ごきげんよう。

2016年度に卒業した長竹さん(お茶の水女子大学進学)とコーテスさん(学習院女子大学進学)に、瀧野川女子学園で過ごした学生生活について振り返っていただきました。対談の進行を務めるのは、英語科の芝辻先生です。


左から:芝辻先生、コーテスさん、長竹さん

 

◯自己紹介からお願いします。

コーテスさん:学習院女子大学4年のコーテス美世シャネルです。高校3年間、芝辻先生のクラスでした。

長竹さん:お茶の水女子大学4年の長竹璃乃です。芝辻先生には中学2年の米国ホームステイプログラムからお世話になり、中学3年から英語の授業でお世話になっています。

 

◯瀧野川女子学園を受験したきっかけは?

長竹さん:最初は母の薦めで、すごく対応の良い先生がいるから、ここが良いんじゃないかって。母が興味を持っていたのは国際教育の部分で、私も在学中、2回ホームステイを経験しました。

芝辻先生:入学後はどうでしたか?中学から女子校、そして私立に入ったことで、周りの子と生活が違かったりしましたか。

長竹さん:女の子だけの空間にいたことがあまりなかったので、最初はとても不安でした。でも入ってみて、自分の成長も含めていろんな経験をさせてもらえて、すごく温かく見守ってもらっていたというのはあると思います。

芝辻先生:本当にいろんな面で成長して、立派になって卒業してくれましたね。コーテスさんはどうでしょう。入学のきっかけは?

コーテスさん:最初は単純な理由で、泳げないのでプールのない学校を調べていたんです。女子校にも興味があったので、その中から女子校をピックアップしていって。あと母がもともと瀧野川女子学園を知っていて、「私の頃にも瀧野川女子学園あったよ。」というのを聞いていました。合同説明会で瀧野川女子学園のブースに行った時に、制服やノベルティーでもらった手鏡が可愛くて、女子校らしさ、“可愛い”という印象を持ちました。あと、創造性教育が私たちの代からできたので、その時から高校、大学と進んだ先にいろんな職業が選べるということ、当時の募集ポスターに保育園の先生になった人や声優になった人など、いろんな職業に就いているOGが紹介されていて、いろんな職に就けることに魅力を感じました。

芝辻先生:コーテスさんとは実は中学3年からの付き合いなんですよね。受験生向けの相談会で私が担当して、何度も一人で相談会に参加して、願書の書き方とかも相談に来ていたよね。担当した生徒が3年間自分のクラスで、しかも委員長をやってくれて、さらに今は私の母校でもある大学に通っていて。こんなに縁がある人もいるんだなって思ってびっくりしています。

 

◯学生生活で一番楽しかったことは?

長竹さん:中学2年の時のホームステイです。

芝辻先生:中2と高1の2回ホームステイに参加していて、2回とも一緒に行きましたよね。なんで中2の方が楽しかったんですか?

長竹さん:刺激が大きかったっていうのが一番です。英語だけの環境に行ったことがなかったので、英語がこんなに使えるものなんだ。とか、話せたらこんなにいろんなことができるんだっていうのを、すごく知れた。体感したっていうのがあります。

芝辻先生:中2でアメリカに2週間ホームステイするっていうのは、不安じゃなかったですか?

長竹さん:泣いていましたね(笑)親から離れることがまず私にとっては大事件で。海外も幼稚園生の時に行ったくらいで、記憶のある段階では行ったことがなくて。知らないところに連れて行かれるっていう。まだ先生のこともよく知らなくて。

芝辻先生:そうですね。私は高校の先生だったから、あまり接点がなかったんですよね。

長竹さん:なので、すごく知っている先生もいなくて。家庭に行ったら誰もいないじゃないですか。もう恐怖だらけで。

芝辻先生:実際行ってみてどうでしたか?中2だと英語も1年ちょっとしか勉強していないですが。英語を使う環境はどうでしたか?

長竹さん:発音は正直良くなったかは自分ではよく分からなくて、ほんとに楽しかったのは、言葉が分からなくても、いろんなことを2週間体験できて。英語のシャワーを浴びている状態だと思うので、少しずつ言っていることがなんとなく分かるようになってきて。もっといたいって思った頃に帰らないといけないっていう。

芝辻先生:帰るときも泣いていたよね。

長竹さん:ずっと泣いてるんですよ(笑)

芝辻先生:ホストファミリーがすごく良い方でね。高校1年生でもう一度行こうって思ったのはなぜですか?

長竹さん:もう一度行こうとは思っていて。中3から英語が難しいと思い始めて、けど中2の時にアメリカに行って、楽しく帰ってきて、もっと頑張ろうって思えたっていうことは、もう一回行けばまたそうなるかなっていう期待を込めつつ。

芝辻先生:英語力はどうでしたか?

長竹さん:実際に英会話の先生にも、ホストファミリーの話を英語で伝えることができていたので、英語力は上がっていました。

芝辻先生:私も長竹さんといえば、“一緒にホームステイに行った”ってことかな。コーテスさんは高校3年間で一番の思い出は何ですか?

コーテスさん:放課後がすごく好きで。終礼が終わった後に走って食堂に行って唐揚げを買って食べたりとか。ご飯がすごく美味しかったので、食堂でもランチを買って、家からもお弁当を持ってきて、2食食べてましたね(笑)イベントごとも、女の子だけなので容赦なくて。バレーボールをやった時も、ライン上かアウトかでみんなで熱く戦ったのがすごく記憶に残ってます。

芝辻先生:コーテスさんのいた4組はみんなパワフルでしたね。

コーテスさん:活気があったので私にすごく合っていました。一つ一つの行事にみんな一生懸命だったのが印象深いです。大縄跳びとか、合唱コンクールとか。

芝辻先生:大縄跳びは最後高校3年の時だけ優勝を逃してV2だったんだよね。合唱コンクールで一番思い出に残っているのは?

コーテスさん:3年の時です。「空翔ける天馬」を歌ったんですけど、同じクラスの子のお姉さんが、高校3年で芝辻先生のクラスだった時に優勝した曲が「空翔ける天馬」だったって聞いたので、私たちもそれを歌うなら優勝したいって気持ちで練習していたので、優勝した時もすごく嬉しかったですし、曲自体がすごく難しくて伴奏の子も大変そうでしたし、歌うのも大変でしたけど、最終的には優勝できて。

芝辻先生:最優秀取れてね。特進コースの伝統を作りたいって言って、頑張ってたんだよね。高校楽しかったですよね。

コーテスさん:「これが!」っていうのではないんですけど、3年間通して楽しかったです。

 

クラブ活動はどうでしたか?

コーテスさん:私はギタークラブに入っていて、そのクラブを担当していたのがネイティブの先生で、すごく仲が良くて。私も英語ができるってわけじゃなかったんですけど、先生の言っていることがなんとなく分かる感じで、自分にないボキャブラリーは調べて使ってみて、通じた時の喜びがあって。勉強しながらギターも学べて、コミュニケーションもとれるので、すごい楽しかったです。

芝辻先生:イギリス人の先生で、CDも出しているプロのミュージシャンでもあって。ギターミュージック部では全部英語ですか?

コーテスさん:英語です。私がクラブができた最初の代で、教えてくれる人もいなかったので、youtubeで聞いた曲をコードにおこしてみようか。とか話していました。先生は簡単な英語に置き換えて話してくれるので、コミュニケーションには困らなかったです。

芝辻先生:その時にはもうiPadを使ってクラブ活動していたんですか?

コーテスさん:iPadは高校1年生の時にはまだ導入されていなくて、電子黒板がありました。先生がパソコンでyoutubeを調べてくれたものがモニターに映し出されて、それを見ながら話したりしていました。

芝辻先生:英語力はギターミュージック部で鍛えられたんですね。

コーテスさん:それと、あかつき祭の時に発表があって、最初は演奏だけだったんですけど、他のネイティブの先生や有志で集まってくれた人が歌ってくれて、それに向けて練習したりする中で英語やコミュニケーション能力は上がりました。自分の知っている単語を並べるだけでも伝わりますし、表情やボディランゲージも使って伝えていました。

芝辻先生:長竹さんはクラブは何に入っていましたか?

長竹さん:中1から6年間箏曲部です。

芝辻先生:箏曲部ではどんな活動をしていたんですか?お琴の先生が来てくれて教わったり?

長竹さん:そうですね。最初は「さくら」を弾いたんですけど…他の曲は忘れちゃいました。

芝辻先生:どうして箏曲部に入ろうと思ったんですか?

長竹さん:中1の時、同じ学年の先生が箏曲部の顧問をしていて、「見学においでよ」って誘われて、行ってみたら知っている先輩もいて、楽しかったので入部を決めました。

芝辻先生:お琴のどういうところに惹かれたんですか?

長竹さん:礼法茶道華道をこの学校で学ぶので、それだったらもうちょっと女の子らしくなろうっていうのもあって、和の楽器で良いなって思ったので。

 

礼法・茶道・華道を必修で学んで、活かされていることはありますか?

長竹さん:礼法の先生が、背筋を伸ばすこととか、表情に気をつけなさいとか、相手に対する印象みたいな部分をすごく言っていて。私の場合、中高と丸2年教わっているので、そこで対人的な部分はすごく鍛えられたと思います。

芝辻先生:茶道や華道はどうでしょう?どんなことを習いますか?

長竹さん:茶道は一人で点てられるようになるまでのところはやりました。高3の時はできるようになっていました。あと茶道や華道に興味を持っている方と話をするときに、自分もやったことがあるっていうのは、話題にできるので、女子教育ならではだなって思います。

芝辻先生:中高6年間しっかり学ぶ機会があるっていうのは、なかなかないですもんね。コーテスさんはどうですか?

コーテスさん:大学でマナーの授業があって、上座や下座、箸の持ち方とか、教科書の内容はほとんど礼法と被っていて。礼法って基本は立ち方や座り方だったりするんですけど、そこがベースとなってマナーとかが組み立てられているので、大学入ってからの勉強で通じる点があったことが印象的でした。

 

◯瀧野川女子学園で成長したことは?

長竹さん:自分で選ぶことができるようになりました。先程の、“部活を決めた”とか、“学校を決めた”とか、自分で決めてないんですよ。“誘われたから行こう!”って特に理由もなく決めていたんですけど、大学選ぶときも就職先を決めることとかも、自分でちゃんと考えて、“こんなことがしたいから”っていうのを、自分の中で言語化した上で、“これが理由で私はこれをやるんだ。”って考えられるようになったっていうのが、一番大きい変化です。

芝辻先生:瀧野川女子学園のどういう教育を受けたから、そうなったと思いますか?

長竹さん:いろんなところで自分の意見を求められることがすごく多くあったかなって思います。発表するとかもそうですし。

芝辻先生:中3の時の卒業発表で代表に選ばれましたよね。Apple銀座の会場を借りてやりましたけど、どんな内容でしたっけ?

長竹さん:女性の研究者が少ないっていう切り口から、女性のノーベル賞受賞者を調べて、そこから女性が自分の望んでいる選択肢、進路も含めて選べていないとか、現状でも女性がキャリアを積むことにやっぱり偏見があるっていうことを言いました。

芝辻先生:ちなみに噂によると、伝説の“英語で始まるスピーチ”をやったらしいですけど、なんで英語でスピーチを始めたんですか?

長竹さん:あの時はスティーブ・ジョブスさんがちょうど人気があったときで、どうやってスピーチをしたら良いかみたいなことが結構強く語られていて、人の心を掴むために、「他の人と同じ“問題関心はこれです”ではなくて、何か違うことをやりなさい」って先生に言われて、考えた結果、英語になりました(笑)

芝辻先生:日本語での発表でも緊張するのに、英語で緊張しなかった?

長竹さん:普段から発表が多かったので、慣れたんだと思います。

芝辻先生:みんなの前で発表することがすごく多いですよね。瀧野川女子学園でのスピーチだったりプレゼンテーションを経験して、大学生活で役立っていることはありますか?

長竹さん:あまり原稿を持たないで前に出てもなんとかなるっていうのはあります。

芝辻先生:原稿を持たないで話すって大変じゃないですか?

長竹さん:スライドがあれば、このスライドではこれを話したいってことがあれば、しゃべれるとか。あとは、ゼミだとレジュメを作ることが多いんですけど、レジュメを一回作ってしまえば、あとは自分で掻い摘んで言うっていうのを、練習をしたりとか原稿を作ったりっていうのは必要なく、発表に関しては困ってないなっていうのは思います。

芝辻先生:そこまでの力を付けるのって結構大変だと思うんだけど、中1で初めてプレゼンテーションをした時と比べて、何か気づいたこととかってありますか?急に良くなることはなくって、回数を重ねても、自分で反省しなかったり、同じことを繰り返すだけの人もいると思うんだけど。自分の中で成長していくために学んだこととかありますか?

長竹さん:一つは、あまり不安になりすぎなくても大丈夫っていうはあります。すごく緊張はしますし、けど“なんとかなる。”みたいな。私にとっては不安がすごく強かったので、そこは大きな変化だなっていうのと、あとは自分が話している中で、例えば「口癖がこういうのあるよ」とか、「ふとしたときに目線が落ちてるよ」とか。たくさん指摘をいただいたので、少しずつ「こういうところ良くなってるんだな」って確認しながらできたのかなぁと思います。

芝辻先生:私は今だに人前で話すときはすごく緊張するので羨ましいです。

 

前半はここまで!
後半では特別講習や先生との関わりについて、瀧野川女子学園を卒業してからのことなどについて紹介します。
coming soon…

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