12月の期末考査が終わった週末、高校1・2年生希望者対象に、福島県浜通りの震災地での野外調査が1泊2日で実施されました。福島県の熊野町、双葉町、浪江町で震災の状況を見学したり、復興途中の現場を見学してきました。個人的なことになりますが、私は福島県浪江町で生まれで、母親の実家があることから、今回の調査見学に一部同行させてもらいました。避難指示が解除されてから、何度か浪江町を訪れていますが、行く度に少しずつ風景が変わっていって、復興が進んでいる様子がわかりました。
初日は東京から常磐道を経由して、浪江町にある「震災遺構 浪江町立請戸小学校」を見学しました。請戸小学校は、海から300mの位置にあり、地震後に津波の被害を受けたのですが、当時在校していた生徒・教職員全員が無事に避難することができました。その後、津波の被害などを後世に伝えるために、震災後の状態で学校を残しています。
2日目は、双葉町にある「東日本大震災・原子力災害伝承館」を見学したのちに、東京大学の開沼博先生によるワークショップに参加しました。話を聞くだけではなく、オンラインによるフォームで震災や原子力発電に関する問いに答え、さらに回答を共有することで見学したことの振り返りが行われました。最後に、防災すごろくを使って、実際に災害が起こる前に何をすべきかについて、学びを深めました。
<震災遺構 浪江町立請戸小学校にて>
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校舎の2階部分まで、水位があがりました。
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校舎内は、壁が剥がれ落ちて、ステンレスのサッシが曲がって変形するなど、津波の威力に驚きます。
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1階部分は、全て窓が流されてしまっています。
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この日は雪が舞っていて、かなり気温が下がりました。生徒は東京との気温差に驚いていました。
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寒さを想定しておらず、薄着で来てしまった生徒は、かなり寒そうでした。
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体育館は、床が落ちていて、床下の支柱がむき出しになっていました。
<東日本大震災・原子力災害伝承館でのワークショップ>
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津波によって被害を受けた地区は、再び津波が来る可能性があり、居住地には利用できません。その地に、伝承館という形で情報発信を行っています。
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ホワイトボードに表示されたQRコードをスマホで読み取って、質問に回答しています。
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震災や原子力発電に関する問題に回答して、見学してきたことの理解を深めていきます。
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回答したデータを全員で共有しながら、どのような点を勘違いしているかなどを意識していきます。
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ワークショップの最後は、防災すごろくで災害時の対応について考えました。
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20分程度の短い時間でしたが、楽しみながら、真剣に防災について学びました。
東京から200km以上離れた地にやってきて、決して楽しいことではないことを学びに来てくれた生徒たちに敬意を表します。自分たちの意思で、学ぼうとする姿勢は立派であり、きっと何らかの形で心に残り続けることと思います。ここから、何か課題を見つけて、チャレンジして言ってくれることを願っています。