高2文系情報科目 2010年度第2学期講座『トランク探偵』

 

2010年度、高2文系の生徒達は4つの講座から1つを選び、情報について学んでいます。昨年度3学期から始まったこの方式。今までに『自分の意見を構築し、新聞に投稿する』『統計の嘘』『パワーポイントを使ってプレゼンテーション』『インターネットからの情報の取り出し方』などの講座が開かれています。学期ごとですので、毎学期異なったテーマで学習することができます。

この2学期は『トランク探偵』と名づけて新しい講座が始まりました。

4年ほど前、女子寮の屋根裏から1つのトランクが発見されました。寮内の掃除や洗濯などを手伝ってくれている、クリーニング・レディーが偶然に見つけたものです。中を開けると、古い衣類や写真、小物などが入っていました。実は女子寮は約100年前ごろは周辺一帯の領主のお屋敷でした。今もその様子が、内装や暖炉やステンドグラスなどそこかしこに感じられる建物です。発見されたトランクはその頃のものだと思われました。『トランク探偵』では発見された品々を調査研究します。なかなか面白そうな始まりとなりましたので、授業の様子をご報告してゆきたいと思います。

 

 

 

 

第1回 9月25日

 

今日の課題は『中身の確認とリストアップ』。まずはトランクを運び出す。紺色の頑丈なトランク。古いだけあってあっという間に埃まみれ。次回はマスクが必要だろう。

一人がトイレに行ってなかなか戻らないので、御開帳はお預け。じりじり待つメンバー達。やっと戻って開けると真っ白な布類があふれてきた。過去のものなので何だかわからないものもあり、とりあえずナンバーを振って、予測で大体の品名を書き、特徴をメモしてゆく。1つ1つを改めているうちに、写真や手紙も発見。手紙には1916年の日付。やはり領主館時代のものだと思われる。

今回のリストアップ作業で発見されたものは

◆ たくさんの衣類。着るものからして女性。特に肌着類が多い。

◆ エプロン数点

◆ ショールや帽子など数点

◆ 刺繍の施された布ばさみ。中にはたくさんの写真と手紙。

◆ 靴の型崩れを防ぐ器具。サイズが大きい。

◆ 靴用のブラシ?

◆ 小さなトロフィー

◆ 髪に挿すためと思われるべっこう色の櫛数点

が主なもの。

手紙をざっと読んでいた生徒が「とってもきれいな文章。きっと教養のある人だよ。」と感想を述べていると、トロフィーや犬形ブラシを眺めて「犬好きの人かなあ」の声もあがる。トランク外面を見て「このJ.E.B.の文字は人名のイニシャルだよね。」、「このCAIRO EGYPTのシールは旅行に行ったってことかな」、「トランクの裏側にちゃんと車輪がついてる!」と次々に気付いた点が挙がる。手紙の文章力から「持ち主はお屋敷の主人家族かな」と推測すれば、衣類を改めていた生徒が「肌着類ばっかりが多いし、エプロンもあるから持ち主はメイドさんじゃないかな。だって決まった服を着せられるから私服はいらない。」 と新たな推論を展開する。荷物を送ろうとしていた気配もうかがえ「当時の郵便で、ゆうパックのような箱はあるの?」「トランクごと?」などと新たな調査の必要も生じてきた。1時間は短くあっという間に終了してしまった。次回はさらに記録を整理してゆく予定である。

 

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