Wolverhampton Girls High Schoolでの5日間は、私にとって学んだ事や感じた事がたくさんあり、とても貴重な体験となりました。
 
最初はホームステイも一人で、初めての短期留学だったので不安でいっぱいでした。初日もちゃんと話せるかずっと心配していましたが、どの子もすごく気を遣ってくれて一つ一つ丁寧に説明しながら接してくれました。
 
私のステイ先の子は、すごく日本語を学びたいという気持ちがある子で、いつも「こういう時は日本語では何て言うの?」と聞いてきて、教えてあげるとすごく喜んでくれました。でも自分で英語を考えながら説明するのも、ちゃんとそれが伝わった時は私にも達成感があってすごく嬉しかったです。
 
留学期間が終わりに近づくに連れて、他の友達との接し方も分かってきてgirls’ talkで話している事も理解できるようになり、すごく楽しく過ごせました。
そして立教に帰る時には、立教生がステイさせてもらった子はもちろん、他の友達も見送りに来てくれて涙の別れとなりました。こんな短い間で、お互い言葉があやふやな中こんなに仲良くなれた友達が出来たのは私にとって初めてでした。
私は友達というのは言葉だけでコミュニケーションをとるのではなく、心で通じ合うものだなというのを感じました。
 
それでも英語がもっと分かればもっと楽しくなるだろう、自分で英語が話せるようにならなきゃいけないと、改めて考えさせられました。
 
3学期には向こうから立教の方に来てくれることになっているらしいので、その時はこの5日間よりもっと友情を深められるように英語を頑張りたいと思います。

 

(高等部2年生 女子)

                                                

「日本人だから、外国人だから、関係ないから。」

そう思っては何度もイギリスの街を通り過ぎていた私に、外国人の友達なんてゼロだった。

言語も違えば習慣だって違う。そんな事を言い訳にして、コミュニケーションの取り方の術を分かっていても引っ込んでしまう。そんな繰り返しの私に訪れたのはこの短期留学だった。

最初はあまりのる気ではなかった。もしも、その外国人に迷惑かけたらどうしようとか、気が合う相手じゃなかったらどうしようとか、そんな理由で。

しかし、決めたことなのだからと、私はいつもよりも少し重い足取りでバスに乗り込んだ。

 

私のパートナーはエマという。他の情報は一切なかったので、私は不安でいっぱいだったのだが、会ってみると優しそうな美人な方だった。お母さんも笑顔を絶やさない方で、私の不安は和らいでいった。

車の中で、色々と話をふってくれるエマに対して、なんとか自分の持っている単語と文法を使って話すが、あまりに緊張しすぎて流暢に話せない。

とうとう私は「ごめんなさい。緊張してるの」と言ってしまった。すると、何故かエマとエマのお母さんは笑い始めた。「そりゃあ、私たちも緊張してるわよ」とエマのお母さんに言われて、それもそうかと思った私はなんだか安心したような気持になって、そこからは普通に話すことができた。

 

エマの家族は4人家族で、全員音楽をしていたので、私はその演奏を聴いて毎日を過ごしていた。ピアノやベース、サックスフォーンやバイオリンの音が絶えないこの家はとても居心地がよかったし、勉強にもなる。エマのバイオリンのレッスンについて行ったりもして、私の耳は前よりも肥えていったのを今になって感じている。

そうした家族に囲まれて、さっそく学校の通学が始まる。私が受けた授業は主に3つ。バイオロジーとケミストリー、それにスペイン語だった。

バイオロジーとケミストリーは立教で英語で行っていたので理解できたのだが、スペイン語には多少の不安を抱えていた。

しかし、授業が始まってみると、スペイン語を英語で行い、それを日本語訳にする作業はなにか不思議な感覚がしたが面白いものだった。

このスペイン語の授業では「ベルナダ・アルバの家」というスペインの戯曲を訳していくもので、その話も面白いので、それを理解していくたびに面白さと嬉しさが広がっていった。

 

理解できる、その瞬間が奇跡のようだから、当然理解できないこともある。そういう時は気にしないでと言われるが、私にとっては大きな痛手となる。せっかくこうして出会えたのに、エマが伝えたいことを理解できないというのは、私にとって、何とも言えない消失感に襲われる。もっと英語を勉強しておけば、こうならなかったかもしれないと、留学中何度も思った。

他のクラスメートとも話したが、彼女たちの会話についていくのにも苦労した。途中から電子辞書を使って話したぐらいだ。その面では、エマに大変苦労させてしまったと、私は思っている。

 

そうして過ごした留学生活も、すぐに終わりをむかえてしまった。私は、感謝とお詫びを兼ねて、家族とエマにサンキューカードとお店で買ったものを渡した。すると、エマのお母さんが私にこう言った。「あなたと初めて会ったとき、あなたは緊張しているのと言ったわね。とても綺麗な英語を使うと思ったわ。あなたはとても英語を上手に話すわね」

その言葉は今になっても私の心の中で響いている。今の英語力の自信にも繋がっているし、これからの勉強も、もっとしなきゃと思わせてくれる。

今回の留学生活は色んな事を私に教えてくれた。それは、勉強面でも、精神面でもあるし、貴重な体験をし、異文化を知ることができたというのも確かだが、何よりも私に英国人の友人ができたということが一番大きかったと思う。

 

(高等部2年生 女子)

                                     

「先生!どーやってヒエログリフは解読されたんですか?」
 
古代エジプトの授業中になされた質問です。
この質問への答えが、高校一年生の大英博物館見学のテーマの一つでした。
「ロゼッタ・ストーンの発見が、ヒエログリフの解読につながった」というのは、もちろん教科書に載っています。
さらに、資料集には、カラー写真でロゼッタ・ストーンが載っています。
しかし、ここ立教英国学院は、本物のロゼッタ・ストーンまで、バスで2時間のところに位置しています。
「では、大英博物館へ本物を見に行きましょう!」
世界史教員として、この台詞をさらっと実現できる環境にあるというのは、とても素晴らしいことです。
 
 
6月17日、曇り空のなか高校一年生は大英博物館へミニアウティングに行って来ました。
約250年の歴史を持つ大英博物館は、収蔵品1200万点に及ぶ、いわずと知れたイギリス最大の博物館です。観光名所でもありますから、一度見学に行ったことがある立教生も何名かいました。
しかし、今回は世界史の授業の一環です。遊びに来たわけではないのです。
 
膨大な展示品から世界史を体感してもらうべく、授業に即した以下4つのテーマを設定しました。
 
テーマ1 どのようにしてヒエログリフは解読されたのか?
テーマ2 ミイラを観察しよう!
テーマ3 アッシリア王のライオン狩り壁画から王様を見つけ出そう!
テーマ4 エルギン・マーブルはどこにあったものか?
 
3人ずつのグループを作り 、それぞれ展示室へ向かいました。
テーマ1と3は、こちらから10分ほどの説明をしたのち、課題をこなしていくものです。
ロゼッタ・ストーン前に集合し、説明を受けた立教生は、二つの課題に取り組みました。
一つ目は、ロゼッタ・ストーンの中から5箇所、「あるもの」を探し、書き写すことです。二つ目は、膨大なエジプトの展示品のなかから同様に「あるもの」を4つ書き写すことです。このため、立教生は再びグループごとに分かれて行動を開始しました。
 
「あるもの」とは、カルトゥーシュと呼ばれる、エジプトの王の名を記す時に用いられる枠のことです。カルトゥーシュに書かれているヒエログリフは、すべて王様の名前です。そのため、ロゼッタ・ストーンのなかのカルトゥーシュが、ヒエログリフの解読の鍵になりました。
 
ロゼッタ・ストーンから5箇所のカルトゥーシュを見つけ出すのは、目を凝らして見ないとできません。
「他のお客さんの迷惑になっちゃう。」
と言いながら、しっかり最前列をキープし、ガラスにへばりついて展示品を観察していました。
さて、再びグループ行動を開始した立教生は、様々な展示品の中から目を凝らしてカルトゥーシュを探し回っていました。
ワークシートの補足資料から王の名を推察する生徒、より美しく書き写そうと真剣な顔つきの生徒、歩き回って疲れてしまった生徒、など予想以上に真剣に取り組んでいる姿を目撃することができました。
 
 
彼らの奮闘ぶりを、ぜひ写真とワークシートの記述から、感じてください。
「来学期、また大英博物館にいきたいです!」という感想がポロッと出てきました。
本物から学ぶことの面白さを、少しでも感じることができたのではないでしょうか。

 

 

世界史教科レポートワークシート.jpg

                                                  

私は美術の時間に自由に絵を描いていいと言われたので、東日本大震災に向けてのメッセージを絵に表しました。

2011311日、私は東京にいました。なぜなら、ここイギリスの学校(立教英国学院)に来るためにビザをとっていたからです。もともと私の地元は栃木県なので、その日は小学校を休んで東京に来ていました。そして午後2時頃に東日本大震災がおきました。私は父とあわてて逃げました。駅に入って大画面を見ていたら、宮城県気仙沼市の映像や岩手県の陸前高田市、釜石市、宮古市の津波の映像が出ていました。私の母の実家は大変な被害を受けた宮古市だったので、母は実家に電話をし続けました。そして10日後、やっと電話がつながりみんな無事に生きていると連絡が入りました。テレビには『死者○○○○人』のようなものが書いてあり、10分ごとくらいにその人数が増えていくので、大丈夫かなとずっと心配していました。その連絡が入った時には、すごくホッとしました。

数日後、私と父、母、妹の4人で実家を訪ねました。岩手県に入った瞬間、とてもビックリしました。高速道路も地震のせいで道路がボコボコしていて走りにくかったし、海側の道路に行こうとすると船が建物に突っ込んでいて道がふさがれていたりしました。そしてやっと実家にたどり着きました。みんな無事でしたが、家が浸水していました。実家にいる従兄弟達は毎日自衛隊の人たちが持って来てくれるおにぎりなどを食べたり、簡易風呂に入っていました。
こんな不自由な生活を毎日毎日続けていて、本当に大変だし、かわいそうだなと思いました。

そこで私は自分に出来ることがあるかと考え、ポスターを書きました。このメッセージが東北の皆さんに伝わるといいなと思っています。
早くこの日本がもとの明るい日本にもどることを私は強く願っています。

(中学部1年生 女子)

                                          

平均気温19度、朝夕にはセーターを羽織らなければ肌寒い。まるで、日差しの澄んだ高原の、隠された避暑の村である。
他学年全てが帰宅して行った南英の、ひっそりとした学校での1週間、夢のような補習授業である。
国公立大学、難関私立大志望生徒対象に昨夏より設けられた夏期補習、今夏は30名の生徒が受講した。
7時起床、朝食、礼拝、1コマ90分の授業2つ、昼食、授業2コマ、休息・シャワー、夕食、自習、12時就寝、1日約10時間の学習となる。
開講講座は、物理・化学・生物・理系記述、英作文・長文読解・語彙力補強、世界史・日本史、小論文・記述現代文・古文となっており、受講講座のない時間は各自自習室で課題に取り組み、夜中近くまで質問をかかえ教員室にやってくる。
インターネットが伝える暑い日本の夏も別世界、同学年の仲間たちとの切磋琢磨を、帰宅してから迎えねばならぬ、たったひとりの長い夏への助走、としていったのではないかと印象した。

                              

先日本校で行われた東日本大震災の為のチャリティーコンサートに来て下さったイギリス人の方々からメッセージが届きましたので、以下にご紹介致します。

Dear Headmaster
 
Please forgive my e-mailing this rather than sending a hand written note (which I know is correct), but I wanted this to get to the school before the end of term and I am not sure when you actually close for the holiday.
 
I just want to say thank you for inviting me to the concert yesterday and for letting me bring my friend.  We both thoroughly enjoyed the evening and it was a delight to see so many young people performing so well.  There is obviously a wealth of talent within the school, with some outstanding young musicians, but it was not only the talent on display that we enjoyed, it was seeing those not quite so talented being given the opportunity to perform on the stage and so clearly enjoying the experience.
 
Please pass our thanks and congratulations to Brenda Medelssohn, the other staff members who supported and encourage the students and finally to the students themselves.
 
Very sincerely

   *   *   *   *

Dear Headmaster
 
I just wished to place on record my admiration for and enjoyment of your End of Term Concert last night at the school. It was simply wonderful and I was along with others ‘spellbound’. The highlight was Yuriko’s performance of Mendelssohn’s Concerto in E minor OP.64 which as you noticed brought me and others in the audience to their feet and rightly so.
 
Every time I attend a Rikkyo event it is such a pleasure talking with the staff and students who are so friendly, happy and helpful. I am therefore naturally pleased to be associated with what evidently a happy and productive school.
 
I understand from one of the staff I spoke to on my way out that you have an event in early October? I look forward to receiving details of this and will of course be eager to attend if I am available.
 
Best wishes to all at Rikkyo and enjoy the summer break!
 
Yours sincerely

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