明法の社会科では夏と春に「社会科特別講習」という、巡検や講師の方を招いた講演などを含んだ、テーマに沿った学習を行います。毎回テーマも担当者も違い、歴戦の中学生のなかには「今回は何かな」と楽しみにしてくれている生徒もいます。
普段社会科が得意かどうかは関係なく、理系に進級希望の生徒や旅行が好きな生徒や、今回のテーマと興味が合致した生徒など、申し込んでくれる生徒はバラバラ。対象は中学3年生から高校2年生で、受験に向けた勉強というよりは趣味・娯楽・教養として楽しんでくれるよう設計しています。
さて、今回のテーマはタイトルの通り。長い閉館期間を終えた、墨田区両国は江戸東京博物館の巡検。都立横網町公園の巡検も行程に含んでおりましたが、当日の雷予報などを踏まえて泣く泣くカットし、江戸博の巡検時間を長くして、講習2日目に横網町公園の歴史を軽く講義・アーカイブを説明しました。
巡検前、ずんずん江戸博のエントランスに進んでいく生徒にこちらが小走りになり「歩くの早いね⁉」と聞くと「だって楽しみだったんですもん‼」と、高い湿度に負けぬ元気な返事。担当としてはうれしい限りです。みんな時間ギリギリまで展示を見ていて「時間が足りなかった~」と言いながら時間通りに全員帰ってきました。
2日目・3日目は博物館で学んだことのうち、一番印象深かった展示について発表してもらうため、図書館司書の先生に選書してもらい、レポート作成をしてもらいました。
生徒たちはたくさん撮ってきた写真や、本、インターネットの三種の神器とにらめっこしながらレポート作成に取り組みます。今は紙で提出するレポートも、大学では少なくなっているのかもしれませんが、型に沿って「はじめに」から「おわりに」「参考文献」の流れや参考文献の書き方や、本の探し方(NDC)を教え、大学でも役立つよう努めました。司書の先生にも選書棚の中にレポートの書き方を入れてもらったのですが、それをヒントにしている生徒もいました。
そして最終日。発表です。3分程度の発表で、終わったら振り返りシートを書いてもらいました。発表順はルーレット。残り人数が少なくなってくると「20%!」「そろそろ当たって!」など場も沸き立ちます。質問しないと出席扱いしないよという意地悪な担当の発言にも文句をいわないどころか、複数回質問してくれている生徒、それにちゃんと答える発表者と、素晴らしい発表を聞くことができ、「素人質問で恐縮ですが……」の刀は抜かずに済みました。
発表テーマはざっと江戸の屋台文化、情報伝達の手段の移り変わり、都市区画整備の変化、文明開化に伴う洋装化、地震時や火事の際の対応の変化、凌雲閣(浅草十二階)、関東大震災、東京大空襲、囲碁、街頭テレビなどでした。あの展示をみてそこに関心を持つのはすごいと感受性の豊かさを見せつけられたり、私たち社会科教員の中では当たり前になっている認識を、「あるある」ではない視点から切り込んでいくことに、尊敬と若干のジェネレーションギャップを抱いたりと、開講した側にとっても有意義な時間となりました。
最後に、熊本県で地震の被害に遭われた方々、現在不便を強いられている方々に心からお見舞い申し上げます。前回の大地震から10年。我々大人にとってはまだ記憶に新しく、地震のニュースには衝撃を受けました。発表の中で生徒は「先人たちが築いてきた災害時の対応方法を、私たちも教訓として守り、受け継ぐ必要があると考えます」と述べていました。熊本城の石垣がナンバリングされていて復興できたのと同じく、この度の地震からも再び立ち上がれると信じております。明法は東京の学校ですが、熊本県とその地に住まう人々をさまざまな形で応援してまいります。


























































































