『真面目=損』から抜け出す

記念祭(聖学院の文化祭)前の一週間、図書委員の仕事は記念祭準備一色になります。

今年は、一人一人が取り組んだものをまとめて展示する、という内容なので、家に持ち帰ってじっくり取り組みたい生徒、「宿題が増えるようでいやだから」と、昼休みに図書館のなかで作業をする生徒に分かれて、それぞれのペースで取り組んでいます。

こういう作業を始めると、必ず出てくる問題が、『真面目に取り組む生徒と、そうでない生徒の間での不公平』です。部活でもありますよね、『絶対勝ちたい武闘派』と、『楽しければいいという、まったり派』の確執。委員会では、なおさらです。

でも、ここは教育の場。生徒主体で企画を考えていますが、武闘派もまったり派も、すべての生徒に仕事を与えます。そして、不公平感は自分たちで克服してもらいます。不平不満をぶつぶつ言いながらも、友達に怒りをぶつけることが苦手で自分でやってしまう生徒、自分の分をさっさと片付けて、晴れやかな顔で退散する生徒など、色々です。社会に出たら、好きな仕事に就いても、好きでない種類の作業も発生します。一つのチームに、一生懸命取り組む人と、そうでもない人がいるという状況は、めずらしくありません。

 

真面目にやって、褒められる。真面目にやって、達成感を味わう。真面目にやって、誰かに喜ばれる。不真面目にやって、ちょっと後ろめたい気持ちになる。不真面目にやって、先輩におこられる。不真面目にやって、友達に文句を言われる。

すべて、経験しながら、自分流を作っていく、教育の場です。

もちろん、私たちは、押し付けることなく、でも「真面目に取り組んでよかった」あるいは「もっと頑張ればよかった」と思わせるよう、声のかけ方、結果の見せ方を考えています。『真面目=損』だと考えている生徒がいるとすれば、一歩抜け出してほしいと、日々頭を悩ませています。真面目に、一生懸命に。

 

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