12月7日。第2学期終業礼拝を執り行いました。1年間で最も行事が多く、長かった2学期もついにこの日を迎え、また高校3年生にとっては門出の日となりました。
立教を支え、後輩たちを見守ってきた高校3年生は、3学期は受験のため立教に戻って来ません。3月には卒業終業礼拝がありますが、帰ってくることができない生徒もいるため、全員が揃う機会はこの日が最後となります。そのため、2学期終業礼拝では、高校3年生の担任の先生方から式辞が述べられます。長い間共に過ごした先生方から生徒たちへのメッセージです。
毎日の生活のほとんどを一緒に過ごした先生たちからの式辞は、笑いあり、涙ありでとても感動的なものでした。過去にあった出来事や先生方から見ていた生徒たちの様子、立教での生活を通して学んだことなど、先生方の思いの丈が語られ、生徒たちにとっても懐かしいエピソードが溢れていたことでしょう。また、先生自身が経験してきたことや今後の人生において大切な考え方など、たくさんの応援メッセージが生徒たちへ届いたことと思います。
先生方の話を聞きながら涙を流し、それでも前を向いて先生の顔を見ながら真剣に話を聞いている姿をみて、とても強い絆を感じました。
長い生徒は小学生から、短い生徒で高校2年生から入学してきており、立教での歴史は様々ですが、ここでの学生生活で出会った全ての人や出来事が彼らを成長させたことでしょう。卒業後もいつか元気な姿を見せに来てくれることを心から願っています。
無事に終業礼拝が終わり、補習をひかえている中学3年生以外は帰宅していきます。各学年が高校3年生との別れを惜しみながらも最後の挨拶をし、送り出していました。違う学年同士の関わりが多く、互いの絆が強い立教生にとって、高校3年生との別れはとても寂しいことですが、彼らにとってもまた大きな前進となることでしょう。
これを機に、各学年が来学期も成長した姿で帰ってくるのを楽しみにしています。

授業2日目の本日は、まずは午後のパントマイム鑑賞に備えて先生がその説明と練習をしてくれました。
「練習?」ポカンとしている子供達…
パントマイムのタイトルは「シンデレラ」、日本でもよく知られているお話です。
「皆さんは多分ミュージカルや演劇のようなものだと思っているかも知れませんが、『パントマイム』はそれとは別物ですよ!」
今日は昨日からの先生に加えて、地元の小学校の先生も特別参加、17名の小・中学生を前に意味ありげなほほ笑みを浮かべながら説明を続けます。
「パントマイムは役者さん達だけではなくて、君たち観客も参加するとってもExcitingなものなんですよ。」

You Tubeで流れる実際のパントマイムを見ながら、「さぁ、この人たちが出てきたら? そう、みんなで “Boo—–!!”。ハイ、この音楽が流れたら? 両手を上げて!そう、こうやって踊りましょう! ”Are we adorable?” と聞かれたら、大きな声で ”No-oooooooooooo!” ハイ、よく出来ました! それではもう一度、この人たちを見たら?…」
なんだか、楽しいような、面白いような、でもちょっと緊張もする… 複雑な気持ちでレッスンの前半は終了、そして後半は昨日の続き:研修の最後に地元の方々に披露するNativity playとクリスマスキャロルの練習で、あっという間の3時間レッスンでした。

お昼ごはんが終わると、昨日と同様センター長のピーターさんと一緒にケンブリッジの町まで30分ほど歩いてTheatreに到着。小さな間口のエントランスからは午前の部を見終えた地元の沢山の小学生達がニコニコしながら出てくるところでした。中に入るとまずはインターバルのアイスクリームを注文し、それから館内の座席に移動。丁度真ん中一列の特等席をピーターさんが予約してくれていました。周りは小学生の子供達ばかり。小さな子供達が大半なので、立教生はかなりお兄さん・お姉さんに見えるほどでした。
そこで待つこと約15分、場内の明かりがスーッと落ちてリズミカルな音楽が流れ出すと子供達の歓声があがります。ステージの上に次から次へと現れる役者の皆さんはみんな楽しそう。そしてその笑顔が見ている子供達にもどんどん広がって、”Boooooo!” “No-ooooooooo!”と朝のレッスンでならった通りの掛け声がライブでおこります。立教生もちょっと恥ずかしながらも両手を上げてリズムに合わせて踊ったり、歓声を上げてみたりと、少しずつライブ参加。 シンデレラの靴を探す段になると、会場の子供達にもその行方を聞く形で、王子様の召使いが今日来ている子供達の学校名を一校ずつ読み始め、その度にその学校の子供達が歓声で答えます。もしかしたら? と思った瞬間、”Kids from Rikkyo School ?” と声掛けをしてくれて、一瞬のためらいはあったものの、立教生も元気に答えられました。そうなるともう周りの子供達との不思議な一体感もこみ上げてきて、更に面白いパントマイム鑑賞になりました。ちゃんと学校名を伝えておいてくれたピーターさんにも大感謝です!

その興奮も冷めやらぬうちにクリスマスイルミネーションで縁取られたケンブリッジの町を再び30分歩いて宿舎に戻ると、校長先生が様子を伺いに学校から来てくれていました。
「調子はどうだい? 楽しんでいるかな?」
この日の夕食は嘉悦センターの隣にあるFitzwilliam Collegeでのフォーマルディナーで、校長先生も一緒に参加してくださいました。午後のExcitingな雰囲気とは打って変わって今度はピシッとした制服に着替えて大人の世界へ。
ディナーホールにつくと、早速ピーターさんが英語で説明をしてくれました。
「あの奥の一段高くなったところを見てごらん。あれがハイテーブル。普段はVIPしか食事をとれないところですが、今晩は僕が特別にお願いして君たちもあのテーブルで食事が出来るようにアレンジしました。今年はスウェーデンの王室の方々が訪れて君たちが座るあの同じ椅子に座って食事をしたんだよ。お行儀よくね。」
ナイフとフォークの食事はお手の物ですが、流石に最初は少し緊張の面持ち。でもテーブルの上に用意されていたクリスマスクラッカーでディナーが始まると、いつものように楽しくお話をしながらスープから始まった豪華なクリスマスディナーを心ゆくまで堪能するすことが出来ました。

今日でこの研修も丁度中日。クリスマスディナーのご褒美のお陰もあって、とても充実した第3日目もまた楽しく終わりました。

12月6日、今年も毎年恒例のキャロリングを行いました。この行事では、学校の近くにある高齢者向け居住施設、Elmbridge Villedgeに住む方々に、クリスマスソングや聖歌をプレゼントします。期末試験が終わり、ようやく落ち着いてきた生徒たちは、高校3年生の聖歌指導のメンバーを中心に、この日のために毎日練習を重ねて準備をし、観客の方々へ全9曲にわたる曲目を披露しました。年に一度しかないこのイベントは、Elmbridge Villedgeの方々もとても楽しみにして下さっています。
また、このイベントの成功を支えている高校3年生の聖歌指導のメンバーは、このイベントをもって引退となります。最後の大仕事のため、より一層意気込んで歌の指導をしてくれました。

聖歌指導は、本校の礼拝を支える重要な役職です。ソプラノ、アルト、テノール、バスを担当する4人からなり、高校2年生の3学期からキャロリングの日までが任期です。彼らは毎週日曜日の主日礼拝の後、その週に歌う新しい聖歌、少し難しい聖歌の練習の指導をします。指導のための練習も、時間を設けて自主的に重ねてきました。毎日の礼拝やキャロリングで歌う聖歌の素晴らしい仕上がりは、彼らのおかげです。

そして迎えた本番。今年は、『ダビデの村里』『Hark! The herald angel sing』『もろびとこぞりて』『みつかいの主なるおおきみ』『Jingle Bells』『すてきなホリディ』『あらののはてに』『赤鼻のトナカイ』『Twelve Days of Christmas』の9曲を披露しました。普段から礼拝でオルガニストをつとめている生徒たちによる軽やかな伴奏、低学年の可愛らしく力強い歌声、そして高学年の安定した美しい歌声。全校生徒それぞれの歌声により作り上げられた素晴らしいパフォーマンスとなりました。1曲終わるごとに拍手が起こり、また楽しげに口ずさむ観客の方々の様子も見受けられ、イベントは大成功に終わりました。

終了後、Elmbridge Villedgeの方々もクリスマスソングを歌って下さり、とても心地よい時間を過ごすことができました。現地の方々と接することができる貴重な機会で、このような素晴らしい交流をすることができ、多くの人たちが楽しい気持ちになれるキャロリングとなりました。また来年も同じ場所で幸せな時間を過ごせることを願っています。

今回のケンブリッジ研修には小中学生が参加しています。
子供たちが毎日の出来事を記録した「ジャーナル」の一部をご紹介します。

初日は歩いてケンブリッジの中心にあるGreat St. Mary’s churchに行きました。風が強くて冷たくて寒かったですが景色は古い街並みが見えてとても綺麗でした。その後はご飯を食べました。昼は餃子と焼きそばで、夜はカツカレーを食べました。とても美味しかったです。改めてここは立教じゃないんだと分かりました。今日はケンブリッジ大学の説明を受けました。つい最近まで女性は卒業証書をもらえていなかったこと、なぜ今も女性専用のカレッジが残っているのかについて教わりました。明日から英語の授業が始まるので頑張りたいです。 ( 中1 女子)

教会の屋上に行くまでの階段が怖かった。特に降りるときは心臓がバクバク!Sainsbury’sで買ったお菓子をアクティビティとアンパッキングの後に食べたときはすごく美味しかった。スクールショップでも出してほしいお菓子があった。夕食前にあったケンブリッジの説明では、ケンブリッジには31個のコレッジと2万人くらいの学生がいることを知った。31個の中では女性専用のコレッジが3つあるらしい。一番人気のコレッジはトリニティコレッジ!トリニティコレッジにはたくさんの有名出身者がいることを知った。 (小6 女子 )

ケンブリッジでの2日目が始まりました。初日にたくさん歩いたせいか、昨日はどの児童生徒もぐっすり寝られた様子です。眠い目をこすりながら、カレッジの学生も使う食堂に朝ごはんを食べに向かいます。朝ごはんはイギリスの伝統的な朝食、フル・イングリッシュ・ブレックファーストです。「Can I have two sausages ? 」と朝からしっかり英語を使って注文することができました。

今日からは本格的に英語の授業が始まります。まずはアイスブレイキングとして自己紹介をしました。名前・年齢・その他自分のことについて1つ英語で説明します。ケンブリッジ出身の有名な日本人と同じ名前のJ君には先生もびっくり。どよめきがまきおこりました。
その後はテーブルマナーの授業です。明日のフォーマルディナーに向けて、実際の食器を用いての講義です。立教より多い食器の数と種類、ルールについてみんな驚きを隠せません。しかし、立教でもテーブルマナーを教わっているので、基本的なことはしっかりと身についている様子。先生の質問にも積極的に答えていました。彼らが特に驚いたのはティースプーンとコーヒースプーンが異なることです。「立教には小さなスプーンは1つしかないよ!」「なんで違うの?」「洗うの大変そう…」と疑問や感想がたくさん飛び交っていました。
午前の最後はクリスマスの由来について学ぶ授業です。今回のケンブリッジ研修はクリスマスに特化した内容となっています。キリストの誕生からそれをとりまく人々の話まで、先生が映像を用いて説明してくれました。研修の最後にはNativity playといって、キリストの降誕の物語を語る劇を地元の方に披露します。劇とクリスマスキャロルの練習し、午前の授業は終了しました。

お昼ご飯を食べ、午後はケンブリッジの街に向かって、バスツアーに参加しました。ケンブリッジ大学所有の植物園や博物館、かの有名な数学橋、そしてTrinity CollegeやChurchill Collegeといった数々の有名カレッジを観て廻りました。学生を学業に専念させるため、娯楽の街ロンドンに気軽に行けないよう、ケンブリッジ駅が郊外にあること。女子学生は男子学生とは別の講義を受けさせられ、学位も与えられていなかったこと。ツアーを通じてまたひとつケンブリッジについて学ぶことができました。

夕ご飯はシェフの和子さんのご出身、北海道の郷土料理「ちゃんちゃん焼き」です。アルミホイルを開けるとたっぷりのお野菜に包まれた鮭と香ばしいお味噌の香りがして思わず顔がほころびます。お腹いっぱい食べて、1日の疲れが癒されたことでしょう。

夜はお待ちかね、Quiz Nightです。嘉悦センターに隣接したカレッジのチーム名に分かれての対抗戦です。クイズのテーマはクリスマス。午前中に学習した内容の問題も出題され、子供たちも自分の記憶を辿りながら、ああでもないこうでもないと話し合います。答え合わせの最中には、エクストラの問題も出され、優勝しようと次々に手が上がります。見事勝利したカレッジにはピーターさんからクリスマスプレゼントが贈られました。

興奮冷めやらぬうちに2日目も終了です。明日も予定がたくさん詰まっています。しっかりと休んで明日からも頑張りましょう。

お昼前にケンブリッジにつく頃には空はすっかり晴れ渡り、嘉悦センターの駐車場にコーチが到着するとセンター長のピーターさんと奥様の浩子さんがにこやかに子供達を迎えてくれました。荷物を部屋に入れた後、早速館内の案内をピーターさんがしてくれました。最新のセキュリティーシステムの話から隣接するマリーエドワードカレッジの食堂にある中国製の古い古いドラの話まで、丁寧に、そしてジョークも交えて話してくれました。小・中学生がどこまで理解出来たか?少々怪しいものの、みなフムフムと頷きながら聞いている姿はなかなか様になっていました。

朝ごはんが早かったこともあって館内ツアーが終わる頃には皆お腹ペコペコ。グランドフロアーからの階段を降り始めた時、誰かが「あっ!中華料理のいい匂い!」とつぶやくと、皆足早に食堂へ向かいました。そしてそこで発見したものは… シェフの和子さんお手製の焼きそばと焼き餃子!!
「今夜はカツカレーですよ!」この和子さんのことばに更に満面の笑顔を浮かべる子供達でした。

午後はケンブリッジの真ん中にそびえるGreat St. Mary’s Churchを訪問。以前はケンブリッジ大学の卒業式も行われていたという由緒ある教会です。
「ここがまさにケンブリッジの中心なんだよ。」歩きながらピーターさんが教会の説明をしてくれました。「ケンブリッジまであと◯◯マイル」という表示は、みんなここを基準にしているんだ。さぁ、これから教会のタワーに登るよ。ケンブリッジの町が360度見渡せる凄いところだ!」
そして本当に凄かったのは、そこからの風景だけではなく、そこまで続く長い長い螺旋階段!「えーっ、まだ続くのーっ?」「どうやってすれ違うんですかー???」小さな小学生達にも狭く感じる空間は段々と狭くなり… そして最後の最後で一挙に視界が開ける効果は絶妙でした。そこから見渡せた360度パノラマは、ピーターさんの言った通りの「凄い」風景でした。

初日から充実感一杯のケンブリッジ研修、その後は現地のスーパーでスナックの買い物をしました。各自カゴを手に手にお菓子やジュースを選び、最後はレジに並んで英語でお会計。アウティングやショッピングで既に何度も経験済みのせいか、ショッピングバッグの追加をお願いしたり、超過分の品物を返したりと、英語でなんとか対応できる度胸は頼もしい限りでした。

嘉悦センターに戻ると、夕食前に浩子さんがケンブリッジ大学についてお話をしてくれました。町全体が大きなキャンパスのようなケンブリッジ大学には31のカレッジがあること、他の大学とは違う様々なこと等、子供達への質問を上手く交えながら、とてもわかりやすく説明してくださいました。
「31のカレッジの中には、King’s CollegeとQueens’ Collegeがありますが、何か変だと思わない?」
「アポストロフィの位置が違う!」とS君。
「正解! じゃぁ、どうして位置が違うんだろう?」
「一人じゃないってこと?」と、今度はO君。
「その通り!」
中学一年生にしてはなかなかの出来でした。他にもTrinitiy College出身の有名人を当てたり、ケンブリッジ大学留学生の出身国の数を聞かれたりと、既に明日の「Quiz Night」の前哨戦のような楽しいひと時でした。

夕食後は充実した一日の出来事を「ジャーナル」に記録して初日は無事終了。
明日からの授業が楽しみです。

ロンドンで行われた英検2次試験の結果が先日学校に届きましたが、それと前後して本校を会場としてケンブリッジ英検が始まりました。
ケンブリッジ英検は世界的に認められている英語資格試験で、英検準2級相当のKET、2級相当のPET、そして準1級相当のFCEを本校で受験することができます。今回は更に上のレベルであるCAEの試験を受験する高校2年生もいました。

試験はSpeakingの面接試験とWriting / Listeningの筆記試験からなり、10月の中旬からまず面接試験が始まりました。授業を担当している英会話の先生方が直前まで一人一人と練習をしてくれました。普段の英会話の授業でもこのケンブリッジ英検を一つの目標にして授業を進めています。日本の英検とは出題傾向も異なるので、多角的なアプローチで英語習得を進められるのも本校の英語学習のメリットです。
この試験のエントリーは、英会話の先生方が普段の授業の取り組みや成果を見ながら行います。ただ希望をすれば受験出来る訳ではないので、普段からコツコツと準備し、その成果を客観的に判断してもらう機会をうまく利用していかなければなりません。近年合格率が高いのもそのようなきめの細かい指導のお陰かもしれません。

今回は合計で54名の生徒たちがケンブリッジ英検を受験しましたが、結果が届くのは生徒たちが帰宅した後のこと。そのお知らせが素敵なクリスマスプレゼントになることを願っています。image

立教英国学院の2学期も残りあと2週間。
11月25日(月)の午後、国際基督教大学(ICU)の毛利教授をお迎えして、高校生を対象としたモデル授業が行われました。

講義はヨーロッパがEuropean Union(EU)として拡大してきた歴史から始まり、NAFTA(北米自由貿易協定)やASEAN自由貿易地域との関係など、国際社会におけるEUの立ち位置について経済的な面と政治的な面からのお話がありました。また、EUとして同じユーロという通貨を使うことに対しての貿易上の利点や、「移民」に対するイギリス人の見方、考え方についても学ぶことができました。
Brexitについては、イギリスがEUに残る利点や欠点、EUを離脱した時に支払わなければいけないお金などについてもお話を伺い、色々と考えるきっかけを与えられました。
現在イギリスでは12月に総選挙を控えています。今後Brexitがどうなっていくのか、私たち一人一人が、興味関心をもってニュースを見ていくことができたらいいなと思います。

また講義の後半では、リベラルアーツの学びの重要性について考えました。毛利教授は、有名な彫刻家の言葉を引用し、リベラルアーツとは『大理石の中に閉じ込められた天使を掘り出してあげる作業である』とおっしゃっていました。そして、『スピニングガール』という映像(シルエット錯視)を見て、女の子が時計回りに回転しているように見えるか、反時計回りに回転しているように見えるかで普段の私たちの脳の使い方がわかるとのことでした。右脳、左脳の両方を使うこと、ものごとを多面的、多角的にみることでまだ知らない自分自身に出会い、自分の可能性を広げていくことができる。ICUのリベラルアーツとはそういった学びであり、入学時にはメジャーを決めずに学びをスタートし、自分の興味関心に応じて、様々な分野を学ぶことができる大学であるとの紹介がありました。

(写真上)
ICUと立教英国学院は2016年7月より教育連携を結んでいます。毎年卒業生がお世話になっていますが、今回のモデル授業でICUのリベラルアーツの学びに興味を持った生徒も多かったようです。

(写真下)
モデル授業終了後には、14番教室にて座談会を行いました。

イギリスでは10月半ばを過ぎると赤い造花を胸に挿している人を多く見かけます。街行く人はもちろん、テレビに出演する人もつけています。これはきたる11月11日の“Remembrance day”(戦没者追悼記念日)のためのものでした。

11月11日は第一次世界大戦の終戦日にあたります。この日に向けて、10月の中旬から数週間にわたり“Poppy Appeal”と呼ばれる大規模な募金活動が、駅前や銀行・スーパーなど多くの場所で実施され、寄付を行うと赤いポピーの花が描かれたアイテムをもらうことができます。この寄付金は、大戦によって亡くなった兵士の遺族や、戦争で傷を負った兵士などの支援にあてられます。立教でもオープンデイの日から募金活動が行われ、多くの児童生徒が募金を行い、制服の胸元や腕にポピーのアイテムを身につけていました。

日本でも終戦の報道を見ることはありますが、募金活動に参加することは稀です。こうして自らの意志で募金を行うことで、亡くなった人々に想いを馳せ、今ここに生かされていることをより実感できたのではないでしょうか。多くの犠牲の上に、私たちがいるということを忘れてはいけません。イギリスでも平和を考える大切な数週間となりました。

11月よりギルフォードにあるロイヤル・グラマー・スクール(RGS)と立教英国学院との合同演劇プロジェクトが始まりました。2月に両校で予定されている公演に向けて、RGSで日本語を学ぶ生徒たちと本校中学部3年生の生徒たちが、時間を共にしながら練習に励みます。

参加者全員で英語と日本語の双方を用いて場面を作り上げていく様子は、非常に印象深いものです。英語の発音や漢字の読み方といった基本的なことを教えあうだけでなく、考えたことを相手に分かるように伝え、コミュニケーションをとるという、大変よい言語活動になっています。皆で協力して演劇を作り上げて欲しいと考えています。

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