ご閲覧ありがとうございます。

本校の読書に対する取り組みが「実際生徒にどのような影響を与えているか」の一端をご紹介いたします。この投稿をさせて頂く気持ちになりました生徒とのやりとりの一端です。

A君
今回の近代小説を読む課題を機に、漱石の小説を何冊か買おうと思っているのですが どの出版社のものがおすすめですか?


こんばんは。とてもいい質問です。どの校訂(原文を読めるように直したもの)で読むかによって作品の印象が変わりますからね。 まずは全集のような大きな本(図書館の書棚に並んでいそうなもの)か、手軽に持ち運べる文庫本か。文庫本で十分だと思います。 次に、読みやすさを追求すれば「新潮文庫」、ちょっとアカデミックに研究対象としても耐えうるテキストなら「岩波文庫」。どちらでもいいですが「岩波文庫」の方が玄人向けだからかっこいいと思います。ちなみに私は大きなハードカバーでは場所を取るため、それは図書館に任せて「岩波文庫」で蔵書しています。 また、「新潮文庫」はその辺の本屋さんどこでも売っていると思いますが(大衆向けなので)、「岩波文庫」はなかなかありません。春日部駅西口の酒井書店(セブンイレブンの横)2階に奇跡的に岩波文庫がコーナーとしてあります。レア度が高い本です。世界中の小説から思想まで日本語に訳された様々なテキストも手に入りますので、コレクションしてみてはいかがですか?

A君
丁寧なご説明、ありがとうございます! 少しずつコレクションしていこうと思います!

まずは、コロナ禍で加速したITを常用しているのがわかると思います。私の返答は「こんばんは」で始まっています。賛否はわかれるかと思いますが、生徒は全教科いつでもどこでも、質問できる状態です。
次に、「近代小説を読む課題」ですが比較研究を今後行うために「読もう」としているわけですが、こだわっているのを感じ取って頂けるでしょうか。「どの出版社のもの」というフレーズです。本ならどれでもいいではなく、本格的に読み込む意気込みがありますよね?これが本校の読書へのこだわりです。
フランスの哲学者ロラン・バルトは簡単に言いますと、従来の読書に対する「作者(主)→読者(従)」ではなく「作者→テクスト(作品)→読者の自由な解釈」を提唱し、「読書とは双方向的な活動」だと言いました。ですから、本校の生徒はその双方向的な対話先のテクストをしっかり探すことから始めている生徒が育っていると言えると思います。

その「双方向的な読み」の一つがクリティカルリーディングです。
10月24日(日)の体験授業の講座に「クリティカルリーディング」を置かせていただきました。馴染み深い文章で簡単に考えるクリティカルリーディングです。文章の解釈はテストの答えのように一つではなく様々な読み方ができます。新しい世界を見つける練習を一緒にしてみませんか?

春日部共栄中学校 2022年度入試 説明会登録・予約サイト

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

ページ
TOP