本日の記事は全校応援となった全国高校サッカー選手権大会の山梨県大会準決勝の模様をお伝えします。観戦記はいつものように本校元教諭でサッカー部顧問だった手塚先生です。どうぞご覧ください。
2018 第97回全国高校サッカー選手権大会 山梨県大会 準決勝 |
日大明誠 |
1 |
1 |
前半 |
1 |
3 |
帝京第三 |
0 |
後半 |
2 |
2018 第97回全国高校サッカー選手権大会 山梨県大会 準決勝

第97回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会5日目は、3日、甲府市小瀬の山梨中銀スタジアムで準決勝2試合が行われた。第1試合では、第4シードの帝京第三高校が山梨学院高校を延長の末の激闘を制し、夏のインターハイ優勝校が姿を消す波乱の大会となった。
準決勝の相手は、日本航空高等学校(以下、航空)であった。今年度の戦績は新人戦2-0(負け)、関東大会予選5位決定戦では2-1(勝ち)、それが示すように互角の戦いであり、第3シードとはいえ過去には選手権出場の経験があり周知の通り強豪である。
航空は精度の高いキックが持ち味のMF⑦中島と⑧塚越を中心として、FW⑨師岡 ⑩坂本にシンプルにボールを送り、その前線で起点を作る厚みのある攻撃が特長であった。
対する本校は奪ったボールを素早く回し、FW⑩橋本に預けその突破力を活かして時にはロングカウンターを狙い、累積警告(注)で出場停止の横瀬に代わり⑥齋藤と⑧加藤のダブルボランチ、前の2試合1ゴール1アシストのMF⑨五十嵐を先発で起用した。
この準決勝からは全校応援の体制が敷かれ、一般生徒や学校関係者、保護者等1000名を超える大応援団の声援をバックに前半が開始された。航空が攻勢を続ける中、試合が動いたのは8分、本校は自陣からのロングカウンターから橋本が粘り、そこから得た右CKの混戦から齋藤が決め待望の先制点を挙げた。しかし、航空はその4分後の12分、左CKからヘッディングで流したボールを、DF④小田が決めすぐに同点とした。その後、航空は空中戦でも優位に立ち、セカンドボールを拾い集め本校を自陣に押し込み何度もチャンスを掴みかけるが、DF④根田を中心としてゴール前で懸命に体を張り何とかしのぎ切った。本校の攻撃は中盤の要の横瀬を欠いた影響で、持ち前のボールワンタッチで早めに動かすパスも少なく、タメ(時間)がなく攻撃が単調なため橋本へのパスが繋がらず攻め手を欠いた。それでも終了直前には航空の厳しいチェックを掻い潜り、中盤でカットしたボールが五十嵐から橋本に通り、ドリブルからゴールを目指すが得点とならず前半が終了した。
後半、本校は立ち上がりからDF③西野の得意のロングスローから攻勢に転じ、右からのクロスの折り返しでチャンスを迎えたが、橋本がシュート態勢までは行けなかった。この時間帯から、中盤で素早くパスを繋ぎ始め試合の主導権を握り、橋本と五十嵐で手数をかけずに素早く攻め航空ゴールを脅かした。一進一退の中、航空は1枚目の交代カードを切った直後の15分、FW⑩坂本のドリブルから左CKを得て、ヘッディングで流れたところをFW⑨師岡が貴重な勝ち越し点を挙げた。これで勢いに乗った航空はボールへの寄せ、空中戦、セカンドボールへの対応で上回り、本校は防戦一方の展開となった。何とか同点に追い付きたい本校は、加藤に代えFW⑳久保田を投入、前線で橋本との2トップを形成し、起点を作って流れを引き戻し航空陣内に攻め入り、ロングスローやCKからチャンスを作るが航空も集中力を切らすことなく守りシュートを打たせなかった。本校の攻撃を凌いだ航空は、カウンターから途中交代の江井が、攻めに転じた本校のDFラインの裏をつき決定的な3点目をきめた。それでも試合を諦めない本校は懸命なプレーを続け、大会直前のリーグ戦で怪我して無念にも戦線を離脱したキャップテン山口を最後の最後に投入したが、流れの中からシュートを放つことが出来ず無念の敗退となった。
試合を振り返ってみて、前半開始早々理想的にセットプレーから先制点を奪ったが、その直後4分後の失点が響いた。また航空各選手のフィジカルの強さもあり、局面での1対1に負ける場面も数多くあった。以前の試合では横瀬の卓越したキープ力が前線の橋本を巧く活かすことが出来て得点に結び付いていたが、中盤でのキープ力が劣ったためタメ(時間)を作れず、橋本のオフ・ザ・ボール(パスを受ける前の予備動作)が影を潜め、効果的なスルーパスが通る場面もなく、航空DFの徹底マークに遭いシュートらしいシュートを打てなかった。本校の持ち前のボールを早く動かして相手マークのずれを狙った攻撃が単発で終わり、シュートは3本(公式記録)のみであった。この準決勝で敗れはしたが、新人大会ベスト8、関東大会予選ベスト8、インターハイ予選第2位、今大会2試合連続の逆転勝ちで2年前と同じ第3位、特に今大会は足が地にしっかりとついた戦い方をして勝ち上がってきたことは大いに評価されるべきである。今大会には残念ながら“ベンチ入り”が実現できなかった3年生を含め一体感溢れる応援でピッチに大声援を送り続けた部員、ベンチ入り部員合わせて総勢116名のチームワークは、試合が勝ち進むにつれてより強固のものになり、今後のチームの『礎』となることは確信できる。
注:大会競技規則=大会期間中、警告を2回受けた者は、次の1試合の出場資格を失う。
先発メンバー(学年)⇒交代(交代時間) |
GK |
①二 上(2) |
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DF |
②福 井(3) |
→ |
⑬山口(後40) |
DF |
③西 野(2) |
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DF |
④根 田(3) |
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DF |
⑤池 田(3) |
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MF |
⑥齋 藤(2) |
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MF |
⑦佐々木(3) |
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|
MF |
⑧加 藤(2) |
→ |
⑳久保田(後21) |
MF |
⑨五十嵐(1) |
→ |
⑭仁井部(後37) |
FW |
⑩橋 本(3) |
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|
MF |
⑪嶋 野(3) |
→ |
⑲渡辺壱(後35) |
リザーブメンバー |
DF |
⑫石 井(2) |
DF |
⑬山 口(3) |
MF |
⑭仁井部(3) |
MF |
⑮赤 津(3) |
MF |
⑯渡辺太(3) |
GK |
⑰菅 野(3) |
FW |
⑱藤 田(3) |
FW |
⑲渡辺壱(1) |
FW |
⑳久保田(3) |