IMG_153910月25日、高校1年生のSEコースと中2HUBの生徒を対象に、駐日外交官による交流プロジェクトを行い、駐日英国大使館で政治部の二等書記官として働く、ジェシカ・ウェルズさんに講演して頂きました。幼少期~学生時代の経験、外交官になるまでの道のり、そして外交官としてのお仕事について、話して下さいました。

外国語の重要性を認識していらしたご両親の元で、幼少期より外国語や外国文化に触れて育ったそうです。学生時代から母語である英語に加え、フランス語・スペイン語・イタリア語の学習に励み、Oxford大学では歴史とフランス語を専攻。在学中に1年間フランスで暮らしながら、高校生に英語を教えた経験から、言語や文化の違いを意識し、その面白さに気付いたといいます。

卒業後はインターンシップなどを通じて進路を模索する中で、人の役に立ちたい、外国との繋がりをもちたい、という自身の希望を叶えられる職業として外交官を目指すことになったそうです。外務省に入るまでの道のりは非常に険しく、人生で一番頑張ったことのひとつと言える、と話して下さいました。

入省後、様々な業務に携わる中で、広い視野で世界を見たい、イギリスやフランスとはまったく違う場所に住んでみたいという思いが強くなり、在外大使館で働く挑戦をすることになったそうです。大使館は世界各地にありますが、これまで自分の学んできた言語とは異なる文字体系を持つ言語を学びたい、という思いもあり、また、かねてより読書を通じて興味を持っていたことから、日本を選択したそうです。来日時期がコロナパンデミックと重なってしまったこともあり、人脈を広げることが重要な職でありながら、すべてがオンラインで行われる環境で、苦しいスタートとなりましたが、協力的な同僚に支えられながら、仕事内容にも魅力を感じ、大変な時期を乗り越えて現在にいたるといいます。

大使館ではすでに複数部署を経験され、サイバーセキュリティ対策、女性の権利、人権問題など様々な分野に取り組んだそうです。現在の部署では、今夏に行われたG7広島サミットに向けて英国閣僚来日のための各種手配などを行ったそうです。

最後には、外交官や、海外との関わりをもって働きたいと考える人へ、アドバイスもいただきました。知的好奇心が旺盛であることはなにより重要だといいます。多様で多彩な仕事をこなすためには、沢山の情報にアクセスし、それらを素早く学ぶことが求められるとおっしゃっていました。ウェルズさんご自身も、専攻は歴史とフランス語でありながら、人権から政治問題、情報技術に至るまで、幅広い分野をカバーしながら働いていらっしゃいます。発表や交渉の場も多いので、早いうちからそうしたスキルを身につけることも必要だそうです。また、長期戦になる覚悟をもって取り組んで欲しいとおっしゃっていました。

ウェルズさんご自身は新卒で外務省に入省、外交官になられましたが、同僚には様々な職歴を持つ方も多いといいます。かつてとは異なり、就いた仕事が一生のものではないケースも増えています。学校での学びはもちろん、様々な経験が役に立つので、一つ一つのことに一生懸命に取り組んでもらいたい、と話して下さいました。若くして外交官として働くウェルズさんから、貴重なお話を伺い、ひたむきに努力することや挑戦することの大切さを感じ、生徒たちにとっても良い刺激になったようです。

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