私たち化学部は8月23日~25日に茨城県にて合宿を行いました。

例年は学園都市として知られるつくば市で行っているのですが、今回はつくば市を飛び出 し、ミュージアムパーク茨城県自然博物館や霞ヶ浦環境科学センターなど幅広い分野の研究施設を見学しました。

私たちの行っている研究が、実際に人々の生活 につながっていく実感を得られた良い機会だったと思います。

最初の見学先、ミュージアムパーク茨城県自然博物館での1枚です。

博物館というと言うと娯楽施設のような印象があり、化学部とは関係ないように思うかもしれません。

ですが、博物館は展示だけでなく研究も同時に行ってお り、研究施設としての一面も持っているのです。

また、展示そのものも研究者と社会をつなぐ大切な役目を負っています。

研究者は、自分の研究は社会に還元さ れるべきものであることを忘れてはならないのだと思いました。

霞ヶ浦環境科学センターでの水質調査体験での様子です。

化学部で は現在水質浄化に関する研究をいくつか行っており、その勉強としての意味合いもあります。

実際に湖の水質を管理する上では水質浄化以外にはどのような要素 が必要になるのかを体験することができました。

また、併設されていた展示室では霞ヶ浦とその周りの人々の歴史について学習し、きれいな湖の重要さを改めて 認識しました。

最後にはつくば市に戻り、物質材料研究機構(NIMS)を訪ねました。

NIMSは世界序列第15位とも言われる 最先端の研究所で、実際これまでに何度も世界に変革をもたらしています。

今回見学した中で最も興味深かったのは、材料信頼性分野の紹介です。

材料信頼性分 野とは、その名の通り材料の強度などの信頼性を試験する分野です。

地道な分野ですが、社会の安全を創り出す基盤となる重要な役割を担っています。

言わば、 「縁の下の力持ち」というわけです。

特に、私たちの日常にあふれているステンレス鋼が極低温領域で魅せる強みには興奮しました。

また、超電導マグネットを 用いた材料創成という研究も中々興味深いものでした。

通常鉄しか引き付けない電磁石ですが、これを非常に強くすると、非鉄材料内の微細構造の向きを制御で きるようになるのです。

磁石で鉄以外の材料の組織を操るというのはとても斬新だと思いました。

また、それ程強い磁石ですので、紐を結び付けたゼムクリップ が磁力線に沿って動くという不思議な体験もできました。

また、施設を訪問するだけでなく、滞在していたホテルにおいて勉強会を 開催しました。

そこでは、普段の活動では中々手が回らない化学英語に関する知識の拡充を図ったり、化学部OBの話を聞くなど、色々と参考になりました。

こ の合宿で得られた経験を、普段の活動に活かしていきたいです。

(高校一年生)

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