7月19日から7月28日までの10日間、英国で行われたUCL-Japan Youth Challenge に5名の生徒が参加いたしました。このプログラムは、日本と英国の各地から優秀な高校生が参加するサマースクールで、世界をリードする大学であるUCLの教授陣による講義や、世界の大きな共通課題について専門の研究者と意見を交換し知識と経験を深めるためのワークショップなどがあります。前半は立教英国学院、ケンブリッジ大学での研修が行われ、後半はロンドンでこのセミナーのメインであるGrand Challenge Workshopが行われました。今年のテーマである「Accessibility for All」について、それぞれの生徒が目的や課題を持ちながらしっかり取り組み、成長を感じることのできた良い研修になりました。先月、学校で報告会が行われ、そこで発表されたものの一部をご紹介いたします。

〈参加した生徒より〉
UCL-Japan Youth Challengeのプログラムは全部で10日間あり、場所は立教英国学院、ケンブリッジ大学、UCLで行われました。最初の2日間は立教英国学院でオリエンテーション、自己紹介を兼ねた学校紹介、アイスブレーキングとしてBBQやスポーツを行い親睦を深めました。その後ケンブリッジへ向かい、初日は観光、パンティングを体験した後、ケンブリッジ大学に通う日本人の方々にイギリスに来た経緯や研究内容など視野の広がるお話を聴かせていただきました。そして、翌日には初めての英語の講義にも挑戦しました。ケンブリッジに二泊した後ロンドンのUCLに移りました。初日はInstitute of Educationという教育分野の研究に関して英国で1位といわれる場所で、コンゴに関する講義とワークショップをした後、インパール作戦に関する映画を鑑賞し、その映画の監督兼主演の方に講義をしていただきました。翌日の6日目はいよいよメインであるGrand Challengeが始まりました。7日目はロンドンオリンピック会場の近くにあるUCL Eastを訪れ、AIの研究をされている日本人の方の講義、カメラなどの写真技術に関する講義の2講義を受けました。8日目は最も山場であるGrand ChallengeのSymposiumがあり、Symposiumの中の講義では現役のパラリンピック選手などテレビで見るような方々の話も聴くことができました。9日目はロンドン観光をしたあと、Final Ceremonyとしてみんなが一言ずつ感想を述べ修了証書を受け取りました。その後に行われたFinal Partyはイギリスから参加していた学生を含めてみんなが揃う最後の機会だったので、写真を撮ったり楽しく食事をしながらこのプログラムを締めくくりました。この10日間は毎日のように一日の終わりにReflectionの時間がありましたが、その日一日の振り返り、整理、明日への切り替えができてとても重要な時間でした。夜遅くに寮に帰ることがあるなどハードな日もありましたが、合計20以上の講義を受け本当に実の詰まった10日間を過ごすことができました。

私にとって一番印象的だったのは5日目のワークショップです。この講義はケンブリッジからロンドンのUCLに移って初日に行われたもので、イギリスの学生と日本の学生が半々の1グループ7~8人に分かれ、火山が噴火しエボラが流行しているコンゴの政策を4つの視点から英語で話し合い、決定し、発表するというものでした。このようなネイティブを交えての本格的な英語のディスカッションは初めてでした。一つの提案をかみ砕いて理解し、結論だけでなく理由も整理して反論を英語で考えていると他の人が言ってしまったり、遅れると次の提案が分からなくなってしまい、ついていくのが本当に大変でした。グループ内でイギリスの学生だけの意見のキャッチボールになってしまい頷くだけのこともありました。しかし、他の国の学生も交えてまったくルーツのない国の政治を状況などを考えながら様々な視点から話し合うことで、他の国の学生の斬新なアイディア、政治に対する知識や関心、何に重きを置くのかなど知ることができて面白かったです。今回のプログラムに参加した日本人の学生の中には、事前の知識が必要な質問を理系文系関係なくする人、英語に全く不自由のない人、ロボットの開発で世界に行っている人などがいて圧倒されてばかりでした。最初はなんてところに交じってしまったんだろうと思いましたが、参加したからには何か残したいと思い、専門的ではなく一般的なことでしたが質問をしたり、ディスカッションで発言したことは自分の成長につながったと思います。私はこの10日間で英語のスキルを伸ばすこともできましたが、世界的にも有名な大学の講義を受けて、講義を受ける前の準備の仕方、質問の仕方など、高校の授業とは違う姿勢を身に着けることができ、大学に進むにあたり良い準備ができました。一番の驚きは、私には将来平和な世界を作りたいという目標があり、それには紛争・戦争をなくす努力をすることだと当然のことのように結びつけていましたが、今回受けた講義の中に私と同じ平和という目標を持ちながら平和と災害を結びつけて考え、いかに災害の被害範囲を狭められるかという研究をされている方がいて、他の意見や方法を知り新しい発見ができたことで視野を広げることができました。また、もともと興味のあった分野の最新の講義を受けて興味を発展させることができ、将来自分が社会のために何ができるのかを考えることができました。

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