Cambridge生徒報告書 ケンブリッジ研修を振り返ってCambridge生徒報告書 ケンブリッジ研修を振り返ってCambridge生徒報告書 ケンブリッジ研修を振り返ってCambridge生徒報告書 ケンブリッジ研修を振り返って

今回のケンブリッジ研修を振り返って、たくさんのことを学ぶことができ一生忘れることがない程の良い経験をさせてもらいました。

まずケンブリッジ大学の印象として、言わずもがな世界最高峰の大学でもあり、様々な分野での教育を高いレベルで学べるというようなイメージがあります。もし、自分が行くことになったらどのようにして過ごしていけばよいのかと不安な部分が多く、最初の頃は参加することをためらっていたこともありました。

しかし、結果としてたくさんの素晴らしい経験と知識を得ることができ、自分が知らなかった新たな可能性や視野を広げることができました。

具体的にどのようなことを学んだのかというと、まず初日は簡単な大学の説明を受けました。そこでは、大学の歴史や、豊富な学部の種類、collegeの仕組みや、それによって生み出される多様性についてもたくさんのことをご教示いただきました。特に興味深かったことは、大学の考え方でした。大学には様々な国からの入学者がいて、宗教も文化も異なることは一見すると大変で難しいものだと思っていました。しかし、逆にそのほうが様々な考え方や意見が飛び交うため、とても素晴らしい空間が出来上がると仰っていました。最初にその話を聞いて、とても感激しました。他にも、物事を批判的に見る、critical thinkingなども大事にしていて、ただ勉強ができるのではなく、それぞれが色々な考えを持っていて、それらの意見をぶつけ合うと何かが生まれるのではないか、というような考えに終始驚いていました。

その後は、King’s College Chapelに行き、Evensongを見てきました。普段から立教の生活の一部となっている礼拝でありますが、今回見たものは全くの別物でした。まずはその会場に広さと、聖歌でした。聖歌では、巨大なオルガンとたくさんのchoirが歌うその空間は、体の内部から響いてくるような音と美しい歌声がそれぞれ調和し、とても素晴らしいものでした。立教でしか味わったことがなかったために、人生で初めて立教以外で礼拝を経験するということはとても良いものでした。

二日目は、詩についての講義がありました。英語での詩とはなんだろうと思っていましたが、聞いていると、その韻の踏み方やルールなどは、日本の俳句や短歌、川柳、百人一首などを彷彿させられるものでとても面白かったです。最終的には自分でも詩を作るということになり、多少難易度が高かったですがなんとか作り上げることができました。その後は、自分たちが宿泊するドミトリーの前にある庭の野菜や植物のお話をしていただきました。そこでは、緑がもたらす精神的な影響や大学の景観などとともに、たくさんの解説をしてもらいました。勉学や日々のストレスなどを自然豊かな大学の中にいることで軽減し、さらなる成長を促すその姿勢に、生徒のことを第一に思っているからこそできるその考えに一生徒として、とても学ぶべきものがあると感じました。昼食を取り、次の講義では午前中の詩と関係して、シェイクスピアのお話をしていただきました。私は、シェイクスピアと聞いて名前ぐらいしか聞いたことがなく、具体的な内容は全く知らないまま講義を受けました。しかし、聞いていくうちにだんだんと理解できるようになり、初めて詩というものに興味をいだきました。そして午後に開催されるシェイクスピアの劇の予習であることに授業後に気づいた私はとても嬉しく思いました。午後の劇では、なんと会場が外に設置されていて、ここで行われるのかと少し驚きつつも、劇が始まると今までのどの劇よりも素晴らしいものでした。特に驚いたのは、会場のセットが殆ど無いのにも関わらず、まるでその時代に入り込んだかのような圧巻な演技力、そして観衆を飽きさせることのない話の展開、構成、メンバーたちの劇に対する熱意や本気度が伝わり、終始感動でいっぱいでした。そしてなにより、演技している本人たちが、本当に演技が好きなんだなあと感じさせることのできるものでした。帰り際には、改めて彼らの凄さにとても満たされた思いで帰りました。

三日目は、改めて教会を見に行くということもあって、午前中は簡単なガイダンスを受けました。そこでは、教会の詳しい歴史やそこに携わった人たちの詳細なども聞いた上で改めて見に行きました。するとまず最初に驚いたのは、教会の素晴らしい作りと、その美しい色彩と光で反射するステンドグラスでした。内部の構造もとても興味深く、当時の技術でこれほどまでに大きく、複雑な彫刻を作ったという事実に感動が止まりませんでした。思い切って、現地のガイドにも、聞いてみたのですが、現代の技術をもってしても、なぜこれほどまでに大きな建造物を作ることができたのかはわからないと言っていて、建築の際もコンピューターや正確な計測器もない状態でどうして作ることができたのかは未知数であると言われました。それを聞き、自分も当時の技術者だったらどのようにして設計しようかと考えてしまいました。建物の形や、バランス、崩れないようなデザインや構造、クレーンもない状況での工事、考え出すときりがありません。それほどまでに当時の人達の技術が素晴らしいものなのだと改めて実感させられました。

夜はFormal dinnerということもあって、午前中に軽く学んだテーブルマナーを踏まえて望みました。まず最初に驚いたのは、建物の作りと内装です。まるでハリーポッターの世界に入り込んだかのような世界観に驚きました。出される料理もどれも興味深いものばかりで、普段食べないようなメニューに驚きつつもとても美味しい料理でした。

四日目は、午後にFitzwilliam Museumに行くということもあり、エジプト考古学のDr Duhing講義をしてもらいました。彼女はとても考古学を愛していて、講義を聞いていると本当に好きな人しかできないような人生だなと感じるものがありました。普段は絶対に聞くことがないような人からのお話でとても面白かったです。

博物館では、自身の感性を刺激するような素晴らしい展示物の数々に終始見とれてしまいました。特に驚いたのは、午前中に聞いたエジプト考古学のお話もあって、ミイラでした。どこか幽艶で美しいその姿に圧巻されました。当時の人達はどのような意図を持ってこの形にしたのか、なぜこんなにも鮮やかな色彩なのか、考え出すと妄想が止まりませんでした。それほどまでに興味深いものばかりで絵画や彫刻、見始めたら止まらないような数々の美術品に、いままでネット上でしか見たことのないようなものまで展示されていて、素晴らしかったです。

五日目は、先日博物館に行った際に見た展示物に対してのグループプレゼンテーションでした。私たちのグループは、彫刻について発表しました。どのグループも多角的な視点から展示物を見ていて、面白かったです。その後の講義では、今度は違うストーリーのシェイクスピアの話をしていただきました。Twelth Nightというもので、内容はとても複雑で難しく、理解するのにもとても苦労しました。

午後はクイズ大会を行いました。そして各グループごとに一人ずつ、ケンブリッジの学生さんたちが参加するという形で始まり、現地の学生との交流というのはその日が初めてでした。話してみると、とても話しやすく親しみやすい方たちでとても良い経験になりました。それが終わると今度は街に出て、あの有名なケム川でのPuntingを楽しみました。そこではケンブリッジの街並みをボートで周るというとても貴重な体験をしました。特に楽しかったことは、理系なら誰しもが見たがるだろう、かの有名な数学橋を見れたことです。最初に見たときは、まずその異様なまでの存在感です。どの橋も皆がよく見るような形をしているのですが、数学橋だけは違いました。それはまず唯一木製であるということです。そしてこれが数学橋と言われる所以の一つとしては、その美しくエレガントな構造とデザインです。なぜかというと、直線の木材だけで構成されているのにも関わらず、アーチ型の形状をしており、とても効率的なつくりをしています。直線だけで、カーブを作るということは、察しのいい人なら気づくであろう、接線です。
アーチ型の曲線に接線を引くことで出来上がるこの形は非常に木材の効率の良い使い方であり、石橋の建設にも応用されており、この素晴らしさはとどまることを知りません。

これ以上書いてしまうとこの報告書の本来の目的も見失うため、これまでにとどめます。
(更に興味があるなら)https://nazology.net/archives/62462

このように、理系の自分にとってとても貴重でたくさんの学ぶものが得られました。身近に存在する様々な数学もこのような機会で新たに発見することができ、とても感謝してもしきれません。

帰ってきたあとの夕食後は、college内で映画鑑賞をしました。何を見たかというと、あの有名な天才理論物理学者であり、車いすの学者とも呼ばれる、Stephen Hawkingの生涯についてでした。もともと、物理学が非常に好きな自分にとってとても興味がある話題でもあり、彼の歩んだ道のりや考え方、すべてが自分の人生に大きな影響を及ぼすほど面白い映画でした。

六日目は、午前中に写真のきれいな撮り方と健康に関する講義でした。どれも大学らしい講義で、高校ではまず受けることのない科目を新鮮な気持ちで受けることができました。午後はイギリスの伝統的な文化でもある、Afternoon teaに行ってきました。そこで食べたスコーンはとても美味しく、満腹になるまで食べてしまいました。

最終日では、午前中は自由時間ということもあって、たくさんの博物館を巡ってきました。Earth Sciences自然科学の博物館とArchaeology and Anthropology考古学と人類学の博物館に行ってきました。他にもたくさんの博物館があり時間が許す限りでは、これ以上を見に行くことができませんでした。またの機会に行きたいと思います。

そこでは、自然科学といったらと言われるほどの有名人である、Darwinの歴史や実験の詳細などたくさんの歴史的なものを見ることができました。他にも、天文学や地質学、恐竜はもちろんのこと、たくさんの化石や標本、骨や歯など数えだしたらきりがないほどのたくさんの展示物に巡り合うことができました。

考古学と人類学の博物館では、初めて聞く学問であるため、とても興味を示しつつも新鮮な気持ちで見てきました。そこにあるのは、たくさんの民族や部族の衣類や小物、古代ローマ時代の小物など、たくさんの歴史的価値のあるものの宝庫に興奮が抑えられませんでした。今までに見たことのなかった博物館で、とても良い経験でした。

ケンブリッジに来てから、毎日が新しい発見の毎日で生涯必ず忘れることがないほどの体験をさせてもらいました。特に自分の興味があることについて深く探求することができ、さらにたくさんの学びへの気持ちが高まり、自分とって最高の思い出になったと心から思いました。

企画してくださった先生方には大いに感謝をし、さらなる自信の成長に繋げたいと思います。
(高等部3年男子)









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