語学部では2学期後半、「アイアンマン」と「グリーンブック」という映画を鑑賞して、その後ALTの先生方を中心に英語でディスカッションを行ないました。

世界的な人気を誇り、今や最も成功したユニバースとなったMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)は、「アイアンマン」から始まりました。登場人物について考察したり、印象に残った場面などについて話し合いました。

アメリカ出身のライリー先生は、アフガニスタンのゲリラから奇跡の生還を果たした主人公のトニーが「チーズバーガーが食べたい」と言ったシーンが共感できるとおっしゃいました。ハンバーガーは多くのアメリカ人にとっての’comfort food’(人に懐かしさや幸福感を与える特別な食べ物)のようです。主人公のトニーは、インセン博士に命を助けられ、秘書のペッパーに常に支えられて、アイアンマンとして復活します。

このことから、「人は何によって強くなれるか?」という普遍的な問題について議論しました。愛、友情、お金、勇気、情熱、使命感、…。正解が1つではない、非常に深い課題について有意義な議論をすることができました。

「グリーンブック」という映画は、ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップが、天才ピアニスト、ドクター・シャーリーのコンサートツアーの運転手として雇われる実話に基づく物語です。まだまだ人種差別が根強く残る時代に、何故か黒人にとって制約と危険の多い南部を目指すシャーリー。 粗野で無教養なイタリア系用心棒と、インテリな天才黒人ピアニストという何もかも正反対な二人が、黒人用旅行ガイド〈グリーンブック〉を頼りに、ふたりはツアーへ旅立ちます。

差別、人種問題、友情、人間としてのアイデンティティなどが主なテーマで、シャーリーが、 “If I’m not black enough and I’m not white enough, what am I?” (自分は黒人にも白人にもなりきれない、一体自分は何者なんだ?)と号泣するシーンが非常に印象的です。

人種問題はアメリカの歴史と密接な関係があるので、ライリー先生からアメリカの黒人の歴史について説明していただきました。どれも重いテーマですが、「人間について」、「世界について」深く考えるよい機会となり、率直な意見を出し合いました。

(語学部顧問)

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