3月12日に行われた卒業終業礼拝で、冬期休暇中に全校生徒が書いた読書感想文の表彰がありました。

その中から金賞、銀賞の作品を3回に分けてご紹介致します。

第2回は銀賞、中学部2年男子生徒の作品です。

 

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告白

 

僕は、告白という本を読みました。理由は学校で少し読んだ時に、この本は、すごいなと思ったからです。

 なぜすごいと思ったのか? それは、小説の書き方です。

普通の小説は、主人公は1人だと思います。しかし、この小説は1つの事件に対しての語り手が先生、級友、犯人の家族、犯人とどんどん変わっていくので、主人公は4人もいます。

僕は、こういうアイディアを思いつき、主人公が4人いるのにうまくまとめているところがすごいと思いました。

 次に、この小説を読んで自分の考えが変わったところもあります。

 1つ目は、「数年前からひきこもり、ニートという言葉をよく耳にします。

私はこれに該当する者に、このような名称を与えてしまったことが問題ではないかと思っているのです。」これは、確かに!と思いました。

僕達は、どこかに所属していたり、肩書きがあることによって、安心感を得ています。どこにも所属していないということは、自分が社会の一員として存在していないのと同じことです。

大抵の人は、そのような立場になれば、不安と焦りを抱き、1日も早く自分の存在場所を確保しようと努力するのではないでしょうか。という事も、小説には書いてありました。

ここは、この小説で一番印象に残ったところです。

 つまり、今僕は中学生というものに所属しています。

しかし、中学生に所属せず(ありえませんが)家に引きこもって好きなことばかりしていると、社会の一員として存在しなくなり、不安や焦りが出てきます。

でも、ニートなどという言葉があると、

「僕はニートだぜ」

などと言ってニートという物に所属し、安心感を得て学校に行かなくなります。

 この本を読んだ後、周囲の景色が少し変わって見えました。

 

(中学部2年 男子生徒)

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