地理部では8月1日から3日にかけて,2泊3日の夏合宿を行いました。実に3年ぶりの合宿です!!調査対象地域は松本・諏訪地方です。松本地方では,松本城を中心とした城下町の都市構造を学習し,諏訪地方ではかつての養蚕,製糸業と現在の精密機械工業の立地と変容のほか,諏訪大社の御柱祭などの伝統文化についても調査しました。また,この地方には多くの郷土料理もあり,信州そばや信州みそ,山賊焼きなどの食文化についても調査しました。この合宿で調査した内容は,10月に開催する文化祭で発表します。また2022年度内に発刊予定の「ちりレポ第20号」にも掲載する予定です。文化祭にお越しの際はぜひ地理部の展示会場に足をお運び下さい!!

〔合宿1日目〕
 諏訪大社を訪れました。8月1日は下社春宮から下社秋宮へ神様がお遷りになる「お舟祭り」の日で,特に下諏訪町では盛大なお祭りが催される日でしたが,コロナの影響で中止でした。神事は執り行われたようですが,地理部一行は神様のお引っ越しとすれ違いになってしまいました。

数えで7年に1度,寅と申の年に行われる諏訪大社の「御柱祭」。今年は寅年であり,4~6月に執り行われました。部員たちは,資料映像で諏訪大社と祭りについて学び,祭り一番の見せ所,御柱の「木落し」の疑似体験をしました。

〔合宿2日目〕
 諏訪地方の岡谷市は,かつて養蚕業と製糸業で栄え,明治期から昭和初期まで日本の経済を支えてきた都市の一つです。現在では日本で4カ所しかない人力で蚕糸を繰り,生糸を生産する工場が残っています。工場の方にガイドして頂きながら養蚕と製糸について学び,工場見学を行いました。たいへん貴重な体験でした。

 生きている蚕(カイコ)を初めて見た・触ったという部員も多くいました。現地の方々は蚕のことを上質な糸を作ってくれる「おカイコ様」と呼んでいます。 

〔合宿3日目〕
 松本市は長野県第2の都市です。その起源は16世紀末に築城された松本城と,城を中心に発展した城下町にあります。松本城の天守閣は築城当時の状態を現在でもほぼ残しており,国宝に指定されています。また松本の市街地には城下町の名残を随所に見ることができます。部員達は市街地を歩きながら,城下町の都市構造を学びました。

 市街地の中には,かつて城内を囲っていた土塁が残っています。その高さと大きさに部員達も驚いていました。

 かつて商人や職人が住んでいたエリアでは,土や漆喰で防火性を高めた「蔵造りの町並み」がみられました。

 合宿期間中,各部員はその地域の郷土料理や特産品を食べたり購入したりしました。中でも信州そばは人気だったようです。

 部員達は夏休み期間中,地図や図表の作成,レポートの執筆を行っています。2学期が始まってからは,合宿での調査結果を文化祭で発表するための準備に取りかかります。地理部が現地調査した成果をご覧頂けますので,10月の文化祭をお楽しみに!!

(地理部顧問)

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