昨日、放課後に、中学1年生が理科実験を行っていました。
この実験は9月下旬の理科第2分野の授業で行った実験だそうですが、
当日欠席した生徒を対象に再実験という形で、本日の放課後に実施したものです。
当日の欠席者にしては人数が多いと思いましたが、
当日の欠席者は全クラス合わせて5名ほどで、他はみな「もう1回やりたい」という意欲的な生徒だということです。

実験のテーマは「シダ植物の観察」。
シダ植物の仲間である、イヌワラビとオニヤブソテツという種類を用いて、
「胞子のう群」「胞子のう」「胞子」を詳細に観察してスケッチし、
その構造をレポートにまとめていました。
さらに胞子のうが胞子を弾き飛ばす瞬間を何度も観察して、
そのしくみを考え、最終的には「シダ植物の繁殖戦略」に迫るというものだそうです。

理科の教員が例としてテレビモニターに映し出した顕微鏡映像も確認しながら、
一生懸命観察していました。

成城中学1年の理科実験は演示実験も含めると年間で15~20回程度行われるそうです。
回数は特別に多いわけではないかもしれませんが、
実験結果等をまとめて提出する「レポート」がかなり重視されています。
いくら真剣に実験を行っても、レポートがまとめられなければ評価されません。
授業で学習したことを参考にして観察し、考え、自宅に帰った後でさらに資料を探して調べ、最後に考察としてまとめます。
立派なレポートをまとめるためには、実験にかけた時間の何倍もの時間がかかりますが、
中学1年生とは思えないような鋭い考察をしてくる生徒もいるそうです。

ただ単に不思議で面白い実験を体感するだけの「体験学習」で終わらせることなく、
自然現象を科学的な視点で捉えなおし、また、考え、調べ、悩み、結論をまとめあげるという「学び」の基本が集約されているのが成城の「実験」といえます。

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