
明誠高校のある山梨県は、1959(昭和34)年の台風で甚大な被害を受けましたが、翌年の1960年1月に米国アイオワ州より災害見舞として、豚35頭、飼料用トウモロコシ1500トンが贈られました。これがきっかけとなって、1960年3月(アイオワ州は1961年)、両県州での姉妹締結となりました。1962年、山梨県は災害見舞への返礼として「平和と友情の鐘」を贈りました。今年は姉妹締結50周年。山梨県では山梨県国際交流協会の「山梨・アイオワ青少年育成事業(リンク先はPDFファイル)」として青少年訪問団を組織して、この夏、アイオワを訪れました。訪問団は山梨県内の高校から応募があった生徒の中から30名が選抜されました。本校から応募した1年生の小倉美紘さんが見事選抜され、山梨県の高校生代表の1人としてアイオワで式典に参加、ホームステイをして市民レベルの交流を体験しました。今日は小倉さんにその時の様子を聞きました。

—まず、参加したいきさつについて教えてください。
「話を聞いた時にお母さんが参加を勧めてくれたんです。それで…です。30名選ばれるということだったんですが、甲府まで面接を受けに行きました。後で聞いた話なんですが、15名通らなかったらしいです。一緒に受けた人が通っていなくてとてもシビアだったって言ってた人がいましたね。私は通ってよかったです。でも、行ってみたら私だけ東京に住んでて、ホントにアウェーって感じでした。みんな甲府にできたイオンモールの話してたんですが、私だけ話に入って行けなくて(笑)。最初は友達もいないし、やだなぁ…なんて思ってたんですが、行ったら楽しくて楽しい思い出しかありません(笑)。」

—語学研修とかホームステイが目的じゃなかったんですよね。どんなことをするためにアイオワに行ったんですか。
「山梨とアメリカのアイオワ州が姉妹県州で、今年が50周年になるんで。「平和と友情の鐘」っていうのが修復されてその序幕式に参列しました。それから「山梨・アイオワ姉妹県州締結50周年記念式典」と「アイオワステートフェア」っていうのを見学しました。」


—それでは、いろいろ教えてください。
「(日程表を見ながら)8月11日に上野原インターでバスに乗りました。バスの中でいろいろな説明を聞いて夕方成田に着いたんですが、飛行機が雷とかのために1時間遅れて出発しました。午後6時ころ出発して、シカゴで飛行機の乗り換えだったんですが、遅れてたから時間がなくてみんなで走りました(笑)。それでアイオワの州都デモインに到着したんですが、着いたのが出発した日の午後3時半頃。出発した時より早い時間に着いちゃいました(笑)。もちろん、時差の関係でてすが(笑)。」

—で、その日からホームステイだったんですね。
「空港でホストファミリーになる人がMihiroって書いてあるカード持ってて、すぐにわかりました。1家族に2人でステイしたんですけど、私は富士河口湖高校の子と一緒でした。ホストファミリーはお父さんと韓国人のお母さんと17歳のアリソン(姉)と16歳のアンソニー(弟)の4人家族。アリソンが私たちのめんどうをいろいろ見てくれました。まぁ、私たちは昼は山梨の人たちと一緒に行動してましたから、お世話になってたのは朝と夜だけだったんですけど。」


—(日程表を見て)12日は平和と友情の鐘修復除幕式に参列したんですね。
「そうです。アイオワと山梨の友情の証の鐘なんですね。これがもう50年も経って古くなったから修復されたんです(編集部注:アイオワ州の人たちの寄付で修復されたんだそうです。鐘を突いて東日本大震災の被災者の追悼も行いました)。それから州議会の議事堂を見学しました。ショッピングモールにも行ったんですが、そこで私たちとは別に来ていた山梨の高校生が吹奏楽の演奏をしてるのを見て、それからハンバーガーを食べたり(笑)。チーズなんかを載せて食べたりするんですが、種類がたくさんあって迷いました(笑)。ケーキやポテトチップスがおいしかったですよ。」


—13日は「アイオワステートフェア」に行ったんですね。
「はい。デモインのステートフェアの会場に行ったんですが、着いた時には50周年記念式典まで時間があったので自由行動をさせてもらえました。「ファーマーズマーケット」っていうんですが、沢山の農産物が売られていて人もたくさんいました。ステートフェアの会場ではトラクターとか家畜がたくさんいて、すごかったです。コンテストで優勝したっていう大きなブタを見ました(笑)。トラクターなんかの乗り物には乗ることができたんですよ。まるでテーマパークみたいだったんですが…なんかよくわかりませんでした(笑)。」

—アイオワは農業が盛んだと思うのですが、そのお祭りみたいなものだったんしゃないですか。
「ええそうですね。すごくたくさんの人がきてました。山梨県の横内知事が会場にいて、一緒に写真撮ったりしちゃいました(笑)。姉妹締結50周年記念式典もその会場で行ったんですが、私たちは「世界に1つだけの花」を手話付きで歌いました。手話はそんなに難しくなかったので事前研修の時に覚えました。横内知事があいさつした時に、知事が子牛の品評会で牛を引くことになっていて「犬は引っ張ったことがあるけれど牛は引っ張ったことがありません」って言ったら、アイオワの人たちが大爆笑でした。そんなに面白いと思いますか(笑)。」


—13日がアイオワの最後の夜だったんですね。
「ええ。13日の夜、ホストファミリーのアリソンと私と2人でモールに行きました。一緒にステイしていた河口湖高校の子はお疲れだったんで、私だけ(笑)。2人でいろいろ見たり、服を買ったりしました。14日の朝は5:00に空港集合だったんで、3時くらいに起きて準備して…ホストファミリーとは慌ただしいお別れでした。お父さんとお母さんとアリソンが空港まで送ってくれました。私、号泣しちゃって…別れるのが辛かったんです…。」


—空港から飛行機でシカゴに行ったんですね。シカゴはアイオワじゃないから…観光ですね(笑)。
「はい(笑)。デモインから飛行機で1時間くらいでもうシカゴです。市内観光をしました。「シカゴ美術館」で有名な絵を見ました…どんな絵だったかと言われても…えーと、有名なヤツです…きっと調べればすぐわかると思います(汗)…(編集部注:調べてみましたが、たぶんゴッホの自画像じゃないかと思います…美紘さんの写真にも写ってたし、どうでしょう)。」


—それから15日は…
「フィールド自然史博物館」に行きました。恐竜の骨っていうんですか、骨を組み立てて再現してあるのがありました。恐竜にはスーって名前がついてるんですよ(笑)。あと、インディアンの衣装や靴なんかをたくさん展示してあったり、熊や鳥のはく製があったり。オランウータンも…(笑)。」


—16日の昼頃シカゴから日本に帰国したんですね。
「16日の昼頃離陸して、成田に着いたのは翌日17日の夕方でした…24時間以上飛行機に乗ってた!!…なんてことはないですね(笑)。へへ。時差の関係ですね。実際には13時間くらいで成田に着きました。それからバスで戻ってきたんですが、私だけ中央道の石川PAでお別れでした。みんなと別れるのは寂しかったですね…(悲)。でも、何人かとは今でも連絡を取り合ってます。ほら、…携帯出していいですか…(携帯の写真<甲府工業高校の文化祭ポスター>を見せてくれながら)、文化祭にきてくれって誘われたりしてます(笑)。」


—今回のアイオワ訪問は国際交流というか、山梨の親善大使として出かけたわけですが、その役割は果たせたと思いますか。
「はい、しっかりと。コミュニケーションの面では、なんか私の英語が通じていたんで、いつの間にか他の学校の生徒たちの通訳みたいな役回りになっていて…わからなくなると私に日本語で言ってきて、”はい、訳して”みたいな(笑)。でも、英語が通じてうれしかったです。いろいろな人と話しましたよ。ホストファミリーはもちろんですが、それからお店の人とか…ほかの人のホストファミリーの人とも話しました(笑)。アリソンの英語はわかりやすかったですねぇ…ときどき訛っている人がいてわからなかったりしましたが(笑)。」


—今回の青少年訪問団に参加してどんなことを学びましたか。
「向こうの人の優しさがわかりました。私が部屋から出るのにドアを開けてくれたり、他にも気を使ってくれるいい人がたくさんいました。アリソンは特に私に気を使ってくれました。お母さんは韓国人なんで、ある日満月を見て、月の中にうさぎが見えるわ。mihiroは日本人だから同じよね。」って言ったんだけど、アンソニーは見えないって言い張ってて、アリソンはずーっと月を見てて、しばらくして「見えたわ」って言ってくれました。気を使ってくれたんだと思います(笑)。アメリカでは人の顔に見えるそうですから(笑)。それから、他にわかったのは、食事は日本の方がおいしいということ。でも、ヨーグルトは甘くておいしかったです。ケンタッキーとかマクドナルドとか、それからセブンイレブンとか、サブウェイとか…日本でよく見かけるお店がありました(笑)。」

—これは毎年行っているプログラムではないですよね。
「そうですね。今年が50周年だから行われたプログラムでした。でも、交流協会の事務局長さん、山田局長ですか…私たちは訪問団の1期生なんですよ、って言ってました。私たちの後にひょっとしてまたずっと続いていくのかなぁ…って思うと、なんかすごいですね(笑)。」

—これを機会にどんどん海外の人たちと交流してくださいね。ニュージーランドの語学研修とか、ケンブリッジ大学のプログラムとか挑戦してみてください。
「私はけっこう海外にはでかけている方だと思います。でも今回ほど英語を使ったことはなかったですね。これからも英語がんばります(笑)。」

■参考リンク■
Governor of Yamanashi Visits Iowa
to Commemorate Sister State Partnership(IRIS 8月25日)
やまなし元気ナビi (山梨県公式サイト 8月23日)
YBSテレビ(8月29日放送分)
アイオワ州でフジザクラポークの源に触れる
(blog「やまなしものがたり」8月13日)
アイオワ州との姉妹締結50周年! 新たな覚書結ぶ!
(blog「やまなしものがたり」8月14日)
アイオワ・ステート・フェアは大賑わい!
(blog「やまなしものがたり」8月20日)
The Yamanashi(PDF)(山梨県国際交流協会の機関誌)

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