積んだ渡邉校長自らが教鞭をとり、“今”から“未来”を読み解く思考力を育む教材として『日経新聞』と、世界人財に必要な人格や普遍的な人間の価値観を学ぶための『論語』を使用。
生徒たちは、根本的・多面的・長期的に物事を捉える力を養っています。

4月に入学したばかりの郁文館中学校1年生に向けて行った2025年度初回のホームルームでは、その日の日経新聞と2つの論語の章句から深い学びが展開されました。
まず、当日の日経新聞の経済記事を使った講義では、「国産自動車メーカー、最終赤字7500億円」という記事をもとに、「減損」や「減価償却」といった専門用語を具体例を交えて学びました。
「1億円で建てた工場が赤字経営に陥った場合、通常20年で分割して計上する減価償却ではなく、損失を一括で処理(減損)する」というグローバル会計基準に生徒たちは驚きの表情を見せながらも熱心に学んでいました。
また、政治経済の話題として「減税」や「関税」をめぐる国会の議論、さらには日経新聞コラム「大機小機」の読み解きなども紹介され、視野を広げる時間となりました。
続いては、論語の章句を使った講義。
葉公、孔子に語りて曰く、吾が党に直躬なる者有り。其の父、羊を攘む。面して子、之を証せり。
孔子曰く、吾が党の直き者は、是に異なり。父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。直きこと其の中に在り。
子が父の罪を告発することを「正直」とした葉公に対し、孔子は、「それは人間としては本当に正直なことですか。本当の正直と、心の正直は違うでしょう。父は子のために隠し、子は父のために隠す。それこそが人間なのではないですか。人間というものを大事にしなさい」と説きました。
「人としての愛情や葛藤を持つことは自然なことであり、それを理解する力が本当の“正直さ”である」と渡邉校長は解説。
生徒からは「それでも悪いことは悪いと伝えるべきでは?」という意見も上がり、「その葛藤を抱くことこそが人間。人間は、とても複雑なもの。それをちゃんと論語を通して理解してほしいと思う。」と生徒たちに伝える場面がありました。

子曰く、後生畏るべし。焉んぞ来者の今に如かざるを知らんや。
四十・五十にして聞ゆること無くんば、是れ亦畏るるに足らざるのみ。
この章句では、「若者は無限の可能性を秘めており、年長者を超える力を持っている。しかし、40〜50歳になっても世に認められないようでは、それは努力不足だ」と孔子は語ります。
渡邉校長は「若いうちは大いに夢を持ち、自分を磨くべき時期。努力を重ねて、“あの人はすごい”と周囲から評価される専門性を身につけてほしい」と力強く話し、生徒たちも真剣な表情で聞き入っていました。
このように、iP classのホームルームでは、人間としての在り方から時事・経済に至るまで、幅広い分野での学びが展開されています。
論語と新聞という2つの教材を通じて、自らの可能性を広げ、“世界人財”としての素養を育む6年間が始まりました。
真剣に目を輝かせて、純粋な眼差しで授業を受ける生徒たちの今後の成長が楽しみです。

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