「世界地図から進路を選ぶ」郁文館グローバル高等学校(理事長:渡邉美樹、校長:鎌倉好男、所在:東京都文京区)では、SDGs課題に対する生徒の興味関心を最大限に引き出すことをテーマに、様々な特別イベントを実施しております。
その一環として、2025年6月に世界銀行グループ*¹の副総裁兼官房長を務めるマーシー・テンボン氏を招聘し、全編英語による特別講義やパネルディスカッションなどの特別プログラムを実施しました。
*¹ 世界銀行グループとは、国際社会が協力して貧困削減や持続可能な開発に取り組み、より良い世界を目指すために設立された国際機関。
第1部:特別講義「世界銀行の使命と組織構造」
講義の冒頭で、“To end extreme poverty and boost shared prosperity on a livable planet(貧困をなくし、誰もが安心して暮らせる地球でみんなが豊かになることを目指す)”という世界銀行グループのミッションをテンボン氏からご説明いただき、生徒たちは、改めて持続可能な開発の重要性を知ることができました。
また、世界銀行を構成する5機関
・IBRD(国際復興開発銀行)
・IDA(国際開発協会)
・IFC(国際金融公社)
・MIGA(多数国間投資保証機関)
・ICSID(投資紛争解決国際センター)
が連携しながら、「人々(People)」「繁栄(Prosperity)」「地球(Planet)」「インフラ(Infrastructure)」「デジタル(Digital)」「横断的課題(Cross-cutting)」の各領域で包括的な開発を推進していることを解説していただきました。
さらに、生徒たちに向けて「世界銀行をはじめとした国際機関でのキャリアも視野に入れながら、大きな志を掲げてグローバルに挑戦し続けてほしい」とお話いただきました。
第2部:パネルディスカッション「卒業生・在校生との対話」
パネルディスカッションでは、郁文館グローバル高等学校の卒業生、3年生・1年生の生徒が登壇。
2025年春の卒業生は、今回のイベントのために来校。在学時からの「国連議員になる」という夢をかなえるために、この春から早稲田大学国際教養学部(SILS)に進学、そして9月からはTHE世界大学ランキング21位*²のトロント大学に進学予定です。
また、学生団体TEIGEN JPの代表を務め、今月19日には芦屋市長とともに公益社団法人日本青年会議所が運営する「サマーコンファレンス2025 」に登壇した3年生の在校生も、自身の研究プロジェクトや課外活動を英語で発表。テンボン氏から、統計やデータを活用したアプローチを高く評価いただき、研究方法論や発表内容に対して実践的なフィードバックを直接受けることができました。
国際的なバックグラウンドを持ち、パフォーミングアーツ分野で活動しながら、将来はグローバルな舞台での活躍を目指している高校1年生の生徒は、パネルディスカッションにおいて、テンボン氏自身のリーダーシップ経験や時間管理術、母としての視点など、多面的な人生経験をお話いただき、生徒だけでなく教職員にとっても大きな学びとなりました。
*²:【参考】THE世界大学ランキング2025における日本の大学の順位は、東京大学28位、京都大学55位、東北大学120位
第3部:質疑応答セッション「世界と日本の未来を問う」
質疑応答セッションでは、生徒から以下のような質問が寄せられました。
世界銀行の採用条件(学歴・スキル・職務経験など)
日本の経済成長と高度人材受け入れの関係性
開発金融に影響を与える国際政治の動向
テンボン氏は、多国間交渉や人間開発分野の実務経験を踏まえながら、一つひとつの問いに対して多角的な視点から回答をくださいました。
Key Takeaways「生徒たちへのメッセージ」
失敗から前進する力:挑戦には失敗が伴うが、それを成長の糧に変える姿勢が重要
協働の意義:ローバルな課題は一国では解決できず、多様な視点の融合が鍵
データに基づく意思決定:分析と根拠に基づく判断が、開発戦略の質を高める
最後にテンボン氏から、「好奇心を持ち続け、粘り強く、主体的に行動することが世界を変える第一歩になる」と励ましの言葉を贈っていただき、本プログラムは締めくくられました。
今後の展望
学校法人郁文館夢学園では、引き続き国内外を問わず、生徒一人ひとりの夢の実現を全力でサポートしてまいります。私たちの教育の根幹である夢教育のゴールは「25歳、人生の主人公として輝いている人材を育てること」です。
今回のように、世界を舞台に活躍するリーダーと直接触れ合う機会を今後も積極的に増やしていきます。
「子どもたちの幸せ日本一」「グローバル教育日本一」の学校を目指し、さらなる教育環境の充実に努めてまいります。