こんにちは、NITOBE FUTURE PARTNER(NFP)*注1の神薗です。

学校に勤務した時に発見した、新渡戸文化学園のキラリポイントをお伝えします。

7月31日は、新渡戸文化中学校はじめての外部団体と企画したイベントが行われました。ご一緒に企画したのが、一般社団法人母親アップデート様(以下HUC)*注2

前半は保護者の皆さんとお子さんがそれぞれ分かれて活動、
後半は親子で一緒に学校見学というプログラムでした。

■前半保護者:オンライントーク「正解のない時代を生き抜く、未来をつくる学校とは」

こちらのオンライントーク、会場の方も含めて400名を超えるご参加がありました。

HUCの鈴木さんと企画を相談している中で、
「予測が出来ない時代の中で、不安を抱えて子育てしているよね」という共通見解がありました。

子どもたちにどんな力を身につけさせ、社会に送り出したらよいか?
不安を抱えながら子育てをする中、過熱する中学受験競争へ、違和感を覚えているけど、レールから外れるのって怖いよね・・・というそんな漠然とした不安。

そんな不安を払しょくしてくれる、
子育ての本質をしっかり捉えられるような企画にしたいねということで、
まさに本質的な教育がある学校をつくろうとしている
横浜創英と新渡戸の2校の視点から対話する場を作りました。

モデレーター/一般社団法人母親アップデート 代表理事 鈴木奈津美氏
パネリスト(ゲスト)/横浜創英中学・高等学校 学校長 工藤勇一氏
パネリスト/新渡戸文化中学・高等学校 統括校長補佐 山本崇雄氏

概要は、HUCメンバーの湯朝かりんさんが、素敵なグラフィックレコーディングをしてくださり、こちらを見ていただければ概要がつかめます。(ご本人の許可をいただき、掲載しております。ありがとうございます!)

工藤先生・山本先生の対話を通じて感じることは、家庭でも学校でも教育の最上位目標である「将来、人の手を借りながら自分で歩んでいく力を育てる」をぶらさないということ。そこを軸に学校の活動や指導が2校とも設計されているということがよく分かりました。

「とはいっても、おうちで子どもに自らやることを促すのは難しい」という質問も。

自律する力を養うためには、何度も自己決定するという経験が必要。すぐにはできない、そんな時は3つの質問が有効ですよということも教えていただきました。

1:どうしたの?困っていることある?
2:このあと、どうしたい?
3:何かできることある?

小さな「やりたい」という子どもたちの気持ちを見逃さないで、大切に育てていくことが自律への第一歩であること。
子どもたちは「相談できる」「ありのままを受け止めてもらっている」という心理的な安全性を感じてはじめて、自分たちのやりたいことをやっていいんだ、チャレンジしていいんだという気持ちになりますよ。ということでした。

保護者が不安になって、子どもに頼まれてもいないのに、あれやこれや先回りして材料や環境を準備することは、逆に過剰なサービスに慣れて、うまくいかないときに誰かのせいにするようになるよ。それは自律とは逆ですよねと。

中学受験に関しても、横浜創英も新渡戸も学校の教科書をちゃんとやっていれば解ける問題ですよ。中学受験は親子が二人三脚ではなくて、「人生の一通過点に過ぎない」という気持ちで、保護者は客観的に淡々と応援することが大事。ということもはっきりとおっしゃっていました。

不安を抱える保護者の皆さんにとって(私も含めてですが)、大きな指針となったオンライントークでした。

■前半子ども:「VIVISTOP体感!スペシャルワークショップ」
子どもたちは、VIVISTOPへ移動してスペシャルワークショップを体験しました。
紙素材を活かして、アイディアを出して、手を動かして、答えのないモノづくりにチャレンジしました。

紙を「パキッ」「くるん」「くしゃ」とあれこれ、アイディアを試行錯誤してみて。

「ほら!こんな音が紙はするよ!」と聞かせてくれたり。
「見てみて、こんなものできたよ」と立派な立体になった紙を見せてくれたり。
新渡戸文化学園の先輩たちも応援しながら、作っていました。

ワークショップを企画した川島先生から、
「みんなに、スペシャルなプレゼントがあるよー。せーの!」

といって、隠れていたたくさんのカラフルで色んな素材の廃材が、
子どもたちの目の前に現れた時。

「わあーーー!!」
「すごい!!」

と子どもたちの歓声。

「好きな素材を取っていいよ。これを使って、みんなのアイディアと素材を組み合わせて、どんなものを作ってみる?」

の問いかけに、子どもたちが宝探しのような時間が始まりました。

そこからはもう、みんな夢中に世界に一つしかないものを作り始めました。
キラキラした姿がとてもまぶしかったです。


■後半:VIVISTOP説明―学校見学
後半は、保護者もシアタールームからVIVISTOPへ移動して、
まずはVIVISTOPのスタッフでもある山内先生からご紹介。

なんと、またサプライズで中1の在校生がこのワークショップの様子を即興で動画にしてくれていました。スゴイ!

VIVISTOPは、子どもたちにクリエイティブなラーニング環境やコミュニティ、ツールやプラットフォームを提供する場所です。なんと学校の中にVIVISTOPがあるのは、世界で新渡戸文化学園だけ。

VIVISTOPでは、放課後はもちろんのこと、授業の時間でも様々な場面で創作が行われています。

学校見学を案内するのは、在校生たち。
参加者の皆さんの様々な質問に、適宜答えている姿がとても頼りがあって、
新渡戸文化学園をたのしんでいるんだなあと感じる、そんな説明がたくさんありました。

見学終了後は、最後に学校の紹介と質問タイム。
新渡戸文化中学校は授業や日々の取り組みを大事にしていますが、出会いの一歩目である入試にもその想いが込められています。例えば、2教科入試(国算)とセットでレゴを使ったグループワークがあったり、好きなことをアピールする入試があったり。
入試で育ち、入試で気付くことをモットーに実施しています。

質疑では様々出ましたが、参加していたお子さんから、
「校則はありますか?」という質問。

在校生の代表からの「校則はあるが、現在自分たちの実態に合っている内容に変えるために、相談をして作りなおしている」という回答。学校をみんなでつくっていて、日々変化しているということが分かる発信となりました。

大人も子どもも充実した時間を過ごすことのできたイベントでした。
HUC・鈴木さんや横浜創英・工藤先生はじめご協力いただいた皆様、ご参加いただいた皆様と引き続き、新しい教育のあり方を模索していければと思います。

*注1「NITOBE FUTURE PARTNER」とは?

https://nitobebunka.ac.jp/comprehensive/post-1786/
様々な分野の第一線で活躍する社会人が、副業人材として学校の教育活動に参画している。

*注2
「一般社団法人母親アップデート」とは?
https://haha-update.com/about/
母親ひとりひとりの個性を解放し、子どもと大人が共に育つ社会を実現したい!
という想いで、母親アップデートコミュニティを運営している。社会とのつながりの中で母親の自律を促し、多様な母親のあり方を認め合う社会と個人へアップデートさせている。

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