4月9日、地元ホーシャムの町で行われる東日本大震災の為のチャリティーイベントについて、地元紙 West Sussex County Times にその紹介記事が掲載されました。
この企画を運営しているのは地元に住む日本人有志の方々、これに立教英国学院の教員、家族も参加しています。
1週間後に迫ったイベントを前に、連日の打ち合わせが続いています。この新聞記事には間に合いませんでしたが、企画者の交渉の甲斐あって、日本の被災地で救助活動に参加した地元のレスキューチームの方々もこのイベントに参加してくれることになりました。この他にも折り紙ワークショップ、日本語を使った栞作り、箸を使ったゲームやヨーヨー釣りなど様々な企画が用意されています。立教関係者も茶道や剣道のデモンストレーションをしたり、着物(浴衣)の着付けコーナーを設けるなどして参加の予定です。
日本では震災後数週間が経ってもなお様々な苦労が続き、改めて今回の大惨事がもたらした影響の大きさを思い知らされます。ここイギリスでも沢山の人たちが支援活動をしています。それを通してイギリスの人々の暖かい心や援助が遠い日本までしっかり届くよう願っております。

 

 

 

 

東日本大震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

たくさんの方々が亡くなられ、予断を許さない状況が続いております。救援、明日の生活、復興、様々に不安な思いを持たれていることでしょう。外地におります私たちも、心がはり裂けるような思いで祖国のニュースを見てきました。

「いま私たちに何ができるだろう?」

英国政府や企業は救助活動や物資などの面から手を差し伸べてくれています。また海外在住の邦人たちによって、各国で募金活動が行われています。英国だけでも分かっているだけで20件以上の募金活動が実施され、同数以上がこれから予定されています。一人一人の英国人達は今、深い気持ちをもって援助して下さっています。私たちだからこそ出来ることを行い、少しでも力になりたいと考えています。

被災された方々、亡くなられた方々、非常に厳しい状況で毎日力を尽くして下さる原子力発電所の方々。私たちはこの出来事を決して忘れないでゆこうと思います。

祖国日本の一日も早い復興を心よりお祈りしております。

 


イギリス/本校における東北関東大震災に伴う様々な動きをお伝えするページはこちらです。

学期中は英国の緑豊かな環境の中で皆一緒に暮らしている生徒達。

休暇中はそれぞれの国に戻り、いろいろな体験をしています。

そんな立教生の世界各地での体験談やレポートをお届けします。

 

 

「南米の秋」

 

アルゼンチンに秋が来た。この間まで30℃を越える夏日だったのに。

我が家は衣替えでわたわたしてる。

南米というと「1年中夏なんじゃないの?」と思われることもあるが意外にもアルゼンチンは南緯が高すぎて逆に寒いのだ。南極に近いと考えてもらいたい。

 

そしてこの国は日本から1番遠い。

だから日本人にはなじみがない(人が多いと思う。)

アルゼンチンのイメージはせいぜい「サッカー」とか「タンゴ」とかそんなところだと思う。

私もここに住む前はそんなイメージだった。

それに飛行機から見たアルゼンチンは大草原(パンパ)が広がる「未開の地」

ほんとうに人が住んでるの?という感じだった。

しかし空港を出て市内に向かえば、超高層ビルの数々。

何も言わなければヨーロッパと思えるほどだ。

 

そんなアルゼンチンでみなさんに知ってもらいたいのは

「世界で3番目に大きい本屋さん」

写真でもわかると思いますが、もとは劇場だったところ。

3階席だったところにも本棚がずらりと並べられ本好きの私としては夢のような場所。

(ただ残念ながらスペイン語がほとんどできないのでたくさん並んでいても手にとってふむふむとはいかないが。)

 

と、アルゼンチンには日本人がなかなか知らないたくさんの顔があります。これからもそれをお伝えできればなと思います。

 

(高等部1年生 女子)

 

1983年12月に英国を離れて以来初めて戻ってきました。

懐かしい本館やHut、テニスコート、ガーデンハウス、South Downの眺めが、ほぼ30年ぶりに目に入ってきましたが、変わらない昔を思い起こさせてくれました。

棟近先生ご夫妻、急な連絡にもかかわらず、おいしい昼食とご案内をして頂きありがとうございました。

生徒数が少し減ったようですが、我が立教英国学院は永遠と信じます。

3月12日に行われた卒業終業礼拝で、冬期休暇中に全校生徒が書いた読書感想文の表彰がありました。

その中から金賞、銀賞の作品を3回に分けてご紹介致します。

第2回は銀賞、中学部2年男子生徒の作品です。

 

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告白

 

僕は、告白という本を読みました。理由は学校で少し読んだ時に、この本は、すごいなと思ったからです。

 なぜすごいと思ったのか? それは、小説の書き方です。

普通の小説は、主人公は1人だと思います。しかし、この小説は1つの事件に対しての語り手が先生、級友、犯人の家族、犯人とどんどん変わっていくので、主人公は4人もいます。

僕は、こういうアイディアを思いつき、主人公が4人いるのにうまくまとめているところがすごいと思いました。

 次に、この小説を読んで自分の考えが変わったところもあります。

 1つ目は、「数年前からひきこもり、ニートという言葉をよく耳にします。

私はこれに該当する者に、このような名称を与えてしまったことが問題ではないかと思っているのです。」これは、確かに!と思いました。

僕達は、どこかに所属していたり、肩書きがあることによって、安心感を得ています。どこにも所属していないということは、自分が社会の一員として存在していないのと同じことです。

大抵の人は、そのような立場になれば、不安と焦りを抱き、1日も早く自分の存在場所を確保しようと努力するのではないでしょうか。という事も、小説には書いてありました。

ここは、この小説で一番印象に残ったところです。

 つまり、今僕は中学生というものに所属しています。

しかし、中学生に所属せず(ありえませんが)家に引きこもって好きなことばかりしていると、社会の一員として存在しなくなり、不安や焦りが出てきます。

でも、ニートなどという言葉があると、

「僕はニートだぜ」

などと言ってニートという物に所属し、安心感を得て学校に行かなくなります。

 この本を読んだ後、周囲の景色が少し変わって見えました。

 

(中学部2年 男子生徒)

3月26日(土)、地元クランレーの町のロータリークラブ主催で、今回の大震災による被災者のための募金活動がありました。

立教の教員や家族、あわせて30名以上がこの活動に参加。

日本の被災地の様子を少しでも多くの方々に知って頂こうと、数日前からディスプレイパネルやチラシ、折り鶴の用意を始めました。

 

当日は暖かな春の陽気。

9時過ぎから大きなパネルを学校から運び出し、クランレーの2カ所に設置。

「Asking Your Support」と大きく書かれたパネルには、日本の被害の様子や、過酷な状況下でも助け合い、必死に生きようとする被災者の姿、救助や復旧作業に携わる人々の懸命な姿の写真が何枚も貼られていました。

募金活動はこの町の数カ所で朝10時から午後4時まで、ロータリークラブの方々が中心になって行われました。

立教関係者はチラシを配ったり、募金をして下さった方々に折り鶴を手渡したりしました。

近くの町に住む立教生も保護者の方と駆けつけ、参加してくれました。

折り紙で出来た小さな募金箱に笑顔で小銭を入れて下さる方、配られたチラシを熱心に読む方、ディスプレイパネルの写真を見ながら震災被害についていろいろ聞いて下さる方、日本についての思い出を語って下さる方…

いろいろな方々のご好意で、この日だけで約3,000ポンド(約400,000円)の義援金が集まりました。この義援金は、Japan Rotary Clubに送られる予定です。

 

 

今回は地元ロータリークラブの方々が中心になって進めて下さった募金活動でしたが、2週間後の4月9日(土)には、近くにあるホーシャムという町で、日本人有志が立ち上げたチャリティーイベントが開催される予定です。

本校からもティーセレモニーや剣道のディスプレイ、浴衣の着付けやヨーヨー釣りコーナーで、教員や家族、生徒が参加予定です。

当日駆けつけられる方は是非お越し下さい。

 

3月12日に行われた卒業終業礼拝で、冬期休暇中に全校生徒が書いた読書感想文の表彰がありました。

その中から金賞、銀賞の作品を3回に分けてご紹介致します。

第1回は金賞、高等部1年男子生徒の作品です。


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「おじいちゃん 戦争のことを教えて」を読んで

 

 今回の読書感想文の本は、先生方の推薦図書からではなく、祖父の推薦図書の中から選んでみた。

 タイトルは「おじいちゃん 戦争のことを教えて」だ。本を書いたのはアサヒビールの社長をした中条高徳というえらい人だ。

 題名から、戦争のことを書いた本だと思い少し気が重かった。戦争は僕にとって遠い話だ。

 日本が昔戦争をしたことを知っているし、今も世界のいろいろなところで戦争をしていることを知っている。でも戦争を身近に感じたことはない。学校でも詳しく学んでもいない。

 それでもこの本にチャレンジしてみようと思えたのは、「おじいちゃん」に「教えて」とお願いしているのが僕と同じ高校生だと知ったからだ。

 父親の転勤でアメリカの学校で学んでいる中条さんの孫娘が、歴史の授業で歴史上の出来事を経験した人にインタビューをして、その情報をクラスで共有するという宿題がきっかけでこの本ができた。

 本を読み進んで気がついたことは、中条さんは戦争のことを語りながら、常に「日本人としての心」について話していることだ。

 この本には生々しい戦争体験の話は出てこない。最初から最後まで、戦争を経験した日本人がこれからどう生きていくか、戦争から学んだことをよりよい日本を作るためにどんな風に生かしていくかということに結びつけて書いている。

 僕が感動したのは「社会のためにという公に身を捧げることが人間にとって最も尊い行為だ」という文章だ。

 これは聖書に出てくる「人がその友のために命を捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません」という聖句と同じ考えだと思う。まわりの人に感謝する、謙虚である、礼儀正しくする、尊重するといった考えは、日本の文化の中で受け継がれてきたけれど、それは世界の人に対しても共通するものだと思う。

 戦争に負けた日本は終戦後、西欧の文化を良いものとして取り入れてきた中で、日本人らしさを失ったとも言われる。中条さんの言う日本人らしさとは規範や礼節、道徳といったもので、それらは日本人を支える誇りになる、と書いてある。

 立教のオープンデイやジャパニーズイブニングで、イギリスの人々に日本文化を伝える機会があるけれど、この本を読んでみるとまだまだだなぁ、と思ってしまう。

 日本文化を通して、文化と共に僕たちが受け継ぐべき「日本人の心」を充分には伝えられていないような気分になる。

 人に伝えられるようになるにはまず、自分がきちんとそれを理解していなければならないと思う。

 だから僕は少しずつでもそんな人になることを目標にしてみようと思う。

 

 (高等部1年 男子生徒)

3月12日に行われた卒業終業礼拝。

小学部、中学部、高等部合わせて45名の生徒が卒業しました。

それぞれの学校の代表によるスピーチを3回に分けてご紹介します。第3回は高等部3年生。

高校3年生は全員日本に帰国するので、この日が文字通り後輩達との最後のお別れでした。

そしてその代表は、中学1年生の時から6年間を本校で過ごした女子生徒。

時々こみ上げてくる思いに涙をこらえながら、終始さわやかな笑顔で後輩達に熱いメッセージを残してくれました。

 

 

 

本日をもって私たち高3、31人は卒業します。

 

思い返せば中1の春。

6人でスタートしたこのクラスは男女比が5対1すなわち女子は私一人だけという特殊な環境からの始まりでした。クラスで女子1人の生活は他学年の女子との交流があったものの、精神的・体力的にクラスの男子によって鍛えられ、入ったときはごく普通の女の子だった私がいつしかたくましい女の子とまでに言われるようになってしまいました。

そんな生活が2年間続いた後、ようやく3年目で迎えた初めての同学女子の入学は新入生が入るたびに期待と落胆の連続だった私にとって立教史上ベスト3に入る程うれしかった出来事でした。鐘の音で目覚める朝、チャペルに響く聖歌、本館に響き渡るピアノの音。入学した当時はすべてが初めてで新鮮だった立教生活は、なにもかもが初体験で、怖かった先輩から立教の伝統としきたりを引き継ぐことで一生懸命でした。

高1になり新入生がたくさん入ってくると女子の人数は一気に7人に増え、それから高3までの間に男子15人、女子16人と男子の数を女子が追い越してしまうほどの人数になりました。

6年間という長いようであっという間だった学校生活。しかしそれは、楽しいことばかりではありませんでした。

高1で男女の仲が非常に悪かった私たちのクラスは、教室にいても男子と女子で会話をすることがあまりなく、いつも男女で分かれている状態でした。

 

そんな仲が非常に悪かった私たちに転機が訪れたのは2学期末の高3を送る会。

みんなで初めて合唱した「旅立ちの日に」と男子3人がサンタクロースの格好で登場した赤鼻のトナカイはびっくりするくらい息がぴったり合っていて、クラス全体が団結したと感じられた始めての瞬間でした。

そして3学期の体育でやったテニスコートでの雪合戦大会。みんなと本気でやりあった雪合戦は本当に楽しかった!寒い冬の雪の中でクラスに温かい新たな結束が根づいたようでした。

それからは男女の中も少しずつよくなっていき、個性あふれるメンバーがそろううちのクラスではホームルーム前などに奇声と笑い声が響き渡るちょっと危ないクラスとなっていきました。

しかし、それも常に平和だったというわけではありません。

高3の球技大会ではチームの色のことからクラスのパーカーのデザイン、チーム決めまでなかなか意見がまとまらず、何度も何度も話し合いを重ねました。しかし、ひとつだけ最初から全員一致で決まっていたのはクラス全員の名前が入ったパーカーを作るということ。

高1の頃からは想像できなかったようなことですが、高3が仕切る最後の行事ということもあり、みんなで楽しんでやっていきたいという気持ちがとても感じられた瞬間でした。ようやく、デザインもチームの色も決まり、意気揚々と始まるはずだった矢先におきたアイスランドの火山噴火。

まさかの飛行機で来る生徒が全員こられないという事態は本当にびっくりしました。大キャプテンだった私も日本で足止めになってしまい、本当に心配しました。それでも無事に球技大会ができたのは先に学校に来ていたみんなが一生懸命準備を進めてくれたおかげです。

短い練習時間の中でチームのTシャツを作り、人生で一番恥ずかしかったピンクスーパーマンやスーザンボイルの劇の練習と自分の球技の練習に明け暮れる毎日。

今までで一番充実している日々でした。

総合結果も300対300で同点という記録的な結果になった球技大会はお互いが全力を尽くした素晴しい結果で終えることができました。

 

個性あふれる私たちのクラスでは、常に足音を校内に響かせながら走り回っているKくんをはじめ、いっつもM&Mを持ち歩いていたMくん、初めての当直だった朝、張り切りすぎて朝6時に鐘を鳴らしてしまうという立教に新たな伝説を残したAさん、Sさんと、まだまだエピソードを言い出したら語りつくせません。

 

また、担任の先生たちも小川先生、三浦先生と山根先生、當山先生という生徒に負けないくらいこれまた個性あふれる先生方です。そんな私たちを学校は時には厳しく、時には温かく見守ってくださいました。こんな個性輝いていたクラスは他にありません。

これから社会に出てみんなそれぞれ違う道を歩んでいきますが、ここで家族のように一緒に生活していた日々を胸に、この立教英国学院で鍛えた忍耐力と笑顔とパワーを胸に頑張っていきたいと思っています。

 

私たちが今までやっていけたのは先生方、先輩、後輩みんなの協力があったおかげです。

本当にありがとうございました。

 

私たちは今日でこの学校を卒業するけれども、後輩のみんなはどんなときも笑顔を忘れず明るく楽しい立教生活を送っていってください。

特に高2は来学期から正式に立教の最上級生になります。受験生というプレッシャーもあり、これからの1年間本当に大変だけど、来年の今頃こうして笑顔でここを卒業できるように1日1日を大切に過ごしてください。

また、今まで授業や日常生活、進路や悩み事などをいつも親身になって考えてくれた先生、いつも学校のこと、迷惑かけてばっかりだったけど、やさしく見守り続けてくれた両親。みんなに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

本当にありがとうございました。

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