地理部では2月23日に3学期のフィールドワークを行いました。今回の調査地域は横浜ベイエリアです。神奈川県横浜市は人口370万人を有する東京に次ぐ大都市ですが、かつては人口500人ほどの小さな漁村でした。「横浜」の名の通り、湾曲した砂州とそれに抱かれたラグーンが広がり、当時の中心地であった東海道の神奈川宿からは遠く離れていました。欧米諸国との間で修好通商条約が結ばれたことで1859年に横浜港として開港し、同時期に開港された神戸や長崎とともに国際貿易港として発展してきました。現在の横浜港に面するベイエリアは、外国人居留地の建設に始まり、大さん橋など港湾機能の強化、華人の集住による中華街の形成、新都心みなとみらい21地区の整備と、めまぐるしく変化してきました。今回は、このベイエリアを対象に開港からの歴史や文化、産業について学べる施設をまわり、横浜の発展と地域性を考察しました。この報告は、来年度に発刊予定の「ちりレポ第23号」で行う予定です。
今回の調査地は横浜ベイエリアです。
横浜港のようす
横浜港に面する山下公園は、日本初の臨海公園とされています。1923年に発生した関東大震災からの復興を祈念し、建物の倒壊で出た大量の瓦礫を活用して造園されました。この山下公園には1960年まで、横浜とシアトルを結ぶ北太平洋航路に利用されていた貨客船「氷川丸」が保存されています。
山下公園と氷川丸
山下公園に隣接する中華街は、華人の集住により形成されたエスニックタウンです。神戸の南京町、長崎の新地中華街など、中華街と呼ばれる地域は日本各地にありますが、横浜中華街が最大規模です。多くの中華料理店や雑貨屋が密集し、賑わいをみせています。巡検当日は三連休の中日ということで、大変多くの人出で混雑していました。部員達がその様子を体感しながら、各自で調べた店で中華料理を楽しみました。
混雑する中華街の通り
中華料理を楽しむ部員
みなとみらい21地区は、かつて三菱重工業の造船所や貨物駅などの港湾施設が立地していた地域でした。1980年代以降にウォーターフロントとして再開発がはじまり、東京や横浜の中心地機能の一部を担う新都心として整備が進められました。様々な企業の誘致が行われ、横浜にゆかりのある日産自動車や京浜急行の本社が東京から移転したり、ソニーや村田製作所をはじめ韓国の電機メーカLGなどの研究機関が立地したりしました。これらの施設には、企業の紹介や新しい技術を紹介する施設が併設されていて、部員達も興味関心のある企業を見学していました。
「日産グローバル本社ギャラリー」では、日産自動車の歴史や、歴代の名車、最新の電気自動車などが展示されています。
日産ギャラリー
京浜急行の本社には「京急ミュージアム」が併設されていて、かつて活躍した車両や、京急沿線を表現したジオラマが展示されています。
京急ミュージアム
「コスモロック21」は1989年にみなとみらいで開催された横浜博覧会で建設された観覧車で、みなとみらいのシンボルになっています。
コスモロックで集合写真
現在、部員達はフィールドワークの成果を「ちりレポ」に掲載するため執筆作業を行っています。春休みには名古屋大都市圏の地域性をテーマに春合宿を行います。今後もフィールドワークや合宿のようすをブログで紹介します。地理部の活動に乞うご期待!!
(地理部顧問)