本日は先日11日に行われた平成29年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会山梨県予選準々決勝について、本校の元教諭の手塚先生が試合の記事を書いて下さいましたので、ご紹介します。
平成29年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会山梨県予選準々決勝 |
日大明誠 |
0 |
0 |
前半 |
2 |
7 |
山梨学院 |
0 |
後半 |
5 |
平成29年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会山梨県予選
『夏の夢』叶わず!
山梨学院の怒涛の攻撃に屈す

5月20日に開幕した平成29年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会山梨県予選4日目は、11日、韮崎中央公園陸上競技場・同芝生広場の2会場で4回戦4試合が行われ、ベスト4が出揃った。
直近の関東大会山梨県予選で第3位の成績を収めた本校は、シード校として3回戦から登場し、初戦は都留興譲館高校に順当に勝ち、この準々決勝で第6シードの山梨学院高校(以下山学)と対戦した。関東地区の強豪が集う関東プリンスリーグ(10チーム参加)で、現在5位(第5節終了時)のランクにいる山学は、関東大会山梨県予選では過密日程の影響で主力抜きのチーム編成を余儀なくされ、不本意ながら6位の成績に終わった。そのため今大会に賭ける意気込みは相当高いものが予想された。
真夏の気温そして時折強風が吹き荒れる中、試合は開始された。開始直後は、本校⑪横瀬が絶妙なボールコントロールから相手を抜き去りロングシュートを放ち試合を優位に進めたかに見えたが、山学は昨年度の全国高校選手権大会山梨県予選準決勝において決勝ゴールを決めた⑨をターゲットに⑩や⑪の空いたスペースへの走り込みから徐々に試合のペースを掴み、4分、6分、8分、9分、15分、19分と立て続けに本校ゴールを襲った。しかし⑤谷口を中心としたDF陣が体を張ったプレーでゴールを割らせなかった。その後防戦一方の24分、本校ゴール前の混戦から山学のシュートがポストに当たったこぼれ球を⑩に決められ先制ゴールを許した。本校も相手陣に攻め入りFKからチャンスを掴むが得点には至らなかった。30分、山学はそれまで何度かチャンスを作っていた右サイドからのクロスの折り返しをゴール中央に流し、こぼれたボールを⑧が見事なミドルシュートを決め2-0で前半が終了した。
後半開始から左サイドに⑲窪田を投入し、何とか逆転を狙いたい本校は、相手陣内でのFKを得たが得点出来ず、山学は6分、又もや右サイドからの細かいパス交換から本校ディフェンスラインの隙間にうまく入り込んだ⑩へのスルーパスが通り痛恨の3点目となった。。9分、本校は以前の試合と同様に、劣勢を打破しようと⑱髙橋を入れそのスピードを生かした攻撃に一縷の望みを託した。16分にFKから、17分にはCKからと得点のチャンスを迎え、特に21分、⑩新井が山学のDF陣の裏へうまく抜け出しGKと1対1の絶好のチャンスを迎えたが相手GKの好セーブに阻まれた。本校がリードされ残り時間も少なくなり攻撃に人数をかけざるを得ない状況の中、その隙を狙い山学は23分、30分、35分、39分に、見事なカウンター攻撃から得点を重ね大差となった。
試合を振り返って見てみると、二つの場面が勝敗の分岐点であった。一つは後半の3点目の失点であった。サッカーの試合では前半を終えての2点のリードが一番難しいと言われ、次の1点をどちらのチームが先に点を取るかが勝敗を決定づける大きな要素にもなっている。そういった意味では非常に重い失点であった。もう一つは、3点のビハインドから、GKと1対1となった絶好機に得点を挙げることが出来なかった場面である。勝負事に「たら、れば」はないが、ここで得点し1-3ならばまた違った展開となったはずである。失点の4点目以降は、本校が点を取りに攻撃に人数をかけた結果カウンター攻撃を受け、失点を重ね大差となったことは、リーグ戦と違い一発勝負のトーナメント方式の試合では往々にしてあり、止むを得ない状況でもある。
本校と山学の選手の個人の技術の差はそれほどないと思われる。差があるとすれば個人戦術の部分である。相手の逆を突くプレー、裏と見せかけて引く、右へ抜く素振りで左へ、パスと見せてドリブル等。それらに加えファーストディフェンスの速さ(ボールを奪われたらすぐに取り返しに行くプレー)や機を見て数的有利を作る。そして何よりもイーブンボール(混戦の中どちらも保持していないボール)の奪取率が本校を大きく上回っていた。本校選手は広いスペースで相手のプレッシャーがない時は個人技を駆使したプレーが出来るが、中盤や相手ゴール前などの狭いエリアでの厳しいチェックを打破する“技”の習得も必要であろう。日頃からプリンスリーグでの激しいプレッシャーを受けてプレーしている山学の選手の“経験値の差”が如実に出た試合でもあった。しかし、相手は同じ高校生である。今後は、「冬の選手権」まで限られた時間ではあるが、“やる気”に加え“本気”で常日頃からの練習に真摯に立ち向かい、過酷な夏合宿を乗り越え、秋にはワンランクアップした『日大明誠』の姿を見せてもらいたい。
元日大明誠高等学校教諭 手塚 秀昭
これから、冬の選手権へ向けて、夏の厳しい練習に励み、選手権予選では納得のいく結果を出してほしいものです。頑張れ、日大明誠サッカー部!