Apr_13_2015

こんにちは。2回に渡ってお伝えしてきた、ダンスチア部の夏の全国大会ですが、今回で最後になります。今回紹介するのは「DCC」というダンスチア部が目標にしてきた全国大会です。顧問の小泉先生にコメントをいただいたので紹介します。

DANCE CLUB CAMPIONSHIPを終えて

高校ダンス部にとっては特にオフシーズンというものはなく、出ようと思えば毎月いや、毎週のようにコンテストやイベントがあります。
それでもやはり最も重要な時期は夏になります。
そんな夏のダンス部を締めくくるコンテストがDANCE CLUB CAMPIONSHIP(通称DCC)の全国大会です。
このコンテストに3年生24人が4月の全国大会でも披露した「TIME」という作品で挑みました。
このDCCの最大の特徴は自分たちの作品に漢字2文字のタイトルをつけ、そのテーマをしっかりと表現できているかを最も評価にするというものです。
そして更に今年から各チームパフォーマンス終了直後に審査員の得点が表示されるというシステムが採用されました。これはフィギアスケートや、体操など採点されるスポーツにおいてはお馴染みのものです。しかしそれをダンスのコンテストで行うというのは、高校ダンスの大会に限らず聞いたことはありません。
このシステムは6月のDCCの関東予選ですでに経験はしましたが、独特の緊張感があり当事者にとってはしんどい部分もありますが、非常に公平なシステムであるとも言えます。
審査員には番組の中でダンス甲子園というコーナーを作り、日本にダンスを広めることに大きく貢献をしたテリー伊藤さんを始め、超一流のトップダンサーたちによって行われるということもこのコンテストの魅力であると感じています。
またステージの形も独特です。舞浜にあるアンフィシアターという会場ですが、ステージの形がドーム型にせり出しており、通常のフォーメーションではうまくフィットしません。私たちもその点には苦慮しました。

さて当日です。
先ほど関東予選について触れましたが、本校は予選2位通過をしています。その結果36チーム中32番目でした。
これは結果的にプラスに働いたように感じています。

今回の採点システムですと、前半が出番の学校は、コンテストの早々に入賞の可能性がないことが明らかになってしまい面白くないだろうなと思っていました。
しかし、次々に変わる順番は単純に観客として楽しめるものであり、会場のボルテージもどんどん上がっていることが感じられました。
部員たちは少しアップから飛ばしすぎているのではないかという印象でした。やはりこの日が引退であり、最後のコンテストということで、通常とは違うプレッシャーがあったのだと思います。
そしてそれはスタッフの方に誘導されてステージ裏に入るところで顕著に現れてしまいました。明らかに緊張の度合いが強すぎるメンバーが何人かいたのです。
このままではベストのパフォーマンスはできないと危機感を感じました。
しかもそのステージ裏で、93点や89点という高得点がコールされる瞬間を目の当たりにし、いよいよこれはまずいぞと心配になりました。

しかし、そこはここまでいくつもの苦楽を共にしてきた24人です。
次が自分たちの出番だという時にはすっかりスイッチが切り替わっていました。
「自分たちで」チームをメンバーを立て直したのです。
これなら大丈夫と安心して客席で見守ることができました。

いざ本番です。
素晴らしい会場と証明、音響の中で部員たちは何ヶ月も育ててきた「TIME」という作品を、丁寧にそして楽しそうにパフォーマンスしてくれました。
本校の得点は84点。32チームが終わったこの時点で3位と全国の強豪校の中で非常に立派な結果です。
しかし、部員たちの表情は暗く、悔し涙を流す者もいました。
実際に本校の後には関東予選で破れている山村国際、昨年の上位3校でシードによる出場の超強豪の三重高校、久米田高校、そして登美丘高校がいます。
これらの学校に1点でも上回れたら本校の入賞はありません。
我々の中にも入賞はもう厳しいだろうという雰囲気が漂っていました。

本校の次の山村国際高校は先日記事にしてもらった「ダンスタ」の全国大会でも入賞をしている作品です。かなりの熟成度を感じさせる素晴らしい出来でした。
結果は83点。
本当にギリギリのところで本校が上回りました。
そして三重高校、久米田高校にも逆転されることがなく迎えた最後のチーム、高校ダンス界最強の登美丘高校です。
登美丘高校はこの作品からチームもコーチが変わっておりどんな作品になるか予想ができませんでした。
内容はさすが登美丘高校といったアプローチでした。
誰も思いつかないようなテーマと衣装でしっかりと会場を魅了していました。
そして登美丘高校の得点です。
我々としてはこの瞬間がこの日一番緊張感がありました。
結果は82点。
本校の3位が確定しました。
昨年までは出場することに憧れを抱いていたDCCの全国大会で3位入賞とは本当に夢のようでした。
3年生は最後の最後にまた一つ大きな結果を出してくれました。しかも来年のシード権というおまけ付きです。

ダンス・チア部にとって7代目の3年生は、多くのことを成し遂げ、部を一気に全国区に押し上げてくれました。
気持ちよく引退できたと思います。
8代目のダンス・チア部すでに動き出し、新作に取り組んでいます。
この夏に結果を残してくれた「TIME」「WATER」にも引けを取らない作品になる予感がしています。ぜひ楽しみにしていただきたいです。
そしてまた新たなことにも挑戦する予定です。
それはいずれみなさんに告知させていただきます。

改めまして、この夏多くの応援をいただいたことを心より感謝しています。
そしてこれからも、ぜひダンス・チア部の活躍に期待していただければ嬉しいです。
ダンス・チア部顧問 小泉 宏太

ページ
TOP