May_07
May_07

本校で美術の指導をしてくれている伊東正次先生が現在、山梨で個展を行っています。「伊東政次の襖絵」と題する展示は当初、4月9日から5月8日まで行われる予定でしたが、「大好評につき、展示期間延長となりました(「赤沢宿 宿の駅清水屋(ブログ)」」。エデュログ編集部は、4月末の本校の野球部の試合(富士北麓公園野球場)の取材の後に行ってきました。

場所は山梨県南巨摩郡早川町赤沢宿にある宿の駅清水屋さん。早川町は「山梨県の西部にある町で、日本で最も人口の少ない「町」である。また、山梨県内の町としては最も西にあたる。「日本で最も美しい村連合」の一つ(Wikipedia)」。赤沢は「日蓮宗の総本山である身延山と、同じく日蓮宗の霊山である七面山とに参拝する客の宿場として栄えた。集落は重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。…本来このような急斜面の地形の土地に集落が形成されることは少ないが、江戸期に参拝客の増加に伴い講中宿と呼ばれる宿泊施設や参拝に関連した生業が営まれたことによって、他に例を見ない集落形態を作った。(Wikipedia)」。会場となった「清水屋」さんは、もともとこういった講中宿(旅籠屋)の1つだったものが改装され、観光案内所・休息所として利用されている建物になります。

さて、編集部は富士山のふもとから下部温泉を通って早川町に入りました。とても天気が良く、巷では素晴らしいゴールデンウィークのスタートでした。赤沢宿は県道37号線から細い道をしばらく登っていったところにありました。眺めも良く空気も澄んでいてのんびりしたい気持ちになってしまいました。編集部はまず空腹を満たすためお蕎麦やさんに入りました。地元のおばあさんが作ってくれた美味しいお蕎麦を頂きました。「どこからいらしたんですか…上野原…それはそれは遠くからありがとうございます」「襖絵は見てきましたか」というような会話を交わしました。伊東先生の襖絵展は赤沢宿のみんなが注目している大きなイベントなんだとわかりました。そして、店を出るときには「年寄りは甘いものはあまり食べないから」と言っておまんじゅうを勧められました。とても気持ちの暖かい人たち。

May_07

伊東先生の襖絵展はお蕎麦やさんのすぐ下にある「清水屋」さんの二階で行われていました。このフロアはこの展覧会のために改装されたかのように、全く違和感なくフロア全てを使って襖絵が並んでいました。数が多いのでその分、余計に迫力を感じます。自分の印象ですが、1番すごいと思えたのはやっぱり桜の襖絵です。写真を見て感じてもらえるでしょうか。

■伊東先生インタビュー(一部・4月)■

伊東先生「この襖絵展、山日(山梨日日新聞)で紹介されたんですけど、明誠の講師って一言言っておけばよかったな(笑)」

——襖絵展は早川町で行われているんですね。

伊東先生「早川町に赤沢地区っていう宿場町があって、昔、そこに宿が6軒あって、身延山や七面山に登るときにみんなそこに泊まって登って言ったらしいんですけど、そこに今はもう人が行かなくなって、宿は1軒しか残ってないんだそうですが、昔、宿だった1軒を町が清水屋というお茶屋さんにして、そのお茶屋さんの上がちょっとしたギャラリーになっていて、そこに展示しているんです。」

——どういう関係でそこで展示することになったんですか。

伊東先生「僕の知り合いがここで芸術祭を今年の春やることになっていたんですけど、それが延期になってしまって、だったら僕やるよ、って、それで展示をすることになりました。横が9メートルくらいのものと8メートル、6メートルの襖絵3点展示してあります。絵は古いんですけど、20年くらい前に銀座の松坂屋で3年続けて展覧会やったんですけど、そのときの作品を3つ。全部一緒に転じしたことが今までなかったんで、まとめて展示しようかなって。

——昔だったら一回に1つしか見られなかったんですよね。とても貴重な機会ですね。

伊東先生「桜と裏が岩、それにサボテンと蝶…」

——すごいですね。実際にこれは襖になったりするんですか。

伊東先生「使おうと思えば使えるんですけど、建物に合わせて建具って作るじゃないですか、でも建具先に作っちゃってるから。これに併せて建物建てなくちゃいけなくなっちゃう(笑)。実際には使えないですよね。デモンストレーション用ですね。」

——制作期間ってどれくらいなんですか。

伊東先生「だいたい1年に1作品って感じでやっているんで、制作期間は半年くらいですかね、絵を描いてるのは。ちょうど、これ明誠の(美術室の)準備室で描いてた(笑)。後で、そこでは描けなくなっちゃったんですけどね。美術部みながら準備室で絵を描いてた。(1号館の)4階に美術室があった時です。準備室は、実際には化学の準備室だったんですけどね。間借りをしていました(笑)。昔の思い出ですね。」

——そうなんですか。美術室がまったくに違う場所にあったんですね…。

伊東先生「で、赤沢宿は山梨の小京都と言われていて、石畳があって、宿があったんですけど、全部休業してて。でもまだ風景は残っていて、石畳を上っていくとお寺さんがあって、しだれ桜…この展示が始まった頃はちょうど桜が満開だったんですよ。その頃に合わせて始めたんですけど。」

——水曜日が定休日なんですね。じゃ、野球の取材の後、行きますね。

伊東先生「最後の5分くらいが道は凄く狭いですよ。崖みたいなとこ。車のすれ違いができないんです。片方が待ってなくちゃいけない。」

——脱輪して落ちてしまう?(笑)

伊東先生「いや、大丈夫ですよ(笑)。一応、舗装されている道なんで(笑)。もしよろしければ、是非いらしてください。」

——わかりました。

伊東先生「5月8日には僕のギャラリートークもあります。」

——伊東先生が現地にいらっしゃるんですね。

伊東先生「本来は搬出の日だったんですけどね。31日まで延長したんで、この日はトークにしました。」

——ありがとうございました。

というわけで、明日5月8日には伊東先生が赤沢宿の清水屋さんまで出かけて、13時よりギャラリートークをしてくれることになっています。とてもいい場所ですので、ゴールデンウイークの締めとして出かけてみてはいかがでしょう。

ページ
TOP