立教生活最後の球技大会が始まった。1週間頑張ってきた成果を見せつけてやる。そんな私たちの気持ちに応えるように、空がカラッと晴れた。言い忘れていたが、私は女子ソフトボールのピンクチームの一員だ。
男子ソフトボールチームのメンバーには自分たちの練習時間を削ってまでバッティングや趣味の練習に付き合ってもらったという恩がある。そのため、球技大会の競技種目が始まってから真っ先に男子ソフトボールの試合の応援に行った。思いっきりお腹の底から声を出して声援を送った。そこで盛り上がった私たちの気分は、自分たちの試合を非常に良い方向へと進めた。途中から男子ソフトボールメンバーの応援が加わり、完全に波に乗ったピンク女子ソフトボールチームは12点差で午前の試合の勝利をつかんだ。
とても気持ちよく終わった午前の試合。午後もその調子で圧勝できるかと思いきや、人生はそんなに甘くなかった。相手が先攻だったのが悪かったのかもしれない。最初からバンバン打たれてしまうと、やはり気持ちが萎えてしまう。だんだんみんなの顔から表情も消えていった。ダメだ、諦めたら絶対にダメだ。後で後悔する。私は「声出してー!」とみんなに大声で叫んだ。他の高校3年生のメンバーもそれぞれ空に向かって叫んだ。よしその調子だ。開いていた点差が一気にぐんと縮んだ。勝利がはっきりと見えた。そして、見えただけでなく、私たちはそれをしっかりこの手に収めた。
高校生活最後の球技大会は、最高の形で勝った。私はこの日の記憶を胸に刻んで、決して忘れはしない。