10月11日、高1海外研修<イタリア>の事前学習には、イタリア家庭料理研究家のアドリアーナ・ヴァッローネさんをお迎えしました。「イタ リアの食のイメージは?」というアドリアーナさんの問いかけに「ピザ!」「スパゲティ!!」と生徒。しかし「イタリアではスパゲティは一番好まれないパス タです」と聞き、驚いてお話はスタートしました。

■イタリアのレストランでのマナー
イ タリアのレストランでは「取りわけて食べる」ことはしない。だから「取り皿」はないし、皿に手を触れることが好まれない。ピッツァであっても一人一人自分 が食べたいものを注文して一人一枚食べるから、友達と分け合ったりしない。いろんな味を食べたければ一枚にいろんなトッピングをしてもらえる。レストラン でも、自分の食べたいものを自分の皿でいただくのがマナー。それは1800年代のフィレンツェで作られた食事のマナーであり、貴族と貧しい人を区別するも のであった。料理を取りわけて食べるということは、たくさんの皿を洗えない貧しい人々が一つの皿から一緒に食べる食べ方であり、「貧乏くさい」印象で受け 取られる。

■間違ったイタリア料理
日本には「ナポリタン」というパスタをケチャップであえる料理があるが、イタリアには存在しない。ケチャップはアメリカから来たポテトにかけるもので、パ スタには決して使わない。これをイタリア料理と思われては困る。トマトソースというものは、時間をかけて作るもの。最低一時間は煮込まないとトマトの甘み がでてこない。だから日曜日の朝3~4時間かけて一週間分を作る習慣だった。今日作るカルボナーラも来日してイタリアンレストランで働いた時に驚いた料理 だった。白いスープにカリカリのベーコン、それはカルボナーラではない。本当は、黄色です。

■素材へのこだわり
カ ルボナーラはシンプルな料理、だから素材の良さが大切。ベーコンは肉を加熱して作るので味が抜けてしまっていておいしくないから塩漬けした肉を干して作る パンチェッタを。今日はアドリアーナさんお手製のパンチェッタも持参していただきました。また今日のオリーブオイルはヴァッローネ家の自家製。10月11 月はオリーブの収穫期で今頃パパは忙しくしているでしょう。オリーブオイルの質の違いは、一つは温めて絞ったものか、冷たいまま絞ったものか。温めた方が たくさんの油を絞れるが味は落ちる。二つ目はオリーブの実は酸化しやすいのでいかに収穫後早く絞ったか。またオリーブオイルの香りは畑の周辺からの花粉に よって変わる。オレンジの畑の近くではオレンジの香りが、トウモロコシ畑の近くではその香りがするそうです。

■オリーブオイルのテイスティングと料理講習・カルボナーラ
調理室に場所を移し、市販のオリーブオイルとヴァッローネ家のものを比較。手の甲につけて香りを、口に含んで味を。よいものは香りがたち、口の中だけで終わらず、のどの奥まで感じられる力があることを実感しました。続いてカルボナーラの調理実習をしました。

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