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瀧野川女子学園、中高一貫コース3年生では伊勢神宮に参ります。

今年は5月に行きました。
自然との共生は、人類最大のテーマです。
古来、私たち日本人は、里山に代表されるように、自然を利用しながら守り、共に生きていくことを大切にしてきました。そうした、日本人が大切にしてきた原感覚を強く感じ取ることができる場所の一つが伊勢神宮です。
私たちが大切にしてきた、自然を敬い、共に生きる感覚の源がそこにはあります。
20年に一度の式年遷宮で全てを作り直すことによって、ものづくりの担い手や技術が途絶えないようにしていたなど、この地には、私たちの文化の根底に流れる精神が脈々と受け継がれているのです。
この伊勢歴史旅行で遙かな時を越えて受け継がれ、現代の私たちへとつながる精神を感じ取りましょう。

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伊勢神宮
三重県伊勢市に鎮座まします日本最大の神社。
正式名称は神宮。
本殿は板垣で四重に囲われ、御神体そのものは参拝者から隠されています。

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説明や解釈を拒む場であり、批評を入れ込む隙間がない空間が作られています。

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神域は、見せるための場ではなく、むしろ隠すことにより、そこに現在とは隔絶された空間が生じ、社は、感謝の祈りの場としてふさわしくなります。

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結界
しめ縄によって区切られた空間は、空間ばかりではなく時間も区切ります。
そこには通常とは違う時間の流れが存在します。

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橋は、端と端を結ぶ異なった間を繋ぐ装置でもあります。

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此方と彼方、対立する二項を繋げ結ぶ装置。もしくは、此方から彼方へ進みいるための路。

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神を祀り、人の世の安寧を祝う、日常の流れを一度断ち切り、人工的作られた時空間。

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日常とは異なる言葉を用い、着物を着ます。
音楽もしくは静寂の闇により、異常で聖なる空間を現出させ、
原初の状態を再現し、共同体を活性化します。

祭りのなかで使われる、寿ぐための言葉や音楽、食べ物は、いにしえ、神と人が一体になるためでもありました。

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祭というものは俗から聖へ、ここからむこうへ。日常から非日常へと移ろうものでもあり、
その終わりとと共に人々は、再び活性化された日常に、喜びと重要さを感じます。

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参道
玉砂利が敷かれた道は玉砂利を踏んで歩むにつれ、自らの魂が浄められてゆく仕組みです。

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聖別された結界内における道は神の通るべき道であり、
従って人はその中心を歩まず、端を通ることになります。

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うつろひ
境内は、空間に満たされます。

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空間。空いた間によって構成され、支えられ、神は常世から現世へ。
人は現世から聖別されし原初の空間へ移ろいます。

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手水舎
水の豊富な国では、水によって身体を浄めます。
不足する土地では、香によって浄めますが、日本は水が豊富ですから、水で浄める。
神前に出る場合、参拝の者は手水舎で手と口を浄めることになります。

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式年遷宮

大社の中には年を定めて、神殿を隣地に移す習わしを保っているところが少なくありません。
その年数は社により異なるが、伊勢神宮は二十年です。
原初に戻すことをさしますが、しかし本当に戻しているわけではありません。
造営の技術や知識を伝えるとともに、それらは造り替えのなかで、原初とは何か、この場の本来性はどのような姿なのかを模索する行為でもあります。

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神事を行うに当たり、神職は精進潔斎をして身を清めます。
禊場である川に入り、行く川の流れによって淀んだものが澄んでゆきます。

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榊は神事に際し、神前に捧げる玉串に用いられます。
一年中葉をつけ、枯れ木にならない常緑樹。

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古くより神事に用いられる。木偏に神と書く国字。
サカキはまた境木であり、聖俗の境に立てます。
神宮では同じく境を示す鳥居の柱にくくりつけます。

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鳥居
これより先が神域であることを示すとともに、神域に入るための門。
参拝者は鳥居をくぐった先の空気がすがすがしいことと、参拝をすませたあと、鳥居をくぐり出た先の空気の静かな喧騒を感じることでしょう。

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