中学1年生の理科実験におじゃましました。この実験は11月上旬に理科第2分野の授業で行った実験です。

実験のテーマは「ニワトリの脳の解剖」!とは言っても生の脳ではなくて、ドッグフードとして販売されている「鶏頭水煮」を使用しています。
それでも外形はニワトリの頭そのままですから、鶏冠や頭皮や頭蓋骨を剥がしながら脳を露出させてゆく作業は、生々しいものがありました...。
小さな材料ですから扱いにくいのですが、ピンセットなどをうまく利用しながら丁寧に解剖し、眼球や視神経も確認しながら最後は脳全体を取り出していました。

外形を詳細に観察・スケッチし、鳥類の脳の特徴をまとめ、ヒトと鳥類の脳の形態的相違点と、行動等の相違点について関連付けて考察するというものでした。

さらに脳の裏面を交叉する視神経を確認して、目で受容された光の刺激がどのように大脳に伝達されて視覚を生じるのか、すなわち左右の眼球から得られた光情報からどのように視覚を生じるのかについて考察します。

どうやらこのレポートをまとめ上げるには、実験室での観察以外に、自宅に帰ってからの調査・学習が不可欠のようです。

成城中学1年の理科実験は演じ実験も含めると年間で15~20回程度行われるそうです。
回数は特別に多いわけではないかもしれませんが、
実験結果等をまとめて提出する「レポート」がかなり重視されています。
いくら真剣に実験を行っても、レポートがまとめられなければ評価されません。
授業で学習したことを参考にして観察し、考え、自宅に帰った後でさらに資料を探して調べ、最後に考察としてまとめます。
立派なレポートをまとめるためには、実験にかけた時間の何倍もの時間がかかりますが、
中学1年生とは思えないような鋭い考察をしてくる生徒もいるそうです。

ただ単に不思議で面白い実験を体感するだけの「体験学習」で終わらせることなく、
自然現象を科学的な視点で捉えなおし、また、考え、調べ、悩み、結論をまとめあげるという「学び」の基本が集約されているのが成城の「理科実験」といえます。

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