毎週水曜日の朝活動の時間に、News Picksの蒲原さんにオンラインで繋いでお話して頂いている「“ミカタ”が変われば“セカイ”は変わる」も早いもので、1学期最後の実施となりました。

今回は、前回までの「氷山モデル」と「推論のハシゴ」の話を振り返りつつ、引き続きモノの見方についてお話して頂きました。

今回は、「出来事」は見えているモノに反応しがちなので、出来事ではなく、パターンを見るということについて、過去に起きたニュースを例に説明して頂きました。

1950年代のインドネシアで、蚊を媒体にするマラリアが発生し、殺虫剤を撒いたところ、マラリアは収まったが、数年後に、藁の家の屋根が壊れ始めるという事象が発生するようになったそうです。一見、殺虫剤の話とは関係なさそうな事象ですが、実は、殺虫剤は蚊だけではなく、全ての虫に効くので、殺虫剤によって蜂が絶滅し、藁を食べる毛虫を食べていた蜂がいなくなったことで、毛虫が増え、藁を食べたために家の屋根が壊れたのです。さらに、殺虫剤の成分は虫の中に蓄積され、殺虫剤の成分が含まれた虫を餌にしているヤモリを食べた猫が死んでいき(ヤモリは殺虫剤には強いので、体内に含まれても平気なのだが、猫は弱いため死んでしまう)、その結果、ネズミが増え、ネズミを媒介する病気が増えていったそうです。

殺虫剤を撒くのは「対処療法」によって、マラリアは解決したものの、副作用が出て、根本的な解決にはならなかったということです。

これを勉強を例に考えてみると、勉強をしていなくて試験前に一夜漬けをするという「対処療法」によって、翌日の試験はなんとか乗り切ったかもしれないが、一夜漬けのため、すぐに忘れてしまうという副作用が発生し、勉強という観点から考えると「根本解決」にはならなかったということになります。

但し、これは「対処療法」と「根本解決」のどちらが正しいかではなく、この問題は「対処療法」なのか、「根本解決」なのか常に考えることが大切ということです。場合によっては「対処療法」が必要な場合もあります。そのため、どちらが良いか判断をするためには、見えているものだけに反応しているのではダメなのです。

   今回のお話は、ニュースを通じたモノの見方という枠を超えて、小論文などにも通じるところのあるお話で、これから入試を控える高校3年生にとって、大変参考になるお話でした。

 

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