香蘭女学校との教育連携について

 

香蘭女学校は東京都品川区にある120年以上の歴史を持つ中高一貫の私立女子校です。

 

本校が英国国教会の支援を受けてイギリスの地に設立されたのに比して、香蘭女学校は英国国教会の宣教師によって日本に創立された学校で、共に日本聖公会に属し、「キリスト教に基づく人間教育」という建学の理念を共有しています。本校と同じ立教大学の系属校として、80名の生徒が立教大学へ推薦で進学します。

 

この度、両校の教育連携の一環として、生徒の相互受け入れについて申し合わせを交わしました。これにより、本校の生徒で、保護者とともに海外に在住している者が日本に帰国をする時に香蘭女学校への編入学を希望する場合には、当該学年の人数枠に余裕があれば編入試験を受けて転校することが可能になります。

また、香蘭女学校の生徒も、学年により希望すれば本校へ編入学することが可能になりました。

 

詳細についてはそれぞれの学校にお問合せください。

愛とは待つことである

髙野 晃一


私が初めて立教英国学院を訪れたのは、この学院が創立されて間もない頃のことです。

ホーシャム町からバスに乗ってラジック村のフォックスインの所で降り、約四0分歩いてこの学院を訪れました。

当時は本館の建物だけでした。夏休みの時だったので生徒の姿はなく校長先生と奥さんだけが住んでいて、一泊し色々学院の話を聞かせていただきました。

十数名の生徒は主に海外で働く家庭から来た生徒たちでした。

日本の昔の寺子屋のように先生と生徒が一緒の生活です。

校長先生の奥さんがお手伝いさんと一緒に料理や掃除洗濯もしているそうです。

学院の創立には日本聖公会と英国国教会が物心共に深く関わり、本館校舎の購入には強い支援をしたようです。

当時の日本聖公会の首座主教であり立教学院院長でこの学院創立に関わった、大久保直彦主教さんに以前から学院の話は聞いていました。

創立の責任者であり初代校長の縣先生のこと、海外の多くの企業が強く支援していること、立教学院の卒業者たちの協力があることなど。

こうした沢山の人々の協力と支援があって創立に漕ぎつけたことなどです。

 後に私もこの大久保主教さんの指示で、英国の教会で二年間働くために再び来英し、小学一年生を筆頭に四人の子どもを英語の全く分からぬまま現地校に入れた経験から、海外に住む親にとって子どもの教育が深く心に掛かることであるかを分かっていたので、この学院には絶えず関心を持っていました。クロイドンでのビザの更新のため、再び学院を訪れた時も夏休みでしたが、今度は大きくなった学院の新館に家族と共に泊めていただきました。

 この大久保主教さんが立教英国学院特祷を制定し創立礼拝も司式されましたが、後年良く説教された主題が「神は愛である、愛とは待つことである。」と繰り返し語られたことです。

旧約聖書全体を通して流れていることは、その二千年の歴史を通して神さまがいかに人間を愛し恵まれ続けたかという事実です。

神さまは預言者たちを通して、人間をいかに愛し続けているかを伝え教えましたが、この神さまに対して人間は絶えず反逆し裏切り続け、その反逆と裏切りは止まることを知りませんでした。そして最後には人間のために世界に降り、自らの命までかけて人を愛したイエスさまを、人間は十字架に掛けて殺してしまったのです。

しかし、使徒たちやパウロなどは、それでも神さまは人間を愛し続けておられると手紙などに記し、これらの証言を集めたのが新約聖書です。

この旧約と教会の時代を合わせた四千年の歴史を通して言えることは、神さまは人間の反逆や裏切りに対しても、決して諦めることなく忍耐をもって人間を愛しそして待ち続けているという事実です。

これこそ大久保主教さんが繰り返し説教された、「愛とは待つことである」という意味です。

この立教学院がキリスト教の教えに基づいているとは、その教育の底に「愛とは待つことである」という聖書の教えが深く流れていることであると思えます。

立教学院特祷では「願くは教うる者と学ぶ者とを祝して、共に知識を深め、主の真理と愛とを悟らせ、常に謙遜なる心にて神を仰ぎ、たがいにいたわり、たがいにあい励ますことを得させたまえ」と祈ります。

この底には神さまとイエスさまの止まることのない人間への愛が流れます。

家族の間では当然のように、また人の集う共同体である社会や学校でも、愛があれば互いを尊重し合い忍耐と希望を持って他を待ち続けられます。

すぐ切れて待てないのはそこに愛がないからです。

立教英国学院の教育の底には、この「愛とは待つことである」という姿勢が深く流れていると思います。

   
   

 

2月1日の夕方、地元の慈善団体 CHASEの代表の方が学校を訪れました。

昨年11月に開かれた本校のオープンデイで、「チャリティー企画」に参加する生徒たちが自分たちの手作りの品を売って集めた寄付金約1,000ポンドを受け取るためです。

職員室に集まった「チャリティー企画」の生徒たちを代表して、高校1年生の女子生徒が寄付金の入った封筒を手渡し、続いて中学部3年生男子生徒から千羽鶴がプレゼントされました。

夏休み中に彼が一人で作り上げたものですが、ひとつひとつ一枚の紙から折ったこの作品には更に感動して下さったようです。

 

このCHASEを始めとする地元の慈善団体への寄付金を集めるため、有志が集まって11月のオープンデイに向けて1学期から準備を始める「チャリティー企画」。

年々売り上げが着実に伸びているだけに、企画長にとってはかなりプレッシャーですが、今年も皆で協力して新しいアイデアを出し合い、様々な手作りグッズを売って、立教史上最高の1000ポンド以上の売り上げを記録しました。

 

実際に集まった現金を直接手渡しすることが出来、笑顔で「THANK YOU」と言われると、「また来年も頑張ろう!」と新たな意気込みが湧いてくる、そんな満足の笑みがチャリティー企画の面々の顔に浮かんでいました。

  

朝の礼拝後に高校2年生の図書委員長より「おすすめ文庫」のアナウンスがありました。

 

現在学校の図書館には2万冊以上の日本の蔵書がありますが、文字離れが進む昨今、なんとかより多くの人たちに本を読んでもらおうと高校2年生の図書委員を中心に企画されたのがこの「おすすめ文庫」。

昨年の1学期から毎週1度開かれる委員会で少しずつ準備を進めてきました。

最近皆が興味を持っているような本を調べたり、夏に日本に一時帰国される先生方に頼んで新しい本を買ってきて頂く手筈を整えたりと下準備に1学期間を要し、第2学期は本の整理やラベル貼り、ラミネートで保護カバーを付けたり、貸し出しノートを作ったりと地道な作業が続きました。

そして3学期になり、昨日最終打ち合わせをした後、何とか貸し出しを開始することが出来るようになったわけです。

 

設置場所は教員室の入口ホール。

特に「おすすめ」の本だけを厳選して皆がよく通る場所に置くように工夫しました。

放課後になるとさっそく「おすすめ文庫」の書棚の周りには人だかりが出来始め、先ずは順調な滑り出し。

1年間かけて企画/準備した「おすすめ文庫」が何とか現実のものとなって、図書委員一同ホッと胸を撫で下ろし大満足の様子でした。

 

  

 

 

3学期は新しい年度の準備期間、そしてクラブ活動も代交代の時期。

昨日行われたギター部のコンサートでも今回から高校1年生のバンドが加わり、高校2年生にとってはこれが最後のステージとなりました。

新旧が入れ替わるちょっと特別なこの日のステージでは、恐らく過去最多の18バンドが合計30曲を約3時間にわたって演奏。

バラードからビジュアル系のロックまでバラエティーに富んだ曲目を同学年の高校生ばかりか、中学生や小学生までもが熱心に聴いていました。

ビートの効いた曲の時には汗をかくほど腕を振り、じっくり聴かせる曲にはペンライトを左右にゆっくりと振りながら演奏者と一緒になってコンサートを楽しんでいた彼らも、流石に休みなしで3時間の演奏とあって、後半は少々疲れた様子で曲の合間は一休み。

でも再びステージに演奏者たちが現れるとステージ前に詰めかけてリズムに合わせて声援を送っていました。

最後の数曲は高校2年生のベテランバンド。

丁度一年前にステージデビューした彼らですが、その貫禄ある演奏にホールにいた全員で大いに盛り上がってコンサートは幕を閉じました。

「目に見えないものを撮る!」

夕食の後、来学期行われるフォトコンテストについてのアナウンスがありました。

「ロンドンのCasioさんから3台の高速シャッターカメラをお借りしました。

君たちのアイデアを生かして良い写真をたくさん撮って欲しい。

今学期はお試し期間なので、いろいろなアイデアを出しながらこの素晴らしいカメラを試してみて下さい。

テニス、バスケットボール、バレーボールなどのスポーツでフォームの研究、理科の実験で使ったり、日常生活の見慣れた風景の中で見過ごしている見えない一瞬を捉えたり、可能性は無限大です。

来学期が本番、学期末にフォトコンテストを開きますので奮って参加をして下さい。

上位3名にはカシオロンドンより、特別賞が授与される予定です。」

 

そもそもこの話は本校の卒業生でカシオロンドン支店に勤める中野さんが提案してくれたもの。

同僚の英人の方と何回か学校を訪れて打ち合わせをし実現した企画です。

折しも昨年から校内ではフォトコンテストが何回か開かれており、生徒たちの写真への興味も少しずつ湧いてきたところ。

秒間40コマもの撮影を可能にしたこの3台のカメラと若い柔軟なアイデアがどんな作品を生み出すのか、今からとっても楽しみです。

このフォトコンテストへの応募作品はホームページに掲載するとともに、11月第1週に行われる本校のオープンデイでも特別コーナーを設けて展示する予定です。

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