地理部では3月30日に春休みのフィールドワークを行いました。今回の調査地域は東京湾西岸,品川区から大田区の埋立地です。東京湾西岸は,江戸期まで遠浅の干潟が広がる地域でしたが,その後埋め立てが進み,その景観や土地利用は大きく変化しました。地理部では江戸期の海岸線だったところを確認できる場所を見つけ,事前に準備した巡検カードをもとに当時と現在とでいかに景観が変化し土地利用が変わったのかを考察しました。

かつての海岸線周辺では,江戸を守るために造られた砲台の跡や,遠浅の海を利用した海苔の養殖地が確認でき,現在の埋立地では日本の交通や物流を支える要となる施設をいくつも確認できました。このフィールドワークの報告は、2022年度内に発刊予定の「ちりレポ第20号」で行う予定です。

今回のテーマは「東京湾西岸の考察」です。

かつての砲台跡から江戸期の海岸線の位置を確認できます。

大田区にある穴守稲荷神社は現在の羽田空港の位置にありました。

遠浅の海が広がっていた東京湾西岸は海苔の養殖地として栄えました。大田区大森は昭和の初めまで日本一の海苔の生産地でした。

江戸期にはクジラも出現した品川の海は、高層ビルが建ち並ぶウォーターフロント「天王洲アイル」となりました。

現在の東京湾西岸には新幹線の車両基地や、青果を扱う太田市場・貨物列車のターミナル・国際貿易の拠点となるコンテナ埠頭など、日本の物流を支える施設が立地しています。

現在はこのフィールドワークの地図や図表の作成、レポートの執筆のほか、次回の巡検地の事前学習を行っています。地理部が現地調査して作成したオリジナルの調査報告書『ちりレポ』は国立国会図書館のほか、首都圏の主要大学の図書館にも蔵書がありますので興味のある方は検索してみて下さい。今後も地理部の活動にご期待を!!

(地理部顧問)

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