立教英国学院に入学して3週間。すっかり新緑のまぶしい季節となりました。中学1年生の国語の時間では「朝のリレー(谷川俊太郎)」を読み、朝と夜の対比表現について学習しました。
立教の「朝」といえば、とにかく慌ただしい。眠い目をこすりがなら短い時間で身支度を整え、起床の20分後には中庭でのラジオ体操がはじまります。天気の良い日が続く今日このごろですが、朝晩は冷え込み、日本の家族を、布団のぬくもりを、恋しく思う生徒は多いようです。

今回は3回に続けて「朝のリレー」に関する生徒作品と生徒の視点からみた「立教の朝」をご紹介します。

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ギルフォードの少年が 宿題をしているとき
静岡の少女は 学校に行っている(M1・男子)

ロンドンの学生が 勉強して寝ちゃったとき
シドニーのボーイはココアを飲みながら まぶしい朝日を浴びている(M1・男子)

バンクーバーのビジネスマンが お酒を飲みすぎて寝てしまったとき
ホーチミンのハッピーな人は 観光客にベトナムコーヒーを売っている(M1・男子)

ケープタウンの少女が 海で泳ぐ夢を見ているとき
スパの少年は 朝風呂に入っている(M1・女子)

日本のお母さんが息子のお弁当を作っている時
ドイツのお父さんは娘にベットで本を読み聞かせている(M1・女子)

「この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ(原文引用)」a

ようやく立教生活に慣れてきた日だが、
仲良くしてもらってる先輩に、「森って行った?」
それから、毎日、森のことが気になっていた。
なぜすぐに行けないのかというと、広すぎるので3人で行くという
「ルール」があるからだ。

まだ、日が浅いのに誘える友達がいないと思っていたが、
寮に入ってきてすぐに友達ができ、仲良くなり、ついに森へ行くことができた。
森の中は、とても神秘的だった。きれいだった。
たしかに素晴らしい光景が広がっていた。

だが、
それ以上にびっくりしたのは、自分自身がリラックスできていることだった。
ありがたいことに、毎日忙しい生活を送っている私ですが、
少なからず、ストレスだったり、疲れが残っている。
どこかで一人になっても、疲れが取れなかったりするが、
ここにきて、落ち着ける場所が見つかったと、あらためて
自然のありがたさを感じた。

イギリスのcountrysideで、自然に恵まれながらの生活をし、
充実した日々を送っています。
まだ、本当に日が浅いと思うが、一日を大切にしようと思った。

最後に、僕の quiet room は森です!!

4月19日、私達は日々の疲労(まだ9日しかたっていないが)を労おうと立教英国学院近辺の森へ行ってきた。

出発する前、森先生からブルーベルが咲いて綺麗だと教えてもらった。しかし、私達3人はみんな新入生でブルーベルがどのような花か知らなかった。

心を踊らせトトロのめいちゃんのような気持ちで1本道を歩いていった。

10分ぐらい歩いただろうか。鳥のさえずりが絶え間なく聞こえ、童話に出てきそうな景色だった。最初は点々とそして、あたり一面に紫の花があった。森の幻想的な雰囲気に包まれてまるで紫のカーペットがそこに一枚、敷いてあるようだった。

木の間からくる木漏れ日はスポットライトのように花を照らし輝いていた。

その花たちの中に1つ2つ白い花が見えた。後で聞くとホワイトベルという花だったそうだ。それはまるで夜空の星のように美しく佇んでいた。

花たちを眺めているととても爽やかな気分になれた。日頃の疲れも吹き飛んだようなそんな気がした。ホワイトベルの花言葉のように、幸せが訪れるのを待とうと思う。
(高等部1年男子)333

「森いかね?」そう誘われたのは友達と帰路につく時であった。

私は根っからのインドア派でコンビニに向かおうとするだけでも腰が上がらないほどだ。しかしこの時に限ってはそうではなかった。

せっかくこんな大自然に囲まれて生活をするのだ。少しばかり外の空気を吸いに行くのもいいではないか。意外と森には面白いものがあるかもしれない。

「行こう」そこからは早かった。いつもはベッドメイクをだるそうにやる我々も今日に限ってはそうでない。稲妻のような速度でベッドメイクと着替えを終わらせて、浮足立ちながら馬糞の臭いがする道を経て、森へ向かった。

「この時期はブルーベルが綺麗なんですよ」先生から聞いたその一言を胸に期待の気持ちいっぱいで森へ入ると、その言葉通りの美しいブルーベルがあたり一面に咲いていた。「エモい」とはこういう事を言うのだろうと感動しながら森を歩いた。

森の中を歩き始めて15分くらいだろうか、幻想的な青紫の絨毯の中に白い何かが混じっていた。鈴蘭だ。ここでは「ホワイトベル」と呼ぶようでそれを見ることができると幸運が訪れるそうだ。

たくさんの写真を撮り、友達と他愛もない話をして歩き続けること30分、気がつくともう出口が見えてきた。自分の想像していたよりも遥かに良い体験だったなと思いながら帰宅を先生に告げ至福のシャワーを浴びた。こんな日もたまにはあってもいいのだろう。

翌朝、担任が一言「今日はクラスでブルーベルを見に行きます。」
(高等部1年男子)222

 僕はこの学校で成し遂げたいことがいくつかあります。それをこの作文を通して、伝えていければと思います。

1つ目は、英検準1級を取得することです。イギリスに来たのなら取った方が良いと思いました。大学受験でも優位になりますし、色々なところで使えるので、とても便利だと思います。ここに来る前イギリスのロンドンに数日滞在していた時、自分の英語が少しは通じると思っていましたが、現実はそう簡単ではありませんでした。自分は全然レベルが足りていなくて、手も足もとどかない状態だと思い知らされました。だから、英語が通じるように英検準1級を取ることが僕の将来のためになると感じました。

2つ目は、生活リズムをしっかりと整えることです。僕は、家にいると、勉強をしようと思っていても全然集中できなくて、少ししか内容が理解できません。だから、この学校が僕にとって集中して勉強できる場所だと感じました。僕はみんながいる場所だととても集中できて成長していると感じます。だから、この3年間たくさん勉強してたくさん成長できるようになりたいと思います。あと、僕は夜遅くまでユーチューブを見ていたりしたから、早寝早起きがここ最近できていなくて、早寝早起きをして、健康良く過ごすことができるようになりたいと思ったので、それを実現させてくれるのはこの立教英国学院だと思いました。

この目標がここで過ごす3年間で実現できるように頑張りたいと思います。
(高等部1年 男子)

私は最初、この学校に来て中学からいる生徒がたくさんいることに正直びっくりしました。びっくりしたと同時に少し不安にもなりました。もとからいる人たちの間に入れるかが不安でした。しかし相手側から私に積極的に話しかけてきてくれて私はとても救われました。寮生活において友達というのはとても大切なものです。これからは私も積極的に話しかけたりしてより絆を深めれらるように生活していきたいです。 次に高校生活においてなにが重要だと考えるのかについてです。私はいくつかの重要なことがあると考えています。

1つは責任感です。高校生というのは義務教育ではありません。一つ一つの行動すべてが自分に責任がかかります。また立教英国は寮生活なのでなおさら責任感が大切だと思います。

次に学習面です。私は高校生活が一番勉強する時期だと考えています。高校を卒業したらこの先どのように生活していくのか、大学にいくにしても就職するにしても自分の夢のためにたくさん勉強しなければなりません。ですので私はこの充実した環境のなかで勉強を頑張ります。

次に思いやりの心です。寮生活においてこれも大切だと思います。自分ばかりを優先していれば寮生活は成り立ちません。この学校では思いやりの心を大切に生活していきます。

またこの学校はキリスト教の学校で毎朝、礼拝があるのでこの学校ならではの機会を大切にし、心を清らかにしていきたいです。この学校はとても規則正しい生活だと思います。ですのでこの規則正しい生活になれて健康に過ごしていきたいです。

この恵まれた環境で勉強を頑張り、全力で楽しみながら充実した高校生活を送れるよう頑張ります。
(高等部1年 男子)123

高校生に、そして立教英国学院の生徒になったばかりの私には不安なことがたくさんあります。

1つ目は、家族と離れて過ごすことです。今まで学校行事などで数日間家族と離れていたことはありましたが、3ヶ月もの間離れて生活するのは初めてなのでとても不安です。入学から数日経ちましたが、初日から家族に会いたい、と寂しさを感じています。とくに夜、眠るまでの時間に会いたいと考えています。これから3ヶ月の間、家族とのやり取りがメールとMeetだけなので、寂しさに耐えることができるのか不安です。

2つ目は、学校生活についてです。中学までは夕方に学校が終わり、その後は自分の部屋で好きなことをしたり、でかけたりしていたので、夜まで授業や自習があるこの学校の生活に変わり、早く慣れることができるかが不安です。

他にも食事のときのマナー、寮生活、高校の勉強など、不安なことは挙げればきりがありません。ですが、不安なこと以外にも楽しみなこともあります。それは、学校の外にでかけることや、フライデースポーツ、オープンデーなどです。英国にあり、全寮制であるこの学校だからこそできることがたくさんあると思います。これらのことにも不安なことはありますが、それよりも楽しみという気持ちが大きいです。

これからの生活には不安なことも楽しみなこともたくさんあります。家族や友達に会いたいとこれからも思うと思います。しかし、周りの友達、先輩、先生方に助けてもらいながら頑張りたいと思います。そして3年後の卒業の時に、「この立教英国学院を受験し3年間通い続けてよかった」と思えるように頑張りたいです。
(高等部1年 女子)ccc

 この春、義務教育が終わった。それと同時に僕は高校に上がった。これは当たり前のように思えているがそうではない。義務教育が終わったということは同じ15歳でも今社会に出て働いている人たちもいるということだ。僕だって働くこともできた、しかし自分で高校に進学を決めたということは今までみたいにしてはいけないと言うことだ。自分で決めた道なのにこの三年間適当に過ごすことは無責任という言葉があっているかはわからないがそういうようなことは断言できる。そのため僕は中学生時代と比べもっと自分の決めた道を華やかしていくために変えなければならないことや新しく始めなくてはならないと思う。ただ一度にたくさんやるとあまり定着がしないのでとりあえずこの1学期、一つのことを始めてみようと思った。

それは手帳だ。ほぼ日記みたいなものではあるがこれは確実に僕の今の生活やこれからの道をより良くしてくれるだろう。まずこの手帳で明確に変わるのは物や予定を忘れるという小学生のようなミスだけでなく、時間に確実に遅れないという幼稚園児のようなミスまでしっかりとカバーしてくれると思う。こういう初歩的なミスはミスをしにくいが、したら取り返しがつかなくなってしまう。これから生きていくにつれてミスが大きくなっていく。だからこれは何よりも重要なのだ。僕はミスしかしないというのが本当の意味だが。またこれは自分の普段の生活を振り返る日記としての役割も果たしてくれる。やはり自分の好きなことは積極的にできるが、人間は嫌いなものはあまりできない、後回しにしてしまうのが人間の本能であると思う。特に僕はそういう人間だ。しかし1年だけそうではなかった時期があった。それはまだ僕がこの学校に編入してくる前だ。自分の生活の予定すべてを週末に書き、それをどれだけできているか夜確認し、実際の行動を赤ペンで付け加え自分が実際どのくらい目を背けているか確認していた。その結果いわゆる自称進学校でクラスの上位に食い込んでいた。しかし2年になりやめた瞬間一気に落ち、3年でこの学校に編入して書きすらしなくなったらもっと成績は落ちてしまった。手帳は僕にとってどれだけ意味があったかこの春再確認できた。また
書かないことがどれだけ時間を無駄にし、できた気だけするかがよくわかった。だからこの1学期だけでも書き高校生の初めとして自分を再確認していこうと思う。それが必ず将来に繋がっていくと思うから。
(高等部1年 男子)

 「初めて生徒を愛したよ。」そんな感動的な、元担任の先生の言葉で私の短いようで短かった中学校生活は幕を閉じた。

春休みに入り、クラスメイトと会わなくなると、あのキラキラで充実した毎日は夢だったのではないかと、何度も友達の写った写真を見返していた。

そんな未練タラタラの私には、4月から高校生になる事実よりも、友達とクラスが離れる、担任の先生や教室が変わってしまうなどという事に悲しさを覚えていた。

いわゆる、元メンである私は何もかもがピカピカな一年生な訳ではなく、友達も環境も制服も中学生の時とは変わっていない。ただ、新しくおろしたワイシャツの硬さだけが新学年であることを教えてくれた。

学校に到着し、新しい教室に入るとそこには、まるでピン!と音がなっているように感じられる程、激しい緊張感があった。新しい先生、周囲に座る知らないクラスメイト、やけに縦に長い教室。全てに非日常感を感じ、これが日常と化するまでには相当な時間がかかることがわかった。この作文を書いている今も尚、前後左右に違和感を感じていて見渡す限り名前のわからない同級生が私と同じようにパソコンを叩いている事実は受け止め難い。

去年まで過ごしていたM3の雰囲気がどんなに暮らしやすいものだったのか、改めて実感するが、どんなにあの空間を恋しく思ってもそれが戻ってこない現実はどうにも変えられず、残る選択肢はこの異空間に慣れる、のみである。

「華のJK」、日本にはそんな言葉があるが今の私はその言葉からは到底離れた場所にいる。友達の作り方なんて教わったことなんてなく、今までも工程など、考えずできていたはずだ。習うより慣れろ、これが通じないのは私にとって初めての出来事で危機感や困惑などが何度も私のところへ押し寄せた。こう悩んでいるのは私だけでは無い様で、私以外の元メンも同じような悩みを抱えていることを知った。元メンの有利な点、これは今まで何回も聞いてきたし感じたことも多々あるが、今はハンディキャップのほうが目立っている。元メンで盛り上がることで寂しさを埋めている私は果たして正解の方に向かっているのか。そんな不安が日に日に膨らんでいる。

人生の変わり目とはこのことだろうか。この大きく立ちはだかる壁を乗り越えた先に華のJKは待っているのか、今こそ自立するべきだと自分に言い聞かせながら現実の難しさを知る日々である。
(高等部1年 女子)

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